第3話
――また!
急いで開いて中を見ました。
そこには「池に気をつけてね」と書かれていました。
確かに私の家のすぐ近くに、小さな池があります。
池は道と隣接し、その間にフェンスとかいったものはありません。
私は通学の際に、毎日その池の横を行ったり来たりしています。
池と言えば考えるまでもなく、あの池のことだと思われます。
その池は私が生まれる前からそこにあり、私も物心ついたときから知っているので特に注意したことなどなかったのですが、その日は出来るだけ池から離れたところを歩きました。
そして何事もなく一日を終えることが出来たのです。
最初の手紙のときは、手紙の警告を気にしなかったので車に轢かれてしまいました。
今回は手紙の警告通りに慣れた池を充分過ぎるほどに注意をはらったので、無事だったのではないか。
私はそう考えました。
注意をうながす予言であれば注意を怠れば予言の通りのことが起こり、注意をすれば回避することが出来て、その結果として予言は外れてしまう。
予言とはそういった類のものなのでしょう。
私はその後もその池の横を通るときは、今までのように無警戒ではなく、慎重な行動をとるようになりました。
そのうちに夏休みになりました。
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