第293話 パ良~の!


びゅ~~~~ーーーーーーー!!


ギャアラギャア!ギャアラギャアギャア!

(アイシャお嬢様!Boin走行お願いします!。)

「もう!。」


校舎上空に飛び立った直後。アイシャはライナの頼まれる。アイシャは仕方なく自分の胸をライナの背中に押し付ける。

むにゅう♥

そしてそのまま左右に身体をゆさぶる。



スリスリスリスリスリスリスリスリ


アイシャの張りのある二つの膨らみがライナの鱗肌に左右に擦れる。


ギャアーー!ギャアーー!ギャアーー!ギャアラギャアガアギャーーーーーー!!

(キタァーッ!キタァーッ!キタァーッ!!みなぎってキタアァーーーーーッ!!)


ギャアああああああああああああーーーーー!


ライナの虚悦悦楽の歓喜の咆哮を放つ。


『何だ!あれは!?。』

「何してるの?あの子。」


アイシャ達の意味不明な行動にセヴィと鉄壁竜シードルは校舎空中で呆然と固まる。

競走中にあり得ない行動しだす一人一匹に呆気にとられる。


ギャアあああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーー!

(オパパッイーヨ!オパパッイーヨ!オパパッイーヨ!オパパッイーヨ!オパパッイーヨ!オパパッイーヨ!オパパッイーヨ!オパパッイーヨ!。)



びゅうううううううううううううーーーーーーーーーーーーー!


『なっ!?。』

「えっ?。」


セヴィと鉄壁竜シードルに有無も言わせずそのままライナは加速して突っ走る。

あっという間に一人一匹は取り残された。


「信じられない····。ノーマル種がここまでの速さを持つなんて。」


ノーマル種という竜種は個体差があれども飛行スピードは上位種には足元にも及ばないと言われている。しかし目の前のノーマル種はそんな常識遥かに越えていた。


『くくくくく。』

「シードル?。」


突然相棒が笑いだしたことにセヴィは困惑する。


『ノーマル種!。それがお前の山に対する愛か‼。ならば此方此方で絶壁に対する愛を見せてやろう!。』


鉄壁竜はつるつるとした鋼鉄の翼が大きくひろげる。


『さあ!お嬢様!我が背中にあなた様の素晴らしきまっ平らを!。』

「だからそれ以上ほざくとぶっ飛ばす!と言ってるでしょうに!。」


相棒鉄壁竜シードルの頼みに主人であるセヴィは不貞腐れたように背中に密着する。


「ブラットパラメーター(血の強化)」


セヴィは鉄壁竜シードルに強化魔法を唱える。ヴァンパイア特有の血に関係した魔法である。体内に流れる血流良くし早くする効果がある。新陳代謝を数百倍まではねあげ。身体能力を強化する。そして鉄壁竜の特性も合間ってそれは尋常でないほどの力を発揮する。


『はああああああ〰〰〰!。』


バァサッ‼

フッ

大きく鋼鉄の翼を大きく広げると鉄壁竜シードルの姿が一瞬でその場から消えた。


びゅううううううううーーーーーーーーーー!

ライナは先頭を進む。

校舎周辺の運動場上空を横切る。

ギャ!ギャアラギャアギャギャア!ギャアラギャアガアギャアラギャ!

(よし!これであの鉄壁竜に勝てるな!。偉大なる山の強さを思い知れ!。)

「はあ·······。」


ライナの暴走にアイシャはため息を吐く。セヴィとは仲良くしたかったのに相棒のライナがセヴィの騎竜と何故か喧嘩してしまったのだ。何で喧嘩しているのか問いただしたけど。山と絶壁による意志相違の違いとしか教えてはくれなかった。このまま親しくなったセヴィと喧嘩のままに終わるのだろうか?。


····ペッ····タン····· 


ん?

アイシャは耳元に微かに何かが聞こえた。

空耳かな?。 


ペッ····タン···ピッ·····タン


やっぱり幻聴ではない。確かにアイシャの耳に微かに何か歌?なようなものが聴こえてくる。


「ねえ、ライナ。何か聴こえてこない?。」

ギャ?ギャアラギャアギャアラギャアガアギャアラギャアギャアガアギャアラギャアギャアラギャアギャアガアギャアラギャアギャアラギャギャア

(え?何がですか?。それよりも競走に集中しましょうよ。アイシャお嬢様。このまま突っ切って。ゴール地点である校庭グランドに戻りましょう。)

「う···ん·····そだね···。」


ペッ····タンピッタン···ペッタンピッタン···


やっぱり聞こえる。幻聴じゃない。


アイシャは恐る恐る後ろを振り向く。


『ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!!。ペッ! タン‼。』

びゅーーん!

ギャ!?

(何っ!?)



ライナの隣に鉄壁の竜が並ぶ。


『待たせたな!。ノーマル種。真なる絶壁の力を見せてやろう!。』

ギャギャアラギャア

(く、ちょこざいな!。)


ライナの緑色の竜口が渋る


『おっとここでアイシャ・マーヴェラスのノーマル種にセヴィの鉄壁竜が並んだああー!。』


「んな、馬鹿な!。ライナのスピードに付いてくるなんて!?。」


炎竜ガーネットはライナのBoin走行のスピードに鉄壁竜シードルが付いてきたことに驚く。


ギャアラギャアギャアギャ!ギャアラギャアガアギャア!

(並んだけで調子に乗るな!。こっから山の本領発揮だ!。)



オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!


ライナは更にスピードを上げる。

ありったけの気を体内に循環させ。アイシャお嬢様の胸の感触を背中全体に感じとる。



『ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!ペッタン!ペッタン!ピッタン!ペッタン‼。』


鉄壁竜シードルは負けじと何かのリズムに口ずさみ。それは何処となく餅つきをするような感じでもある。



『ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!』

ギャアああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーー‼

(オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!)

『ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!』

ギャアああああああああああああーーーーーーーー!

(オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!)

『ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!ペッタン!ピッタン!。ペッタン!ピッタン!』

ギャアああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーー‼

(オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!オパパイーヨ!)

『ペッタンピッタンペッタンピッタンペッタンピッタンペッタンピッタンペッタンピッタンペッタンペッタンペッタンペッタンペッタペッタン‼。』


『おおっと!ここでセヴィヴィ・ジオ・ルターシの鉄壁竜が前に躍り出る!』


ぐーーーーーーーーん!



ライナと並んで飛行していた鉄壁竜シードルがライナの前へ出る。

ライナのBoin走行を退け。鉄壁竜シードルは先頭に躍り出る。


『見たか!これこそ絶壁の力よ!。』


鉄壁竜シードルはライナの前にでたことで勝ち誇る。

ライナとの間が数メートルの距離が離されていた。


「そんな~!。ライナのBoin走行よりも速いなんて··。」


ガーネットはライナのBoin走行がスピードで競り敗けたことに絶句する。


『これこそ絶壁の底力よ!。これにより心を改め。山よりも絶壁を愛することを努めるのだな。ノーマル種!。』

「シードル。もうそれ以上ほざくと本当に絶好だからね。」

『んなっ!?。』


ヴァンパイア主人であるセヴィの辛辣で冷たい態度に鉄壁竜シードルの背筋は凍りつく。ペッタンピッタンと連呼されたことで主人にかなりのお怒りを買ったようである。


『信じられません!。あの鉄壁竜が風竜族並みのスピードを出すなんて。こんなことあり得ません‼。』


騎竜乗り科の解説ネレミア・エレクトーンは自分の目を疑いそうになる。


『これが鉄壁竜の真の力なのです!。』


動揺もせずに竜騎士科のサイク・ラッパーヌは坦々とマイクごしに語る。


『何か知っているのですか?。』


動揺もせずに普通に実況する相方のサイクにネレミアは尋ねる。


『鉄壁竜はまっ平らに執着する竜種なのです。』

『はあ?まっ平ら?ですか·····。』


解説のネレミアは何を言っているのか。首を傾げる。


『まっ平らであればあるほど鉄壁竜の竜種は己の潜在能力を引きだすことが可能なのです!。』

『潜在能力?。』

『セヴィヴィ・ジオ・ルターシの相棒である彼女は鉄壁竜にとって理想のまっ平らだったということです。彼女が鉄壁竜にとって理想とするまっ平らであったことから鉄壁竜の潜在能力を最大限に引き出すことが出来たのです。』


実況サイクは何の迷いもなく鉄壁竜の生態を説明する。


『はあ、まっ平らですか?。』

『そう!まっ平らです!。』


実況のサイクの解説にネレミアは魔法具の映像スクリーンに写る鉄壁竜の背に乗るセヴィヴィ・ジオ・ルターシの姿を観察する。何故かセヴィヴィの胸を凝視し。そして自分の胸に視線を向ける。彼女の胸は大きいわけではないが。小さいわけでもない。ただそれなりに足りないという感じである。


「なんか·····あの竜(ドラゴン)。ムカつきますねえ·····。」

『えええ〰〰〰。』


解説ネレミアの鉄壁竜シードルに対する態度が何故か氷のように冷たかった。


私がお嬢様に出逢えたことは奇蹟であった。私は同じ種族動揺己の理想とするまっ平らな主人を探していた。我々鉄壁竜はまっ平らに執着する種族である。まっ平らであればあるほど我が鉄壁竜の力は大きく飛躍し。どの種族にも負けず劣らぬ強さを発揮する。


殆どの同種族は乗り手を人間の女性ではなく。男性を選んだ。何故なら男性の胸板こそが鉄壁竜が理想とするまっ平らに近いからである。しかし私はそれだけでは満足出来なかった。確かに男性の胸板は鉄壁竜の理想とするまっ平らに近いかもしれない。だが、私が求めるまっ平らは似て非なるものである。確かに男性の胸板はまっ平らに見える。だがしかしそれでも男性には筋肉あるのだ。胸板が筋肉でもりあがってしまえばそれはもうまっ平らとはいえないのである。私が求めるまっ平らとは程遠い。私の求めるまっ平らは無であり虚無である。そこに筋肉など一切なく。なにもないまっさらな寸胴の肌が広がっているのだ。だから私は男性を乗り手として選ばなかった。選べなかった。そこに私が求めるまっ平らがなかったからである。


『お前はこのまま乗り手を見つけれずに終わる気かよ?。』

『私は理想のまっ平らのオスを見つけたわよ!』


鉄壁竜の仲間からも乗り手を見つけられない私を嘲笑するものもいた。それでも私は私が理想とするまっ平らを探し求め続けた。


ザッザッ


ギャバ···バキャバギャババキャバギャババキャバギャババキャババキャバキャギャ

(ここは····魔大陸。そうかいつの間にかこんなとこまで踏み入れてしまったのか。)


南方にあると言われている魔族が住むと言われている呪われし大陸。私は私が理想とするまっ平らの主人を探すため。いつの間にか辺境の地であるこの魔大陸に脚を踏み入れしまったらしい。


ドシドシドシドシ

ザーーーーーーー


滝の音?近くに水場でもあるのか?。


カサカサカサ

草木を掻き分け私は滝が流れる方向へとむかう。


ちゃぷ


誰かが水に浸かっているのか?。

草を掻き分け滝流れる水場に出る。

私は滝の流れる水場でとある少女を目撃した。

濡れた鼠色肌の濃い目の金髪。幼さ肉体。しかし子供という印象はなく。老いが長いといわれている魔族の特徴を供えていた。真っ赤な血のような魅惑的な赤目。それに·········


彼女の鼠色の肌の胸の部分に竜瞳に注がれる。


ああ···やっと··やっと····


私の竜瞳は透けた水のように潤う。


彼の理想とするものがそこにあった······


「誰っ!?。」


赤目の少女は私の存在に気づく。

私は潔く彼女の前にでる。

魔族とて竜に裸を見られても何とも思わないだろう。だから私は潔く彼女の前に姿を現した。

赤目の少女は私の姿をみて少し疑念を抱いているようだった。それでも私はやっと巡り会えた私の理想のまっ平らにも何の迷いもなくこの言葉を投げ掛ける。


『お嬢さん。私のまっ平らになってください·····。』


それが私、鉄壁竜シードルと我が魔族の主人セヴィヴィ・ジオ・ルターシとの出逢いであった。


びゅううううううううーーーーーーーーーー!


『ペッタン!ペッタン!ペッタン!ペッタン!ペッタン!ペッタン!ペッタン!ペッタン!。』


『速い速い!。アイシャ・マーヴェラスのノーマル種をどんどんとセヴィの鉄壁竜が離していく。』


ギャアラギャアギャア····。ギャアラギャアガアギャアラギャアギャアガアギャアラギャアギャアガアギャアギャア!?ギャアギャ!ギャアラギャアガアギャアラギャアーーーー!

(くっ、ここまでなのか····。俺の山愛(やまあい)よりも奴の絶壁愛(ぜっぺきあい)のほうが勝っているというのか!?。認めない!そんなこと認めてなるものかあああああーーーー!)


ライナの竜口が悔しそうにに歪む。

ライナにとって全身全霊のBoin走行が鉄壁竜の絶壁の執念に完全に敗北したのである。ライナにとってはこれほど悔しいことはない。


「ライナ、あの竜に勝ちたいの?。」


突然背に乗るアイシャお嬢様が俺に話し掛ける。

ギャアガ!ギャアラギャアガアギャアラギャアギャアガアギャア!ギャアラギャアガアギャアラギャアギャアガア

(あ、はい!。どうしてもあの鉄壁竜にだけは敗けたくないんです!。これは俺の存在意義にも関わることなので。)


「そう、なの。じゃ、約束して。あのセヴィという子の騎竜とはこれ以上喧嘩しないで。」


喧嘩って····喧嘩じゃないのだけど·····


これはオス同士のとあるこだわりとプライドを賭けた闘いである。喧嘩ではないんだが。


「じゃないと私、私もあみだしたとっておきの走行技をやらんないだから。」


アイシャお嬢様はぷいと不機嫌にそっぽを向く。

ギャアラギャアガアギャ?

(あるんですか?。切り札?。)


アイシャお嬢様に新しい走行があるなど初耳である。


「うん、レッドモンドさんから教えて貰った技があるの。それならライナも更に飛行スピードがあがると思うよ。」

ギャギャギャア!?ラギャアギャア!ギャアラギャア!

(そうなんですか!?。なら是非!お願いします!。)

「でもセヴィの騎竜と喧嘩するならやらない!」


ぷい

······

アイシャお嬢様は再びそっぽを向く。

このままではあの絶壁をこよなく愛する鉄壁竜シードルに敗けてしまう。俺の山愛は谷よりも深く山よりも高いのだ。ここで敗けるくらいならあの絶壁をこよなく愛する鉄壁竜シードルとはこれから仲良くしてもいいと思う。ほんと言うと物凄く嫌々なのだが致し方ない。今はこの競走を勝つことが優先である。


ギャアラギャアガアギャアラギャアギャアギャアギャアラギャアガアギャアラギャア!ギャアラギャアガアギャアラギャアギャアガアギャアラギャアガアギャアガア

(解りました。アイシャお嬢様約束します!。あの鉄壁竜シードルとは仲良くします!。だからレッドモンドさんから教わったという新しい走行技をお願いします!。)

「約束だからね。」

ギャアラギャアギャ!

(はい、約束します!。)


俺はキッパリ断言する。



「じゃ、やるね!。Boin走行ストローク!!。」

ギャアラギャアギャ!?

(何そのネーミング!?。)



色々突っ込みどろこのある技名を叫びなからアイシャお嬢様は身を低くし。いつものBoin走行をするかのように自分の胸を俺の竜の背中に押し付ける。


むにゅう♥

そしてアイシャお嬢様の胸が俺の鱗肌に押しつけられたまま左右に揺らさず。上下に動く。


むに ずるり

俺の背中にはアイシャお嬢様の背中に押し付けられて崩れた二つの膨らみが上から下に満遍なく脊髄にそって擦れる。


うおおおおおおおおおーーーー!

うおおおおおおおおおーーーー!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーー!


俺の竜口から歓喜の雄叫びがあがる。

ギャア!ギャア!ギャア!ギャアラギャアガアラギャアあああーーーーーーーーー!

(キタぁ!キタぁ!キタぁ!おも一っ気し!漲ってキタぁっっーーーーーーーーーー!)


ギャアああああああああああーーーーーーーー!


今までにはない激しい歓喜の雄叫びが俺の竜のくちばしから発せられる。


ギャアああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーー!

(パ良(い)~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!)


俺が今アイシャお嬢様に感じた胸の感触の一つの言葉にして何度も連呼しながら叫ぶ


ギャああああああああああああーーーーーー!

(パ良~の!パ良~の!パ良~の!パ良~の!)


びゅいいいいいいいいいーーーーーーーーー

ライナの竜の身体がMAXマッハ以上に加速する。


『お嬢様。校庭グランドが見えて参りました。これでは我々の完全なる勝利です!。』


鉄壁竜シードルは嬉しそうにヴァンパイアの主人であるセヴィに伝える。


「何の勝負しているのか知らないけど!。私を巻き込まないでよねえ。」


セヴィは勝手に勝負を挑んだ相棒の騎竜を叱りつける。勝手に山と絶壁とかセヴィにとってはどうでもよいことである。


ギャ〰!ギャ〰!ギャ〰!

(パ良~の!パ良~の!パ良~の!。)


「え?何この卑猥というか力が抜けるような声は。」

『どうかしたのでお嬢様。』


ひゅん!


鉄壁竜シードルを主人に声をかけた瞬間あるものが横切る。


「えっ?。」


『おおっと!アイシャ・マーヴェラスのノーマル種があっという間にセヴィの鉄壁竜を追い越し。校庭グランドのゴールに到着してしまったあああーーー!。圧勝です!。』

『あの鉄壁竜にアイシャ・マーヴェラスのノーマル種が勝てて本当によかったですね。』


とびっきり笑顔で解説ネレミアは相方の実況サイクに同意を求める。

『あ、はい····。』


何?この威圧感。

実況のサイクの背筋がゾクと何か凍てつくほどの冷たさを感じた。


ギャラギャア!?

(な、なんだと!?)


鉄壁竜シードルはいつの間にか追い越されてしまったことに校庭グランドの空中で呆然とする。


「相変わらずライナの走行って可笑しいわよねえ。」

「それでこそライナよ!。」


レインはライナとアイシャの新しい走行Boin走行ストロークにドン引きしており。炎竜ガーネットは自分事に胸を張り自慢する。


『そんな····私達のペッタン走行が破られるなんて··※。』

「そんな走行だったかしら?。わたし達の飛行って。」


なんか勝手に命名されてしまっている。


「にしてもやっぱりあのペアは面白いわねて。上のものが知ったらどう思うのかしら?。」


上とは魔族の上層部である。もう片割れの神足る竜フォールを崇拝するもの達であり。神足る竜プロスペリテの担い手であるマーヴェラス家が変わったノーマル種を騎竜にしたらどうあもうのだろうか?とふと思った。いや、何も思わないだろう。彼らは約束の刻にしか興味がないのだからな。


「さて、あの救世の騎竜乗りの子孫とノーマル種はどうこの世界を変えるのかしら?。或いはどう答えを導くの楽しみね。」


約束の刻がくるかどうかは解らない。だけど彼らその刻が来たらどんな答えを導きだすのか。魔族のヴァンパイアであるセヴィヴィは少し気になった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る