第3話「銀世界」
~港町ゲフェイオン~
この街は古くから漁師町であった。という設定
神々が愛した街。という設定
箇条書きでいってしまうと楽しみがないなぁ。
なにせ、北の王都と別名されるほどの美しい景観、歴史的な建造物が軒並みひしめき合うほどの作りこみ、この街のグラフィックは王都アーモロトは違った海と調和されたデザインである。
定期船でケブネカイゼに行けることは勿論、北海に生息するクラーケンやシーサーペントなど、如何にもユーザーが好きそうな神話の魔物を設定し、定番のようなつまらなさを微塵も感じさせないギルドクエストやPTクエストも豊富だ。イーリアスはこの前、大型UPデートをし、ドラゴン所有者のごく一部のみ空中からの攻撃を有効にすることに成功した。
今まではガレオン船を持ち出して、大砲をドッカンドッカンやったり、銛でつっついたりとその様は原始的にも見える。しかし、これにドラゴンが加わるとなると別である。
所有が認められている数少ないプレイヤーはドヤ顔でドラゴンに跨り、英雄気取りだ。
かくいう俺もほしい!!!!!!!
イーリアスの世界ではいくつか存在する。
複数名を載せれる運搬用のドラゴン、先ほど説明したライダードラゴン、そして、伝説の大型ドラゴン。
伝説の大型ドラゴンは幾多のクエストの完了と人数をもってして、尚且つ半年に一回だけ現れる月と太陽が重なる“皆既日食”による闇と光の門が表れてリアルタイム30分だけ出現し、討伐するというものすごいレアな状況に出現するという条件が定説らしいけど、海外ではソロでゲットしたことがあるという噂がある。
ソースが英語で調べた勇士がいたが、どれも信ぴょう性にかける話ばかりだったという。
その勇士もすでに引退しており、情報元も絶たれており、言い伝えが残ってるという始末だ。
ゲーム上での伝説というのは都市伝説みたいで実に興味深いものだ。どのゲームにも一つや二つあるものだしな。こういうのは、立ち会った時のプレイヤーは武者震いだ。
さて、宿は街の中心から少し離れた川沿いの赤い屋根の建物だ。
今夜は白夜であるので、夕方なのか朝方なのかわからないような天気である。
さて、定期船まで休むとして、まずは腹ごしらえだ。宿屋にはうまい飯がある。本来は現場ついてから色々と食べた方がいいのだが、そんなキャンプする気分ではないので、先に食事を済ませておこう。
俺らは荷物を倉庫に預けた後、宿屋に併設されている酒場によることにした。
ここの海鮮丼はリアルでコラボした料理で絶品だ。一時期SNSで画像が溢れてた時があり、ゲームをやっていない女子達にも波及効果があったくらいだ。ゲーム上だがヨダレモノの味を思い出しつつ、「飯テロ」を発生させてしまったが、飯を食っている最中にユーグが口を開く。
「マスター、定期船乗ったら狩場まですぐですか?」
「いや少し歩く。その最中に各種エリクサーを飲みまわして戦闘態勢状態で移動をする。」
俺はここで作戦内容をつたえる。
「ゴブリンといっても寒冷地仕様のゴブリンだから多少防御力が高い。俺は刀と弓、薙刀を要してコンボを繰り出すけど、それでもディアナの弓で遠くで湧いてくる敵を倒してほしい。ソロモンは補助魔法を回して、グラビティヘイズも併用してくれ。あーあと、炎の魔法も出せる時に出してくれ。」
「俺は?」ユーグが目を輝かせていう。
「未知数だからなぁ。まずは俺とディアナ達の中間で俺が孤立しないようにライン維持をしてくれ。」
「あいよ!頑張るで!!」
モジモジしながら、クリスがいう。
「わ、わたしはどうすればいいですか?」
「ユーグの背中を頼む。こいつは突っ込む癖がある。うまく防御魔法を維持してくれ。あと俺にもかけてくれよなw」
俺はまだギルメンでもないプレイヤーにさも仲間のように指示を出していた。
いいのか、俺。少し上から指示を出してないか?と自問自答していたが、ディアナがふと怖い顔をしていう。
「今日もし、オーガの亜種が現れたらどうしますか?」という。
≪オーガ亜種≫普段のオーガより全てパラメータが上で、通常のドロップ率より格段に上だ。名うての冒険者なら“おいしい”と思うのだが、中途の人間が二人もいると倒すのに時間がかかる。また、容赦なくゴブリンも湧いてくるので、厳しい戦線になることとなる。
俺は首をもたげてしまう。亜種のパターンまでは考えていなかった。
「マスターと自分はオーラ残してオーガ出現の際に使いましょう。そうでなければ、多少厳しい状況になるのは必至。ソロモンの大魔法打つにしても詠唱時間が入りますのでタイミングを合わせましょう。」
「わかった。今回は多少無理をしよう。回復POTは多めに用意してあるだろうからガブ飲みだな。」
みんな同意できたようなので、ほっと胸をなでおろす。
食事が終わった頃に定期船の出航準備の鐘の音が聞こえてきた。俺らは荷物を取りに戻り、港へ向かった。
~ガレオン船~
まさに大航海時代を彷彿させるデザインで煌びやかなデザインだ。
ていうか、このイーリアスの世界ってマジ綺麗だな。グラフィックボードが求められるゲームだ。
荷物をもって船に乗船すると、他のギルドがいるものなんだが、誰もいない。
まぁそれはそれで気楽だからいいんだけどね。
しばらくして、定期船出航の鐘が鳴り響いた。
船はゆっくりと港から離れていき、一路ケブネカイゼの地へ
動きだした船の甲板で気分が高揚する仲間がいる。
「わー船だー!」クリスがぴょんぴょん跳ねて喜ぶ。
「うぉーなんだかワクワクしてきたぞー!」ユーグが一緒になって喜ぶ。
ソロモンが俺に話しかけてくる。
「マスター、今回でどれくらい稼ぐ予定なんだ?」
「一応、30~50Mぐらいを目指している。」
1,000…1K 1,000,000…1M 100,000,000…100M ちなみに、1,000,000,000…1G となる。
単位はゲームよって、
イーリアスの世界は基本的に銀貨【シルバー】の定義を用いている。金貨は別物扱い。
主に運搬されるときには、以下のようになっている。
金塊1G = 100,000シルバー
金塊10G = 1,000,000シルバー
金塊100G = 10,000,000シルバー
金塊1000G = 100,000,000シルバー
金塊にするには、両替商のところに大量の銀貨をもっていき、身軽にするためには、金塊に変換しなければならない。ユーザーの要望では、電子マネー制度を持ち込んでシルバーの重みを失くしてくれという要望をかなりの数が出ている。
時代の潮流をこの世界に持ち込むというのはなんともちぐはぐではあるが、プレイヤーとしてはどこにそんなシルバーをもっているんだというツッコミが出てくるのはご愛敬。
では、プレイヤーの稼ぎ方というと、モンスターを倒すと札だったり、認識票や尻尾など、店売り出来る安価なアイテムを落とす。それらを集めて大量に売るということになる。
それらを、シルバー化し両替商に持ち込み金塊に替えるという構図になる。
両替商の手数料はというと、その地方によって税収扱いになり地方を管理するギルドマスターが、高額税収をする管理ギルド(いわゆる王様)は、不満があれば(なくてもだが)ゲームよって引きずり降ろされるというシステムである。ここがおもしろいのである。
割り切って自分たちのギルドでだけ上手い汁を吸うか、適切な倍率の税にするかである。
また不人気地方は、プレイヤーが中々来なくて、両替商からの税収が少ないため、来てもらいやすいように税収を下げて両替の手数料を安く済ませるという方法をとっていたりする。
要は税収が高いと他ギルドが一揆を起して国家転覆を図るようなもんだ。
ギルドマスターが王になることが出来るというのも栄枯盛衰を物語る過去の世界史で幾多の王家の話に似ていてすごく好きだ。また、“ギルド”という定義にもちなんで、地方を複数のギルドで納めるところもある。今でいうEUとか連邦組織という認識でいいと思う。民主主義もできるというかなり実世界に近い政治制度ができるというのも魅力のひとつである。
さて、ソロモンとの会話に戻ろう。
「ほう、中々いい金額狙っているんだね。」
「それくらいないと、次の支払いの時にもこんな旅に出る。流石にそうなる前に資金を少しでも多めに稼いておきたい。ユーグが上がれば、ケブネカイゼではなく、南の離島にある神々の山脈と言われている活火山の麓で狩りがしたいね?」
「ブリューナクの素材を集めか?ワシも“ソロモンの指輪”がほしいなww」
「ハハハ、ご名答。にしてもソロモンの指輪は南の離島の先にある海沿いの南南東に位置する小高い丘で召喚書を用いて召喚するんだよね?」
「そうなんだよ。ワシも禁忌クエこなしたくてな。召喚書のクエストもまだだけどね」
「まぁあそこもプレイヤーを選ぶクエストだよね?結構きついイメージだわ。」
「まぁマスター、その時は頼んます。」
「俺はブリューナクの素材をとって俺は西にいき、闇の女王への試練の城を攻略したいんがw」
「あーそれなら、そのあと付き合ってくださいな。」
「ああ、ソロモンの指輪は他のクエストよりきついと思うからブリューナクを手にしてからの方がクエの支援が大分楽になると思う!あと洋槍の使用ができるのは神槍のみなんだよな。東の果てにある古代中国ぽいところの偃月刀も使ってみたいよな。あれも神槍扱いなんだってさ、あれ一般扱いだと思って諦めてたよ。また刀は和刀の神器の名を冠する物だとか色々あるらしいぜ?」
「それマジ??あーだったら魔術師の杖とかも神杖あるよなぁ~調べてみるわい!」
『ハハハハハハッ!』
少しだけど、こういうやりとりは気持ちが昂るからこういう話は楽しくて盛り上がる。
ところで、ディアナがずっと船首でケブネカイゼの方をみている。
ソロモンと二人で話かけにいくとディアナが少し真面目なことを言い出した。
ディアナはエルフ族だ。故郷がケブネカイゼの近くにある村がそうらしい。
どうやら、クエスト終了のあとは、そこに立ち寄らせてほしいとのことだった。
さてさて、目的の地
ケブネカイゼの地にようやく到着だ。
~ケブネカイゼ~
前話でも説明した通り、この地方は寒帯地方扱いだけど服装に寒さは関係ないらしい。ビジュアルはそのままというアニメのような設定。しかし、フィールドペナルティが存在し低体温症が発生し体に麻痺が発生する。対処法はごくごく現実的で耐寒コートを着る!wまたは、取引所やホットミルクなど懐炉アイテム購入しいずれかを使用する。また発生した後でも使用は可能。但し、リミット付き。
俺らは懐炉アイテムを使用し氷美林に入っていくこととした。
旅を始めて2日目、ようやく現場についたわけだが、ゴブリンの集落が中々出て来ない。
少し焦りが見えている。ふと先行していたPTがいた。そりゃいねーわけだ。
ここで狩場争いのPKも出来るが、そんな時間的余裕もないし紳士協定的なものもイーリアスには存在し、先にいる人間に占有権があるのでここは移動をした。
しばらくするとようやくお目当ての集落がPOPUPされた。
「よし、いくぞ!」
ここで俺らの仕事が始まった。
数多のゴブリンが出てきた。俺は普段狩りするのと変わらない動きで刀と弓、そして薙刀を駆使し討伐していく。今回のゴブリンを倒した報酬は、腰蓑だ。これを集めて店売りだ。
ドロップアイテムはプレイヤーが近づけは自動的に拾いアイテムBOXに入る。そのためプレイヤーは戦闘に集中できる。
ユーグが前に出た。
「見ててください!マスター!!うぉぉおおおお!!!!!!!!」
剣を地面に突き刺して、地割スキルを使ってゴブリンをなぎ倒す
「ばっかw俺がそれ掃討すんのめんどくせーんだぞ!!ww」
俺は吹っ飛んでダウンしたゴブリン達にめがけて薙刀を振り回し、大車輪というスキルで
「ディアナさん、弓お願いします!」ユーグがしゃがんでいう。
「くっ…。おまえが指示するな!」といいつつ、次々と現れたゴブリンの集団にではなく、弦を思いっきり引いた精霊の矢を天に放った。
矢は複数にわかれ、流星群のようにゴブリンの集団に突き刺さる!
「ユーグwおまえの悪い癖だ。あまりスキルを使い過ぎてCTにぶち込んでいるとオーガの時、CT明けてなくて後手に回るぞ」と窘めると、ユーグは胸を張っていった。
「大丈夫です!ソロモンさんがやっちゃってくれます!」
「バーカ、ワシはマスターにクイックタイムとお前にコンセントレーションかけるので手一杯じゃボケェ!」
「あれぇ?そうだったんですか。すいません。」とユーグはしょげる。
「まったく世話のかかるやつだ。」ディアナは大きなため息をつく。
「みなさん、まだ来ますよ!」クリスが盾スキルのライトバックを使って押し返していた。
「クリスすまん、いくわ…」と言い終わる前にクリスはスキルを発動させた。
はぁああああああああ!!!
クリスの槍が光る…。
「ばっ、バk…」
ライトニングスラスト!!!!!!!!!
聖なる光が全てを包み辺り光の一線が進行方向に真っすぐ突き刺さる
ゴブリンの集団が光に包まれて、昇天した。
俺らは目が眩みそうになった。グラフィックボードの演算でいくと画面が真っ白になるスキルと揶揄されているスキルだ。物理的な目くらましになるから、使う時は無駄に許可がいるスキルだ。
光度を下げるのを忘れていると本当にやばい。
「くぅうううう!!まぶし!!」
「ご、ごめんなさい!」
「いやいいんだけどね、いいんだよ。いいんだけど、声かけてくれるとうれしいなぁ…あははは」
「まったくどいつもこいつも!!!」ディアナがぶつぶつ文句をいう。
「そんなしかめっ面ばっかしてるとお肌によくないぞ!」とソロモンが背中を叩く。
「うぅるさい!!」とディアナは膨れた。
おれらは爆笑した。
「いやぁ楽しいっすねマスター!狩りってこんなに楽しいんですね!」ユーグは声を上ずりながらいう。
「そうだな。定番のやり方も大事だけど、PTでオリジナルのコンボを生み出せるのも一つの楽しみだよな。効率でいうとPTの時点で同じだしなっ!」
ふと辺り一面を見渡すとゴブリンのPOPが消えて少し移動をしていたようだ。
少し歩くと先ほどの先行していたPTメンバーが倒れており、一人が起きあがろうとしている。
「どうした?」と声をかけたとき、辺りが暗くなっていた。
いや、暗くなるはずがない。今日の天気は白夜だ。
ティロティロティローン
システム音と同時にシステムアナウンスが入る。
オーガ出現!
オーガ出現!
オーガ亜種出現!
目の前にはオーガの塊がそこには立っていた。
「おいおいおいおい聞いてないっすよ!マスター!!こんなにオーガでるんですか??」ユーグはびびっている。
「マスター!ここは引きましょう!危険です!」ディアナは瞬時に危険を察知している。
「まて!」
「ソロモン!打ってくれ!」
「あいよ!」
ソロモンのグラビティヘイズを地面に打つ。
一瞬でオーガの足元に魔法陣が描かれて重力地盤が起きる。
「あぶねー!」
「てか、起きろ!おまえ!何が起きた!??」
俺らより先行していたPTの片割れが歯をガタガタしながら俺らにいう。
「みんな死んじゃった!ど、どうしよう!」
「準備してこなかったのか??」俺は怒りと悲しみが入り混じった感情で彼を諫めた。
「一人忘れてて、そいつを起こすのに仲間が回復させていたら、後ろから回復させていた人を一撃で倒してしまったんだ。他の仲間は動けなくてその場でやられてしまい、自分は吹っ飛んできた仲間に倒されていた。」
「おまえら自分たちの装備でここにこれるようにしてたんだよな?」俺は怒りが先行してしまった。
「格上狩りをしたいってみんなでいってて、それで…」
「それでこのザマか!!」
「ユーグ!!こいつにPOTあげろ!んで、PT招待してHP管理できるようにさせてくれ。」
「はい!!こっちにきて!」
彼はユーグと同じウォーリア職だ。盾スキルで身を守らせておけば、致命傷に至ることはない。
「さあて、お待ちかね!ボーナスタイムといきますか!!!」俺は武者震いが起きた。
手は汗ばみ、頭がかゆくなってきた。これが緊張状態というものか…。
「わかっているな?ディアナ!俺はこういうときあきらめが悪いんだよ!」
「知っている!さっさと注意を引いてくれ!精霊スキルを打つ!」
俺は三体に矢を打ち、俺のみにターゲットをとり、オーガ達に俺のカレント取りをさせる。
「セイクリッドランサーは覚えているか?クリス!!」
「大丈夫です!いけます!!」
「おし!バックアタックを取れたら、迷わず打て!!」
「ユーグ、オーラアタックいけるよな?」
「あと少しで打てます!」
「クリスと同時に放て!タイミングは任せた!」
にしても、オーガ二体に+(プラス)亜種とか俺らにいけるのか?
…迷っちゃダメだ。
こういう時は『突き進む』精神だ!!
「マスター受け取れ!!」
ソロモンが片手で詠唱し、俺にクイックタイムと
体をよじりながら、受け取り付与された。
俺はケブネカイゼの氷美林を走り抜けていった。
~ケブネカイゼの氷美林~
「邪魔だぁ!!!!」俺は迷うことなく切り抜けていく。
自分が立てた作戦上、ゴブリンがわいてくる場所に身を投じている。
後ろには亜種と二体のオーガその中でゴブリンの群れだ。
絶望的状況。お仲間頼りの作戦。まったく俺は甘えている。ギルドマスターは強くなくては仲間に馬鹿にされる。という概念が払しょくできない。
現実でもそうだ。結果を出せない奴に誰がついていく?実力のない奴が上に立った時どんな結末がある?
下をアゴで使い、己は私腹を肥やすばかりの社会だ。
本当にリーダーってなんだ?人より上に立った奴が全部、
違う!!
本当にトップに立つ奴は粛々と結果を出して自分一人で抜け出していて、下からは自然と頼りされるやつなのか?
くっそそんな絵空事の主人公ポジのやつどこにもいねーよ!!
ゴブリンを倒しながら道を切り開いていたら、フィールドの限界まできてしまったようだ。目の前には山脈の急勾配の山が目の前にそびえたっていた。
「さぁてと。“背山の陣”(はいざんのじん)と行きますか!!!」
俺は武人の怒り(全パラメータ一時的に急上昇)を発動し、一気に叩き込みにいった!
走り込みと同時に袈裟斬り、逆袈裟斬り、刀で相手のガードを壊し、後ろをとって刺し技の三段突き。
すぐさま武器を持ち換えて薙刀でオーラアタック【
俺にとってはこれが今だせる最高のコンボとスキルだ。やったか!?
ぐぉおぉおおおおおお!!!!!!!!!!
くっ…。オーガ一体に膝着かせるくらいにしか出来んとは…!!
辺りは硝煙が消えかかった時、黒い影が俺の目の前で発する。
「マスターお待たせ!!!」
我が怒りよ、この剣に捧げる!!
「喰らえ!アルカ・すらああああぁぁぁぁシュ!!!!」
オーガ一体は横一線に上下にわかれ消えた。
「ユーグか!!助かったぜ!」
「俺も成長したっしょ!?」とにやりと笑う。
「だが、まだ二体いるぜ?そのうち一体は亜種だ。」と、俺がぼやくと
「あと一人忘れてません?」ユーグが歯を見せて満面の笑みを浮かべる。
聖なる光よ、我が槍に力を!!
「セイクリッドランサー!!!」
オーガと亜種の間を光の矢が走る!
オーガと亜種にバックアタックダメージが乗っかり、オーガは瀕死状態だ。
「おまたせしました。今はこれが限界です。ディアナさん達は間もなく到着します。」
「そうか、セイクリッドランサーの打つタイミング、良かったぜ!」
俺はPOTを飲みながら、いった。
「さてもう一息だ。」
傷ついたオーガ達を囲むように、ゴブリン共がわいてきた。
俺らはこのあと思いもしない出来事に巻き込まれていくのだった。
『~宵闇に瞬く
ソロモンとディアナが俺らを追いかけてきている時である。
「ディアナよ、おまえさんここのギルドで楽しいのか?」
「なぜだ?」
「お前さんはガチ勢の気質がある。うちは正直、強いギルドではない。いずれなるかもしれんがな。でも今のお前さんの成長を止めている、足枷なんじゃないかとマスターと話していたことがある。」
「…。それは俺が感じていない以上、抜ける理由にはならない。」
「そうか、なら取り越し苦労だったな。」
「ああ…そうだ。」
どうやら俺の背中が見えてきたようだ。
「マスター頑張ったね!ほーらヒールじゃ。」
「POT飲んだんだけど、まだ全回復じゃなかったから助かったよ。」
「ユーグほれ!」「あざーーすっ!」次にクリスに手を翳そうとしたときに、
「わたしは自己回復できますので、後方で祈ります。」とさがっていった。
クリスは祈りを始めた。
「そういえば、あいつはどうした?ケガしたウォーリア君」と俺が周りをキョロキョロしたら、
「待ってくださいよぉ~」と足をもたつかせてきた。
「なんじゃあ!全快してやったのに持久力不足か?」ソロモンがニタニタしながらいう。
「うへ~」息を切らしながら走ってきた。
「鍛錬しとけぃ~」と、ソロモンに背中を叩かれていた。
「まあおふざけはその辺だぞ?」ディアナは弦を引く。
シュッ…パパパン!
天に弓を放ち、矢は地面突き刺さり、オーガの周りには結界のようなものを張った。
が、しかし結界はとかれた。
「なんだと!!??」ディアナはそう叫んだ。あと亜種のオーガが体を赤くし両腕をクロスし、地面を叩き割り風圧でダウン攻撃と防御無視のスキルを打ってきた!
俺らは扇状に吹っ飛ばされてせっかく回復したHPが半分になった。
クリスは祈りの最中、目の前に吹っ飛んできた俺はクリスの履いているスカート状の中に頭突っ込んでしまい、下腹部を下から覗き込むようなスライディングパンチラをするような動きになってしまった。
一瞬不思議そうに見たのち、けたたましい叫びで前を隠し、俺につっかかろうとしてきた!
「落ち着け!!俺はこの状況でそんなことするヤツじゃないぞ!!!」と慌てて言い訳をした。
「な、な、な、な、なにをやっているんですか!!」と乙女の純情を壊すような事をした俺に動揺した声が響く。
俺はさらなる言い訳の追撃をする。
「だから、落ち着け!よく考えよう!目の前にこの状況でそんな器用なことが出来るやつがいたら教えてくれ!」と懇願したような状況になった。
「あ、そうですよね。ていうか、やばくないですか?これーー!!」
「そうだよ!君のパンチラみてる余裕があるわけないんだよ!!」
そうだ。ディアナはどこだ!!あいつがオーガに一番近かった。
ディアナは木と木の間に“くの字”に曲がり、布団を干すようにかかっていた
ディアナは「結界術が解かれるなんて知らなかった!」と動揺している。
「クソッ」
俺のオーラアタックは使用したし、他の人間も気絶効果で動けていない。
どうすれば、いいんだ!?
薄明の空が一瞬、闇を落とす
白金の光は空を舞い、急転直下に亜種のオーガの頭をめがけて踵落としをし、砕きにいった。
それは白で裏地は赤のマントをを纏い、白金の拳を持つ者。
白金の兜の後ろからは銀髪の髪
そして佇まいはまさに美しかった。
「せ、せいんとせ…」俺は少年期にみたアニメが出てきたのかと疑った。
「はいそこまで~!それ以上いうと版権問題やらなにやらにかかりますよ~♪」
「オケアノスさん、この亜種オーガ、一体くれないか?」と二つセリフを吐いた。
俺はこの状況で助太刀されたことを悟っていた。
「ああ、やられるところに救世主まがいのアンタが来たんじゃ、ダメだなんていえないよね?」
「ははは、あんたおもしれーな。ギルマスってのは、意地でも獲物を譲らないんだけどな。なんせ時間かかってもいいわけだからな。」
「プライドがないわけじゃない。少し無勢すぎているんだ。こちらのPTは。」
「へー。まぁいいか。少しとなりのオーガにもダメとっておくから、LAはあんたに任せる。亜種はレアなんでな。横狩りするのは性にあわないんだが、亜種は別だ。PKしてもお釣りのくるレベルだ。」
その銀髪はそういうと瞬く間に亜種に近づき、亜種の横っ腹にラッシュを入れて倒してしてまった。
ついでに襲い掛かる最後の一体をいとも簡単にこかせて、俺を呼ぶ。
「ほらマスターさん、大車輪で倒せるようにしてあるよ!」
悔しいがスキルを打った。
最後のオーガはいとも簡単に倒せた。
このイーリアスの世界はLAを取った人がドロップ権利が発生する。
そのためPT以外のプレイヤーがLAを取ると横狩りとなり、揉め事の発端に繋がるため紳士協定の暗黙のルールはここに存在する。
銀髪はいった。
「さて目的は果たした。ではまたどこかで会おう!たらば!違うサラダ!!」
というと、薄明の空が落ち、オーロラの空へ変わっていた。
その空を翔けるように消えていった。
「さらば だろうが。」とソロモンはつぶやきながらツッコミをいれていた。
「まったくだわ。」と俺もいった。
俺らはオーロラを見つめつつ、消えた銀髪の拳闘士の軌跡を見つめていた。
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