第6話「分水嶺」

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私の名はアイオリア

アテナに忠誠を誓った聖闘士だ。

今、私はセイメイ殿のギルドに参加している。

理由はそう!!!可愛い妹を守るためだ!!


さきほど、俺の逆鱗にふれたクソアマをぶっ飛ばす予定だったのだが、尻尾を巻いて逃げてしまった。

相手の信者の残党狩りをする際に無益の殺生を諭した。我が手刀を止めたのは、セイメイ殿だ。


やはり彼は素晴らしい!

私の乾いた心を救うリーダーだ!!

アテナを主としている私に対して、何も言わない。

そう!!異端者の私に慈愛と配慮をしているのだ!!

私のような異端者を受け入れているあたり、寛容で柔軟な思考をお持ちのようだ!


How do you evaluate him?


I'm selected


It is "splendid" word


but…


SO!but…妹はセイメイ殿にも心を許すのはなぜなのか?

兄である私になぜ心を開いてくれない!?




「お兄ちゃん、セイメイさんのとこいってくるね。」



妹はセイメイ殿のところにいった。


妹は兄離れが始まっているのだろうか?

幼少期から家で二人っきりだった。親から進学の事で大学中に俺が留学する事になったときに大泣きしてたのを思い出す。留学中もメールのやりとりをしていた。留学から帰って就職の時期に俺は外資系企業に就職した時も妹は泣いていた。またどこかいくのかと…。私が帰国した時には妹は家にいなく一人暮らしを始めていたのだった…。

そして、時は流れ…。数か月前にこのゲームを私がやっていることを妹は知り、ゲームを始めた。

おそらく一緒にいられないけど、そばにいることができるというのがネットのSNS等の良さでもあるが、

よりによってオンラインゲームとはな…。

もう…俺は兄の役目を終えたのではないだろうか?

私は次の道へ進めるべく準備を模索していた。

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ソロモンが地図を見ながらいう

「ここからさらに南下していくと国境越えに少し遠のく。少し西に迂回し、南にいけば、早く国境の辿り着ける。ただし…」

「ただし?」

「峡谷がある。」

「なんだ。馬を引けばいいじゃないか。」

俺はなにか悪魔でもいるのかと思って身構えて損をした。その回答はニアピンで正解となる。

「そこに問題がある。」

ソロモンは話を続けた。

「魔境ではなく“魔橋”なのだ。言い伝えの話(設定)では悪魔が作った橋がそこにある。それを越えなければならない。」

まさかかすった答えになると思わなかった。魔橋か…。ん??というと??

「ちょっとまって。ここでクエストうけろというのか?」と俺はソロモンの言葉を疑った。

「いや、ここの悪魔は典型的サタンだ。ランダムで出現するらしい。無論、討伐が成功すれば失われた財宝が手に入るらしい。」

「ソロモンさん、サタンが出るのですか?」

そこにはいってきたのは、クリスだった。

「仮にサタンが出てきても神聖力である程度の攻撃は無効化できますので、ある程度楽に戦えますよ!」

「そうなのか?」俺は少し驚いた。神聖力ってすげーな

「ワシは魔術だからあんまり攻撃は通らない。可能なのは補助魔法でPTのパラメータの底上げぐらいにしか役に立たないのぅ~」

「今回はクリスが頑張ります!期待しててください!」クリスは張り切っている

「ほんじゃまぁ、悪魔に出会わないように抜けれるといいなぁ。」と俺がいうとユーグがツッコむ

「そんなんフラグ立っちゃうじゃないですかー!!」

俺らは笑いながら馬に跨り歩を進めることにした。


~トイフェル峡谷と魔橋~


中々橋のかからなかった土地の民がやけくそになって悪魔にでも頼むしかないといったら、悪魔がでてきて橋をかけたそうだ。そのあと、悪魔は十字架で逃げていったそうだ。


にしても、この峡谷はすごい。

断崖絶壁という言葉がイメージしやすいだろう。今にも倒れてきそうな錯覚に陥る。

パスガをあとにしてから、もうすでに夕暮れを迎えようとしていた。

峡谷は徐々に狭くなり、二人で並んで歩くには少々狭い道幅になってきた。そして、例の“魔橋”が目の前に現れた。

橋は横幅が広くできて、往来が可能なほどの広さだ。

橋の下をみると目が眩むほどの高さと激流が流れている。峡谷であるので風もそれなりに強い。

この水があのコンスタンの湖まで流れているのだと思うと俺の想像を超えて自然とはかくも雄大であると知らされる。(ゲームの世界だけど)


日はも暮れていて、ゲーム上の仕様で道に関しては松明のオブジェだったり、自然の明るさが反映されている。


渡り始めてからユーグが「フラグ回収しなくてよかったすね~」と笑いながらいっていた。

中腹に差し掛かり、目の前に大男が現れた。

赤いズボンに黒い服、頭には羽の付いた帽子を被っていた。

「この橋は俺の橋だ。渡りたければ魂を差し出せ。」といってきた。

ソロモンと目が合った。


おいおいおいおいおいおい、おいぃぃぃぃいぃいいいいいい!!!!!!

俺の回答ド正解で、フラグ思いっ切り回収しちゃってんじゃん!!!どうすんのこれぇーーー!!!


「現れましたね!サタンさん!」クリスが意気揚々と正義ジャスティス啓示エンスラーを詠唱し始めた。


大男は体が膨れ上がり、服は破けちり頭からは角が二本生えてきた。

顔はヤギのような顔しているが腕は丸太のように太く、指の爪はとげのように鋭く、足は蹄の足に変化していった。背中には蝙蝠のような翼が生え見るからに悪魔そのものだった。


「おい、これPT狩りだよな?これソロで旅していたら倒せなくない?」と俺はソロモンにいう

「あーこれはPT組んでたら出るみたいだよ。ソロだったら出ないみたい」とサラッという。

「ここソロで狩りするとこあったか?」俺は聞く

「あるけど、それはもう少し東側の方の山道みたいだね。むしろ俺らは最短の道のりで進んでないから、通常ここはソロで歩かないみたいだよ?各拠点からも遠いしね。それにネーミングが通りたがらないでしょww」

「あーもうぉ!!」と嘆きながら弓を出した。

サタンは空を舞い、橋全体に結界を貼った。

「あーこれ倒さないと橋渡り切れない感じかー」ソロモンは冷静に現状を分析する。

「いいから支援魔法頼んだぞ!」

ユーグが切り込んだが、指二本で剣を挟み、はじき返した。

「うっそぉ~~ん。」ユーグは勢いでしりもちをついた。


「ガハハハ、まだ今のおまえじゃ無理じゃ。おい、アイオリア動けるよな?」

ソロモンはアイオリアを呼びつける。

「ソロモン殿、いつでもいけるぞ。」


― 私は…そう、このギルドのやいばとなろう ―


足元の地面を蹴り出し、蹴りだした足裏から紅蓮の炎を纏う。

ソロモンは手元に詠唱済みの魔法陣を手に掲げている手に走り抜ける際にタッチをする。

アイオリアはさらに加速し、そのまま一直線にサタンに飛び蹴りを入れる。


ドラゴン…フレイムッ!


サタンは膝をつく。


「ほう、ダウンしないか。」

「夜時間だから通常より倍の体力じゃぞーー!!」ソロモンが後方から叫ぶ。

「だからか。どおりで燃やし尽くせないわけか。」

「お兄ちゃん、下がって!」

アイオリアはバックステップで下がる。


ヴァルキリーの本業は洋槍スピアーだ。盾と槍を前に出し突進する。

地面に半分くらい突き刺さった魔法陣を呼び出して、その真ん中を貫く。


クリスの装備は白く輝きサタンに槍を突き刺す!


ジャスティス・エンスラァァァーー!!!!!!



サタンは地面に体をおしつけられるように倒れた。


「セイメイさん、今です。サタンは私の神聖力で動けない様にしてます。このままダメージを与えれば、倒せると思います!」

「わかった!」

「ユーグ!!お前にLA取らせてやるよ!!」

「えー無理でしょこんなの~~」と投げやりだ。

「いいからいうことを聞け!お前のソードジャンパーのスキルあるだろ?あれを使って跳べ。落下速度を活かして魔王の頭を切断しろ。俺はその間に羽をもぐ。」


「わかりましたよ~マスター。」


ユーグは魔法剣を立てて、剣の柄を踏み台にジャンプする。ソロモンはユーグのジャンプに合わせて身体強化のエナジーインストールを打ち込んだ。



俺は薙刀に持ち替えて、地面からすくいあげるように風を起こし弧を描き地面から刃を出した。

さらにその薙刀を振り下ろし再度、風の刃を作りクロスさせて撃ち放った!

クロスさせた風の刃は地面を走り、サタンの両腕を切り裂き、羽の付け根から羽を落とした。


風の刃が抜けたあと、ユーグが落ちてきた。ユーグは腰にさしてある剣を抜く


― ああああもう!!!やけくそだぁぁあああああ!!


剣をサタンの首めがけて突き刺すようにしてユーグは落下してきた。


サタンの首は落ち、サタンは消えた。


サタンがやられると橋全体を覆っていた結界は消え、星空が見えた。



「ほらユーグLAとれただろ?」俺はユーグに手を差し伸べた。

「ねぇー!結界の高さギリギリで上昇したんだけど、あれに当たると俺スタンするんですよ??」

「大丈夫だよ。ユーグを信じてた!」

「うそだぁ!たまたまでしょ??」というと

「バッカ!俺の神算鬼謀能力を知らんのか??」と笑いながら誤魔化した。


「まぁいいじゃないかうまくいったんだしの!」とソロモンは近寄りながらいってきた。

俺はクリスとアイオリアを労った。

「さすがセイメイさんですね。仲間を使ってコンボを打ち込むなんて流石です!」

「セイメイ殿、我が拳存分にお使いください!」

「二人ともありがとう!ナイスアシスト!」

「さぁ先を急ごう!」二人の背中を押し出し、橋を渡り切った。


そんで報酬は、サタンの角と金塊だった。

サタンの角がなんなのか調べてみたがよくわからなかった。とりあえず、先に進むことにした。



~三城塞の長城跡~


ここは難所中の難所。城が三つも連なる都市である。

カステル・シュバイツ・ヴァルトの3つからなる長城である。

南攻の要所として今現在でも対北上軍への対立を維持する。

黎明期ではここで防衛一択をしていれば、時間で勝つという生産性のない戦場だったので、運営が模擬戦用に改良し、長城はあまり原型がなく今はただの古城の跡地だ。



ここでは流石の追手はいなく、いたのは観光目的のプレイヤーがちらほら見かける程度だった。

「マスター、この先は私が先鋒にでます。」とアイオリアは神妙な声で俺に話しかける。

「ああ、別にアイオリアはある意味切り札だとしてたからアイオリアでダメなら俺も腹をくくれるよ。」

アイオリアは俺の顔を確認する。少し驚いたような感じでもした。

ここの古城は今度ゆっくりみるとしよう。


橋を越えてからゆっくりと下山コースになりつつある位置にコンスタンの湖と同じように形成されている湖がある。それがルガールである。



~湖畔のルガール~



ここは南北戦線の境界線に当たる街。北伐となるとここを足掛かりに関所町パスガや、パスガより西側に位置するウルススという町にいける中継地点である。



補足してウルススの町も合わせて紹介しよう



~自然要塞都市ウルスス~



川を挟んで隆起した丘の上にありパスガとは違った自然の要塞である。町の大きさはパスガより大きい。

街の三方が川で囲まれており、残る一方には城壁、堀、“大時計搭”などが築かれており、特に“大時計搭”は時を知らせる鐘、塔の時計、仕掛け、天文時計はすべて一つの装置で賄われておりイーリアス大陸の時を知らせている搭でもある。

時刻の他に曜日、日にち、月、星座、月に位相も表示している。別名:時の街



さてルガールより南下すれば国境越えが可能となる。

ルガールを抜けて下りの山道を進み、順調に馬を走らせる。

ユーグは少し疲れ気味にいう

「いやぁマスター、明日休みだからいいけど、ねみーよ~。」

「ここで寝たら死ぬぞ!!」俺は遭難したメンバー言うようにいった。

「マスターの言う通り、寝たら死ぬぞ!!」ソロモンが悪ノリしてくる。

「え?じゃあとりあえず、ここまでということでログアウトすればいいのでは?」というと

「そうじゃないんじゃあ」とソロモンは天を仰ぎ、手で目を塞いだ。

クリスは生真面目なのかもしれない。


「マスター、ここから先はある意味、危険です。」アイオリアは一人で何かを察知していた。

「おいおい、そろそろ中二病キャラはユーグにやらせてやれよwキャラ食ってるんだよ!」と俺はいうと、

「え?俺そんなポジションなんですか?」とユーグが笑いながらいった。


「マスター、アイオリアは病状でいっているんじゃあない。こいつは…!」ヴォンと手に魔法陣を描くソロモンがいた。


山道を抜け、林道に差し掛かったところで馬脚を止める。

国境のラインの近くで足止めを喰らうように止まった。


しかし、敵となる人物、モンスターがいない。



俺らは見えない敵と対峙しているようだ。

刀を抜き、周りを見渡す。しばらく木々の音が消え、無音世界が広がった。一本の矢が俺の顔をかすめた。

俺は驚き、刀の構えを替え、胸に刀の柄を当て、防御姿勢をとった。


少し草木のざわつきが恐怖を与えるがすぐに音がやんだ。

一同は耳を研ぎ澄ませ相手の居場所の特定を急いだ。


一瞬の光が俺の視野に入った。


 ― くる!!


一本の矢がまた顔をめがけて撃ってきた。

その瞬間、空から弓スキルが降り注ぐ!

 ― このスキル!…アーチャーだ!!

降り注ぐ雨はディアナの得意とする攻撃と似ている。

ユーグとソロモンはクリスの盾スキルの応用で上にディフェンダーを打ち防御はできたが、俺とアイオリアは範囲外だ。アイオリアはそのまま矢を打ち込んだ方に走り込んだ。

俺はというと、弓スキルの範囲外から逃げるのに必死だ。とりあえず、俺は多少のダメージはもらってしまった。が、まだ敵の攻撃は緩まない。

さらに上から何か黒い物体が降りてくる。

俺は慌てて横転し攻撃を間一髪避けた。

「あー??なんで当たんねーんだよ!」

俺は土を被りながら立ち上がる。

「♀ストライカーか!!」

斧や重装武器のみを扱う♀ウォーリアのクラスチェンジの職業だ。

オーラアタックのみ魔法は使える。スキルは捨て身系のスキルが多く肉を切らせて骨を断つタイプの職だ。投げ技が多種多様にあり、女子プロみたいな存在だ。

♀の場合、ウォーリアからヴァルキリー、ウォーリアからストライカーとなる。

なぜ日本サーバーはヴァルキリーが多いかは後述する。

♂の場合はウォーリアが担っていてウォーリアは騎士へのクラスチェンジやアイオリアのような格闘家へのクラスチェンジとなっている。

久しぶりにみた。日本国内では人気がないのは女性への見方が少し古いからというのもあるが、

これはこれで珍しい。


♀ストライカーが口を開く

「あんたがセイメイだって?賞金稼ぎとしてはあんたに恨みはないがキル数貰うよ!」

そういうと、大斧を振り回し俺を追い詰めていく。

「サムライが逃げ回ってだらしねーな!!」

「おあいにく様、俺は自分の距離でしか戦わないタイプなんでな。罵倒したところでお前のペースに合わせる気なんてないぞ!?」

距離が取れるたびに弓スキルを打ち、相手の動きを止める。

「しゃらくせい!!!」

♀ストライカーの手にオーラが光る



ビースト・ブレイカー!


2m近い大斧を俺に向かってぶっきらぼうに投げつけた。


なんちゅー無茶苦茶なスキルだ。

俺は木を盾にするように転がるように避けた。

相手は武器を持ってない。今だ!走り込んで刀を突き刺そうとすると

「おいおい、後ろをみろよ!?」とにやりと笑ってきた。


 ―うそだろ!!?


あの大斧が♀ストライカーと俺を挟むように戻ってきた!

俺の背中に大きくえぐれるダメージが入る。



俺はダウン取られた。


 ―ここで終わるのか。あっけなかった。みんなすまん…。流血のダメージで死ぬのか…。


目の前が真っ暗になった。

ここまで付き合ってくれたソロモンやユーグ、クリス。そしてアイオリア。あーあと三バカにも謝んなきゃな…。俺は走馬燈のように脳裏をよぎった。






ゆっくりとHPゲージが減っていく。動けん…。くそ…こんなものなのか…。








「セイクリッド・チャージ!!」


クリスが突進し♀ストライカーを退けた。

ソロモンが近寄り俺の背中に向かってヒールオブエスペランサーをかけてくれた。


※ ヒールオブエスペランサ-

「サー」でも「サ」でもいい。詠唱者のノリ。効果は全回復をする。ただし、マナやMPを滅茶苦茶消費する。CTも少し多めに2分間


「セイメイさん!!しんじゃだめですよ!国境を越えるんです!!」

「そうじゃ!!クリスの言う通り!!荒療法だろーが諦めるな!!」

「クリスちゃんばっか良いところ持ってかないでくださいよっ!!」


「お、おまえら。無茶しやがって…。」

「むちゃしてるのはセイメイさんですっ!」

半ベソかきながら俺にいう。

「いつもいつも一人でなんか背負ったことにして、私たちに何もいわないじゃないですか!ソロモンさんが気にかけて、多少判明する程度で!!兄の事だってそうです!!今回の逃避行だって、セイメイさんは何も関係なのに!!!なんか一人で出来るようにしなきゃって!それじゃあうちの兄と変わらないじゃないですか!!背負った荷物を少しは分けてください。そうすれば、歩くのが少し楽になるでしょ!!」


「お、おうすまん…」


ていうか、なんで俺謝ってんだ?むう。どうやら男ってのは女の涙に弱いってのは本当だった。


重い体を少し起こしていう。

「それよりアイオリアはどうした?」

ソロモンがいうには、追い回しているようだ。

「…そうか、あいつが負けるようなことはないだろ。」


♀ストライカーが吠える。


「ほう、なんだ。骨があるんだな。狩り甲斐があるってもんだ!」


そう、クリスに大斧を振り下ろすとクリスの盾は体ごと沈む


「くっ…!」

睨み合いが続くかと思っていた矢先に意外な展開になる。


ガサガサガサ…

木々の間からアイオリアがアーチャーの首根っこを掴みながら俺らの前に現れた。

首根っこを掴まれていたのは亜人型のアーチャーだった。

「放せ!アイオリア!!いつまでもちっちゃいと思ってナメプしてんじゃねー!!」

♀ストライカーがぽかーんとする。

「あれーー?アイオリアじゃん!!なんでここにいんだ?」


「カルディア、そいつは俺の妹だ。斧を降ろせ」

♀ストライカーは斧を肩にかけた。

「ピピンを降ろしやってくれよ」

亜人のアーチャーは地面にぽてんと落ちた。


どうやら顔見知りのようだ。


「おい、アイオリアなんでこいつらとつるんでいるんだ?」と亜人のアーチャーがいう

「私はこのマスターのところに今所属している。おまえらは相変わらず山賊まがいの事で生計を立ててるのか!?」

「いやぁだって対人戦の方が楽しいじゃん!賞金稼ぎも立派な金策だろ??」さきほどの♀ストライカーがニヤニヤしながら話しかける。

「それよりアイオリアは逃亡者の手助けとはなぁ…。いくらもらえるんだ?」

アイオリアがはぁ~とため息をつく

「俺の信念を貫いた結果、私がまきこんでしまったようなモノだ。」

「えええーーー!!!!」二人は驚いていた。

「まぁお前らにいっても理解するまで時間と言葉を使うことになる。先に答えを聞こう。こちらは急いでる。協力するか退くかだ。」




そうアイオリアがいうと、ふたりはやれやれとした顔で国境越えに協力した。




こうして、俺らは最後の“難所”を越え、国境越えに成功したのだった。





~ メディオラム共和国 ~


ここは、6つのギルドが統治する連合国家として形成している国である。



フォルツァ・レオナルド・DG・ガガSP・PROUD・BVと中堅クラスのギルドたちの集合体である。


この盟主であるフォルツァはエウロパと決別した反エウロパがいる統治国でもあり、先ほどまで逃避行を続けた各拠点でのいざこざが発生している。無論、狩場で被るようならば衝突は必至で小競り合いが続く。対して、他5ギルドはたいしてエウロパに反旗を翻すこともなく現状維持を続けギルド運営をしている。しかし、同盟ギルドであるので、エウロパにはしばしばPKされることも懸念材料だと思う。


まぁ懸念かどうかは当人じゃないとわからないか。

俺自身は狩りの邪魔されるのは好きじゃないので、個人的な懸念といいざるを得ない。



そんなことよりまずは自分のことを考えよう。

ユーグは眠さ限界で寝てしまった。

アイオリアは用があるといって席を外した。

クリスは明日、女友達とショッピングにいくといってログアウトしていった。

ソロモンは今後の事を話そうといって、残った。



まずは箇条書きに考えていこう。


1.まずはエウロパの管理下に首都アーモロトに戻っても私怨で衝突は避けられない。

2.ギルドの本拠地の移動を検討する必要がある。

3.3バカのことが気掛かりだ。

4.……………………。



4は正直、アイオリアと知り合いである二人のことが気になるところだ。



とりあえず、今日はログアウトして寝よう。

二連休をイーリアスについやすことになりそうだ。

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