第275話 一つの言葉に想いを込めて
西地区
多目的レース場外
「大分苦戦しているようだな····。」
わーーーー! わーーーーー!
やさぐれたオッサン姿の煌輝竜アルベッサは気難しそうに空を見上げる。各所に設置された魔法具スクリーンにもライナ達の苦戦する様子が写されていた。
「まさか騎竜乗り科が徒党を組んでアイシャ達に挑むなんて····。竜騎士科の団体の中に軍師竜ゼノビアがいたわ。」
軍師竜ゼノビアは一部の貴族では有名である。知略戦略長けた竜とされている。
「軍師竜ゼノビアか·····。あいつとは二度とレースはしたくはないな。あいつとレースするとレースした気分にならない。どちらかと言えば戦場にいるような気分になる。」
煌輝竜アルベッサは嫌そうに顔をしかめる。
「戦ったことがあるの?。」
レカーリヌは意外そうな顔で相棒の煌輝竜アルベッサに尋ねる。
「ああ、昔な。レースではルール状チーム戦は禁止されていないが。あいつ軍師竜ゼノビアはうまく騎竜と騎竜乗りを指示をして相手を翻弄するんだよ。自分は高見の見物でな。つぐづく気に入らんよ。」
どうやらアルベッサは軍師竜ゼノビアと昔でレースで戦闘した経験があるようだ。口から出てくる言葉はほぼ軍師竜ゼノビアの悪口、愚痴である。
「あら?あのノーマル種苦戦しているんじゃないの?。」
「ふん!言い様よ!。」
「お菓子食べたいよ~。」
「多勢に無勢なやり口あまりに好きにはなれませんな。」
ピンクの髪とローズ色の角を生やす露出度の高い服を着た美人の人化した騎竜が現れる。続いて琥珀色の角と髪と瞳をした少女と水晶の角をはやしたワンピースの美女。次に紳士的な白い角と白髪、白目の品のある男性が現れる。
続いてその騎竜達の主人と思われる令嬢達が並んで出てくる。その令嬢達は皆美しい顔立ちとプロポーションしているので周りにいた王都国民や貴族達はため息が漏れるほど見惚れる。
「あら、貴女達も来たのね?。」
レカーリヌは笑顔で迎える。元純白の乙女のチームメイトとその騎竜の白翼竜シルク、琥珀竜メノウ、水晶竜クリスに魅華竜ハリアである。
純白の乙女のチームリーダーだったレカーリヌが引退して。皆別々の道を歩むことになったのだ。白翼竜シルクの主人はその美しさとルックスを生かしてモデルをやっている。相棒である白翼竜シルクも主人と一緒にレースを引退し。主人専門のモデルマネージャーとして活躍しているのだ。他にも水晶竜クリスの主人は化粧メーカーの社長をやっている。騎竜乗りとして自由にしていたが。レカーリヌの引退を機に家の稼業を継ぐことにしたのだ。相棒の水晶竜のクリスは化粧専門コンサルタントをしている。美しさに関して欠かしたことのないので水晶竜クリスにとっては天職である。琥珀竜メノウの主人は相棒メノウの為にお菓子作りを始め。高級菓子店を経営するまでに至った。かわいく美しい琥珀竜メノウの為に毎日高級菓子を与えている。魅華竜ハリアの主人はとあるキャバレーを経営している。繁盛しているようだが。魅華竜ハリアにとって男漁りがしがいがある良い場所ようで。日々店の中で男漁りにいそしてんでいる。だが正直なところ客引きの邪魔になっているので主人にとっては悩みの種である。
「私達もあの例のノーマル種を観に行きたかったんだけどね。」
「私のクリスがどうしても行くのを渋って。」
「遅くなっちゃったのよ。」
元純白の乙女のチームメイトは申し訳無さそうに謝罪する。
「ふん!あのノーマル種のせいで私達、純白の乙女が解散に追い込まれたのよ。当然じゃない!。」
水晶竜クリスは不機嫌に鼻を鳴らす。
「前にも言ったけど。私が引退したのは全部私の意志だから。アルベッサと相談して決めたことなのよ。だからアイシャとライナは関係ないからそんなに責めないで。」
純白の乙女のチームを引退、解散したのはレカーリヌが将来的に騎竜乗りとしての実力が身に付かないと判断したからである。チームと協力してレースをしていたら個としてと力が身に付かない。確かにツーマンセルやスリーマンセルのようなチームレースなら問題ないだろう。しかし騎竜乗りとして名を上げるにはあくまでフリーレースで勝ち続けなくてはならないのだ。故に純白の乙女を引退することを決意したのである。チームメイト達もそれに関しては承諾済みである。
「それでもあのノーマル種に金貨をぶつけられたことまだ恨みがあるんですからね!。おかけでお肌がボロボロでケアするのもたいへんだったんだから。」
どうやら水晶竜クリスはライナにゴージャスエレガントカップで金貨をぶつけられたことをまだ根に持っていたようである。
「まあまあ、クリス。もう昔のことは引きずらないの。」
水晶竜クリスの主人である元純白の乙女のチームメイトは相棒を優しく宥めようとする。
「ふふん!でもまあ···レースを見たところあのノーマル種。騎竜乗り科達にめったざしにされているみたいだからせいせいしたわ!。」
ノーマル種ライナが王都名門のシャンゼルグ竜騎士校騎の竜乗り科達に多勢に無勢にやられているところを目の当たりにして少し水晶竜クリスは溜飲が下がる。
「う~ん。それはどうかなあ~?。」
見た目が琥珀色の角と髪と瞳を少女姿の琥珀竜メノウは水晶竜クリスに意義を唱える。
「はっ?何よ。メノウ。まさか!?ノーマル種の肩を持つ気!。」
水晶竜クリスは元チーム仲間である琥珀竜メノウを睨み食ってかかる。
「いや、そうじゃなくてさ····。僕達に大量の金貨をぶつけたあのノーマル種なんだけど。このままで終わるとは思えないだよねえ。何か後々とんでもないことを仕出かしそうな。そんな気がするんだよ~···。」
琥珀竜メノウは自分達に勝ったあのノーマル種がこのまま大人しく終わらないではないかと本能的に思えた。
「怖いこと言わないでよ!。あのノーマル種がレースを滅茶苦茶した前科があるのよ!。変なフラグ立たせないで!!。」
水晶竜クリスは深く同様する。
聞いた話ではゴージャスエレガントカップにおいてダイヤモンドの森を燃やしたり。黄金でできた巨大な黄金竜の像の首を頭突きでへし折ったりしたという。美しさを重視する水晶竜クリスにとって許しがたいことである。
そんなノーマル種が王都の由緒正しき建国記念杯のレースを滅茶苦茶にするなど想像したくもないし考えたくもない。
まったく···変な勘繰りしないでよねえ。心臓に悪いわ·····。
水晶竜クリスはそんな悪い予感を振り払う。
しかしこの的がすぐさま当たる羽目になるなど彼らは知らない。
多目的レース場
商会VIP席
「あのノーマル種。敗けそうですね····。」
アナケツ・ヒロゲールは双眼鏡をもち。少し離れた上空にいる同じケツ仲間と思っているノーマル種の様子を観察する。他の商会の会長は皆学園期待の星である最強のタクト、クラウンの称号を持つゼクス・ジェロニクスとエネメリス・フィレンツェのレースの様子を観戦していた。
「まあ、あんなノーマル種を気になさるんじゃありませんことよ。ミスターアナケツ。それよりも学園最強の期待のホープでもあるゼクス・ジェロニクスとエネメリス・フィレンツェの観戦しましょうよ!。」
「ええ···そうですね。すみませんカオニー嬢····。」
カオニー嬢の言葉にアナケツは残念そうに双眼鏡をおろす。魔法具スクリーンに写る学園最強の二人のレースの様子に視線を移す。
同じケツ仲間であるノーマル種を気になっていたが。今は主役の二人を注視しなくてはならない。
アナケツ・ヒロゲールはノーマル種の観戦を諦めることにした。
わーーーー! わーーーー!
後頭部に栗茶色の短めの三つ編みポニーテールと。上着のコルセットがむっちむちの2つの膨らみを抑えつける商会会長の娘と。小柄に黒い
薔薇模様をデザインしたゴシックドレスにふっくらと小ぶりの膨らみ出ている少女が魔法具スクリーンに写るアイシャ達のレースの様子を熱心に観戦する。
全ての魔法具スクリーンは学園最強の二人を写しているが。
アイシャ達の写している魔法具スクリーンは商会が用意した特注品である。
「ピンチのようね···。」
「そうですね。ですが心配ありませんよ。ライナならあの場でも直ぐに巻き返しますから。あのノーマル種はこういう土壇場に滅茶苦茶に強いので。」
「へえ~、ライナのことをよく知っているのね。」
「ええ、長い付き合いなので····。」
そう長くはないが。アイシャ・マーヴェラスとノーマル種のライナとはそれなりの交流を持っている。相棒のナーティアもライナのことを気にかけているようなので。あわよくば将来的にツガイにさせたいと思っている。そうすればマーヴェラス家とは更に深く交流繋がりを持つことができるからだ。
ハーディル商会として救世の騎竜乗りの家系と繋がりを持つことは+になっても-にはならない筈だ。
それにヴァーミリオン商会のセネカに出資者として先を越されてしまった件もある。アイシャ、ライナとの付き合いは此方の方が長いのだ。中央大陸一のヴァーミリオン商会に出し抜かれてなるるものか。
「軍師竜ゼノビア。果たしてアイシャとライナはどんな戦いをするのか楽しみだわ。」
ヴァーミリオン商会の会長の娘セネカ・ヴァーミリオンはアイシャ達がレースでどんな戦い繰り広げるのか胸を高鳴るほど待ち遠しかった。
パトリシアは静かにライナ達のレースの行く末を見守る。
びゅるるるるる~~~
バァサッバァサッ! バァサッバァサッ!
「アイシャとライナ、大丈夫かなあ?。」
ふわふわ
雲の軽さを秘めた爆乳が風とともに揺れ。アーニャ達は北地区のフラッグを回収して東地区のフラッグ回収地点を目指していた。真下には広大なシャンゼルグ竜騎士校の敷地が見える。
「大丈夫よ。アイシャには騎竜乗り科のオリンもいるんだし。私達はただレースを楽しめばいいのよ。どうせ、このレースは竜騎士科と騎竜乗り科の学園最強であるタクトとクラウンの称号を持つあの二人の為の出来レースでしかないんだから。」
栗色毛のポニーテールを揺らし。王都の内情に詳しいカリスが親友のアーニャにそう告げる。
そんな身も蓋もない······
アーニャは困った顔を浮かべる。
「だからアイシャ達は大丈夫よ!。」
カリスはアイシャとライナがレースで敗けるなど微塵も思っていなかった。
バァサッ バァサッ
少し情報を与えすぎましたかね····。
カリスを背に飛ぶ弩王竜ハウドは少し罪悪感を覚えた。
炎竜ガーネットのためとは言え敵にライナの情報を与え過ぎたことを弩王竜ハウドは深く反省する。
もしかしたら軍師竜ゼノビアが今ライナ達と戦闘を行っているかもしれない。
まあ、情報といっても全て教えたわけではありませんが。
ぐ~ぐ~。
地土竜モルスはそんなライナの危機的状況など露知らずシャンゼルグ竜騎士校の敷地上空で安全安眠の爆睡をしている。
ゴール到着することが目的ではないので鉄製のハリセンでぶっ叩かれる心配もない。
オリン、フェニス視点
「はあ···はあ·····。」
『この!フィラメントソーラー(フィラメントソーラー(太陽の糸)。』
ひゅ しゅるしゅるしゅるしゅるしゅる
鳳凰竜フェニスはメラメラと燃えあがるオレンジ色の翼から無数の糸状の熱の糸を発し。取り囲む騎竜乗り科の騎竜達に放つ。
「コール、防御を!。」
『フロストヴァント(霧氷の壁)』
ガキンッ!
騎竜乗り科の一人の令嬢生徒が所有する氷竜族のレア種、霧氷竜に鳳凰竜フェニスの熱の糸の攻撃が霧状の壁に遮られる。
『くっ、ならば鳳凰の舞い!。』
オレンジの翼を艶やかに舞いを行うことで周囲の全体が炎のアーチを描く。
周囲の一年の騎竜乗り科の隊列を組む。
防御の陣形で鳳凰竜フェニスの攻撃を受け止める。
「「「オールスタッフディフェンサー(全隊防御)」」」
魔法が得意な騎竜乗り科の令嬢生徒達が魔法結界を張り巡らせ。鳳凰竜の炎のアーチを完全封鎖する。炎はそのまま燃え移ることなく空をさ迷う。
『くっ、これじゃ、埒が明かない···。』
鳳凰竜フェニスのくちばしが苦渋に歪む。
「くっ、卑怯です!。」
オリンは騎竜乗り科一年のクラスメイトに叫ぶ。
「なんとでも言うといいわ!。私達は騎竜乗り科の尊厳と誇りを守るためにも何としてでとあのノーマル種とノーマル種の乗り手をここで潰す必要性があるの!。」
「私達はそのために練習という練習を重ね。連携を磨きあげてきたのよ!。」
「これ以上何人足りとも行かせない!。私達は貴女達を足止めするだけの役目を担っている。先輩や騎竜乗り達、みんなの闘いを絶対邪魔させない!。」
「くっ······。」
オリンは何としてでもアイシャ達に加勢をしたかったが。騎竜乗り科のクラスメイトに邪魔される。
本来ならペア相手である自分達がやられれば確実にアイシャ達が敗北が確定するのにそれをやらないと言うことはあくまでもアイシャ達と直接闘い勝つことが目的である。
鳳凰竜フェニスは模索する。
もうクライメントフレア(燃え上がる気候炎)を使うしかないわ。でもあれは自爆技だから私が戦闘不能になったらアイシャ達が失格になるかもしれない。フリーレースなら問題ないけど。ツーマンセルやスリーマンセルのようなチームレースじゃそうはいかない。
『くっ、どうすればいいの·····。』
鳳凰竜フェニスのくちばしが歪む。
直ぐ様アイシャ達に加勢に行きたいが。一年の騎竜乗り科のクラスメイト達は完全に自分達の行動を邪魔してくる。手をこまねている間にアイシャ達はよりピンチになってしまう。
鳳凰竜フェニスは決断に迷う。
「オホホホホホホ‼️。アイシャ・マーヴェラスどうかしたのかしら?。」
『我々の闘いに無抵抗ではありませんか!。』
「くっ!。」
アイシャは大帝竜アルデンの背に乗るエレンセの猛攻に耐える。
部隊ごとに加勢と援護も加え。何とかアイシャはその騎竜乗り科の部隊の攻撃に耐え抜く。
バァサッ!
ライナは一旦彼らと距離を取る。
今の段階でジリ貧なるのは目に見えているからだ。
「やれる!私達やれるわ!。」
「私達があのノーマル種と狂姫の技を持った他校生に勝てるのね!。」
騎竜乗り科の令嬢達はアイシャ達が戦闘で退いたことに優勢だと判断し歓喜する。
「はあ·····はあ····。」
アイシャは息を整える。周囲は敵だらけでほぼ囲まれている
「こんなのレースじゃないわ····。」
薔薇竜騎士団員の臨時講師ミリスはアイシャの姿を見て眉が悲痛に歪む。
『目を背けるな!ミリス。レースはまだ終わってないぞ!。』
獣王竜ゾレはそんな主人を激しく叱咤する。
「ゾレ?。」
ギャアラギャアガアガアギャアラギャアガギャア
(アイシャお嬢様。ここで一つ提案があります。)
アイシャお嬢様に作戦があることを俺は伝える。
「はあ···はあ···ライナ。何か作戦があるの?。はあはあ·····。」
アイシャお嬢様は息切れしている。同然だろう。千羽鶴の大技を封じられ。部隊が次々と息をつかせぬ間も与えずこまめに攻撃をしてくるのだ。疲労疲弊困憊しても可笑しくはない。
ギャラギャアガアギャアラギャアガアガアギャアラギャアガアギャアギャア
(はい、一つこの状況を打開できる技が一つだけあります。それをやってみようかと。)
「そうなの?。じゃ、私、ライナに全て賭けるね!。私じゃ彼女達を全然抑えられないから。はあはあ····。」
アイシャお嬢様は全面的に何の迷いなく俺を信頼してくれていた。
ギャアラギャア!ギャアラギャアガアガアギャア!
(任せてください!俺が全てこの技で終わらせます!)
最早この技でしか勝ち筋が見えない。多勢に無勢なこの状況でこの技だけこの状況を覆す唯一の切り札になるであろう。
スッ
ライナは竜の瞼を閉じて体内の気を練り込む。
すうーーーーーーーーーーーーーー!!
竜口から思いっきり息を吸い込む。
はらはらがパンパンになるほど空気を体内へと取り込む。
頭の中に一切何も考えず。空っぽの無の境地へとはいる。頭の中にある真っ暗な無の空間に一点だけライナが強い思い入れのある言葉を一つそこに添える。
この言葉こそがライナの存在意義であり。ライナの全てであり。ライナが強く想い描く言葉である。その想いをたった一つの言葉に全て注ぎ込む。
【ありったけの想いを!。この一つの言葉に込めるっ!!】
全身全霊を込めてその言葉をライナは気とともに激しく放出する。
ギャ ああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!。
(おっ ぱああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)
ぱあああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああ
ぱあああああああああああああああああああ
ぶわああああああああああああーーーーーーー
俺の竜の身体が音波のように響き渡る。
ぶわあああああああああああああああああああ
びりびりびりびりびりびりびりびりびりびり
大気がゆれ。空気がひりひりとひりつく。
ギャアああああああああああーーーーーーー!
(ぱあああああああああああーーーーーーー!)
「なっ、なによ!これ!?。」
「ちょ、ちょっと‼️。」
周りにいる騎竜乗り科の部隊の令嬢達はライナが発する強烈な咆哮に動揺する。
『これは······いけない!?。威圧、威圧です!。皆さん!威圧のスキルに対処してください!。』
軍師竜ゼノビアはライナが威圧のスキルを発動したことに即座に騎竜乗り科の部隊に指示する。
威圧はそれほどのスキルではないが。隊を崩す効果はある。用心に越したことはない。
「私達の魔法で防いでやるわ!。」
「威圧なんて上位種のスキルでもちゃんと対処対策していればどうってことないのよ!。」
魔法部隊の一部の令嬢生徒はノーマル種ライナの威圧のスキルなど取るに足らないと侮り勝ち誇る。
ギャああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーー!
(ぱああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!)
ライナの咆哮が王都全体に轟く。
ぱああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しかしライナは知らなかった·······。あまりにもその言葉の思い入れが強すぎたために。その効果範囲は王都全域にまでのぼってしまったことを。
そして暫くして王都中に王都国民もとい令嬢達の阿鼻叫喚の悲鳴が上がる·····。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます