第4話

私のような帰宅部の女子高生は、夏休みに学校に行くということがありません。


したがって下駄箱の中を見ることもないのですが、それが私を不安な気持ちにさせました。


そのまま下駄箱を見ることがないままに、夏休みが終わりました。


夏休み明け初日、私は胸をどきどきさせながら下駄箱を開けてみましたが、そこには上履きしかありませんでした。



それから二ヶ月ほどは何事もなく過ぎていきましたが、ある日またあの茶色の封筒が下駄箱の中にありました。


急ぎ中を開けてみると、便箋には「明日の朝、いつも乗る電車に乗ってはいけないよ」と書かれていました。


乗ってはいけないということは、乗ればなにかが起きるということです。


――事故?


私にはそれぐらいしか思い浮かびませんでした。


いつも私と同じ電車に乗るクラスメイトに「乗らないで」と伝えようかと思いましたが、それはやめておきました。


なにをどう言えばわからなかったし、なにをどういっても信じてはもらえないと思ったからです。



次の日、私は怪訝そうな母を無視して、早く家を出ていつも乗る電車よりも一本前の電車に乗りました。


そして学校に着き、まだ人が少ない教室で過ごしていると、ニュースが飛び込んできました。


事故でした。


私がいつも乗っている電車が、踏み切りで立ち往生したトラックに突っこんだのです。


一限目の授業は自習になりました。

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