第269話 愛の情炎
ギャアラギャアガアギャアラギャ~ギャアラギャアガアガアギャアラギャアギャ~ギャアラギャアガアガアギャアラギャアギャアラギャアガアガアギャアラギャアガアガアギャアラギャアギャアラギャアガアガアギャアラギャアガアガアギャアラギャアガアガアギャアラギャア
(はああ、変身できるなんて本当に羨ましないあ~。俺なんか変身できない進化しない普通のノーマル種だしなあ。姿も全然変わらんし。能力も普通だし。戦闘スタイルも普通だし。俺って一体何だろうなあ~。強くなっても変身も進化もしないドラゴンはドラゴンとして正直詰んでるよ。だいたい変形したり合体したり変身したりドラゴンのバリエーション可笑しくない?。普通のファンタジー異世界に変形、合体、変身の能力持ったドラゴンなんて一つ世界に一辺に出るわけねえっつうの。はああ、なんで何で俺はこんなにも普通なんだ····。)
ライナはほぼ自分とは全く違う魔剣竜ホロホスの戦闘スタイルを垣間見て。性格がネジ曲がるほどやさぐれる。
「ライナ!いつまでやさぐれているの!。レインとガーネットの闘いが始まってるんだよ!。」
アイシャはあまりにもしつこくやさぐれるライナの姿に厳しく叱りつける。
ギャ!?ギャギャア····ギャアラギャアガアガギャアラギャアギャ
(あっ!?すみせん。アイシャお嬢様。少し我を忘れておりました)
ライナはハッと我に返り深く反省する。
いかんいかんレースに集中しないと。まだ童貞じゃなくて童帝竜とも闘ってもいないのに。なんやかんやで俺とアイシャお嬢様の戦闘は後回しにされてしまった。まだ三竜騎士の中の二人と二匹との闘いが控えているのにこんなところでやさぐれている場合ではない。
ライナは再び平常心を取り戻す。
数10分前
ぼおおおおおおおおお
『これでお前は身動きできまい。』
氷結竜コルゴは低い唸り声を上げる。
炎竜ガーネットが発情炎を発動させた後、氷結竜コルゴは最強防御バッシブスキル、アアプソリュート〝ZERO〟DF(絶対零度防御)で防いでいたが。炎竜ガーネットの発動した発情炎はすれすらも溶かし無効果する。
『馬鹿なっ!?こんことがあってたまるか!?。』
「コルゴ来るぞ!。」
『くっ!。』
『ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナああああああああ~~~~ーーーーーーーーーん♥️。』
ぼおおおおおおおおおおおおおおおお
火だるま化した熱情の炎を身に宿す炎竜ガーネットがそのまま氷結竜コルゴに突っ込む。正にそれは熱烈アタックという名に相応しい突撃であった。
『あ、アプソリュート〝ZERO〟DF(絶対零度防御)!!。』
瞬時に氷結竜コルゴは触れると氷漬けになる氷のバリアを発動させる。しかし
ピキィッ ピキィピキィ
『くくく、このまま氷漬けになれ!炎竜!。』
炎竜ガーネットが氷結竜コルゴに触れようとするじわじわと白みががり炎にまみれたガーネットの身体も凍り付いていく。
『ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナ!ライナなああああああああ~~~ーーーーーーーーーーーん♥️』
ぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
しゅうううううう
『何っ!?。』
ガーネットの白みがかり凍り付く身体も発動炎の発情を増すことに火力増す効力で氷漬けならろうとしたガーネットの身体の一部がみるみる瞬時に燃え上がり蒸発していく
「アグセントベルフェルニア(限界なる速さの境地)!。」
レインの剣は光輝き。ルポンタージュ家伝来の光速剣が氷結竜コルゴの背に乗る竜騎士科のオセット・カスタムを襲う。
「くっ!コルゴ、一旦離れろ!。」
『フリージングウェーブ(氷結寒波)!。』
びゅうううううーーーー
「しまった!?。」
氷結竜コルゴは凍てついた寒波の吹雪のスキルを目眩しに使い。一旦ガーネット達と距離をとる。
「ふう、危なかった····。」
『く、こんなことが······。』
戦闘訓練を受けている竜騎士科オセットは瞬時の判断と状況で一旦戦闘離脱することに成功する。
『く、糞、炎竜ごときに····。』
氷結竜コルゴは牙の竜口を軋ませ悔しがる。
「少しは落ち着け!コルゴ!。相手はあの炎帝と炎速だぞ。此方の方が闘い慣れしてるとはいえ、相手はレースのエキスパートだ。」
『だが、オセット。あの炎竜は俺らより下等だ。能力は此方が上なんだ。発情炎というふざけたスキルさえなければ此方が上なんだ!。』
「もっと状況を理解しろ!コルゴ!。お前が例のノーマル種にリベンジしたいのが解る。が、今の状況みても此方が押されているのが解らないのか!?。正直アプソリュート〝ZERO〟DF(絶対零度防御)はあの炎帝、炎速には効かない。完全に破壊溶かされている。どうみても接近戦は不利だ。ここは距離を保ちながら遠距離攻撃に専念するのが得策だ。」
『く、こんなところで手をこまねている訳には·····。』
氷結竜コルゴは憎々しげに此方を観戦するノーマル種を睨みつける。
「コルゴ、あれを使うぞ!。例のノーマル種対策としてあみだしたスキルを。もうなりふり構ってはいられない!。ここで炎帝、炎速に敗けたら。例のノーマル種との再戦も夢のまた夢だぞ!。」
『くっ、仕方ない··か··。ならばさっさすますぞ!。発情炎というスキルが発情で火力を増すといっても永続的には無理な筈だ。必ず火力切れを起こすに違いない。そこを突く。まさかあのノーマル種対策にあみだしたスキルを火力の低い炎竜ごときに使う羽目になるとは。』
氷結竜コルゴは悔しげに竜口を歪ませる。
氷結竜コルゴはライナの竜牙烈破掌を喰らい完全敗北した。竜牙烈破掌というライナのスキル(実際は技だが)だと思い込んでいた氷結竜コルゴはそれを防ぐ為対策を立てていた。アプソリュート〝ZERO〟DF(絶対零度防御)は凍結する作用と強固な防御を誇るが。連続な衝撃には弱い。その弱点をライナと敗北したことで初めて氷結竜コルゴは気付いた。だからこそノーマル種のスキル対策として連続的な衝撃の攻撃にも防ぐスキルをあみだしたのである。炎竜ガーネットの発情炎を纏ったぶちかまし(熱烈アタックともいう)には氷結竜コルゴのアプソリュートZERO〝ZERO〟DF(絶対零度暴挙)は効かない。火力を増しつづけるぶちかましでことごとく凍結せずに破壊されるのだ。強固な硬い氷晶のバリアと凍結も効かないなら完全にお手上げである。だからノーマル種ライナ対策であみだしたスキルを実行に移すしかなかった。あれならば破壊されても防ぎきることはできるだろう。ライナの竜牙烈破掌対策として破壊前提であみだしたスキルならば。
まさか炎帝、炎速でこのスキルを使う羽目になるとは思わなかったが。
『········。』
『どうした?。氷結竜。もうネタ切れか?。』
ガーネットの挑発じみた言葉にぴくっと氷結竜コルゴのグレシャーブルーの竜の眉間が寄る。
『調子に乗るな!炎竜。お前の実力で俺を倒すことはできはしねえんだ。俺のこのスキルでお前の攻撃は最早通らねえ!。』
『ほう、ならばやって見せよ。我らの情炎の炎で全て溶かしきってくれる。』
『ぬかせー!。』
バァサッ
氷結竜コルゴのグレシャーブルーの翼が大きく広がる。それと同時に周囲の空気が冷気に包まれる
ぐぎゃあああああああああーーーーー
氷結竜コルゴの竜口から白い冷気が雄叫びとともに流れ出る。
「何をするつもり!?。」
レインは氷結竜コルゴのいつも違う様子に戸惑う。
『コールドバァビリオン(氷結の建造物)‼️。』
バババババババババババババババ バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキッバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ
突然に大気中浮かび上がる氷が折り重なり。積み木となって二重三重にも重なる。そしていつの間にか巨大な氷の檻のドームが出来上がる。氷の檻のドームは鳥籠のようにレインとガーネットを完全に閉じ込めた。
現時刻
『見たかこれこそが俺の新しいスキル。コールドバァビリオンだ。二重三重にもなった氷の壁を破壊溶かしても。瞬時に折り重なって復元する。もう逃れる術はないぞ!。』
氷結竜コルゴは勝ち誇った竜口の笑みを浮かべる。
『へえ、やるねえ。あの氷結竜。あれ僕でも無理かなあ。』
ファさ
ジェロームは前髪のカール髪を鮮やかにかきあげる。
「ふっ、一年生の騎竜にしてはできるねえ。でもまあ閉じ込めることが果たしてあの炎帝炎速に意味があるかどうか解らないけどね。」
三竜騎士の一人ジェローム・アドレナリンと童帝竜チェリーボーイは巨大な氷の檻の建造物を作ったことに素直に感心する。
『ふん、この程度で我らの動き止めたつもりか?。片腹痛いわ!。』
ぼおおおおおおおおーーーー
炎竜ガーネットの纏う炎はメラメラと燃え続ける。
スカーレット赤髪短髪のレインはすらりとした美脚を整え剣を構える。
『貴様の発情炎などというふざけたスキルに北方大陸一の氷の使い手である我等氷竜族が敗ける道理はないのだ!。早々に消え失せろ!。』
『弱いやつはよくほえる。』
『ああ、何だとっ!?。』
『炎竜族の火力がこの程度で終わるわけなかろうに。特に我とライナの愛の炎は何者にも消せぬ。』
愛ではないと思います。
俺は達観した白けた竜顔で内心そう想う。
「貴っ様ああああーーーーーーーー!。」
「落ち着け!コルゴ。相手のペースに乗せられるな!。炎竜さえここで隔離すれば俺達は勝てるんだ。今は冷静にじっくり対処すればいい。」
氷結竜コルゴの乗り手オセット・カスタムは何としてもコルゴの気性を静めようとする。
『レイン。決着をつけるぞ!。』
「あれをやるのね?。」
レインは相棒のガーネットのやろとしていることに理解する。
『ああ、我等の真骨頂ここで見せよう。』
スッとガーネットは紅い竜瞳の瞼を閉じる。そしてライナとの甘い熱い熱々の関係を捏造(妄想)する。
『あああ~~ん♥️ライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナライナなああああ~~~~~~~~~ん♥️。』
熱情帯びた言葉でガーネットは何度も愛するオスの名を連呼する。
ぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
激しく火力を増すガーネットの炎がレインお嬢様にも燃え移る。
「あああああああああーーーーーーーん♥️。」
何か···主人まで発情してるんですけど····。
俺は竜瞳を見開き絶句する。
ガーネットの炎と発情が増すと同時に何故だがその背にのるレインお嬢様まで発情していた。
ガーネットの発情炎って乗り手の主人まで感染するんかい!。
俺はガーネットの発情炎というスキルが色々ヤバめなスキルのような気がしてきた。
騎竜の発情が人間の騎竜乗りに感染するというならかなりヤバめである。
もしかして炎竜族が発情の炎を自分達の攻撃の固有スキルにしなかったのも。これが原因ではないかと思ってしまう。発情の炎が乗り手にも移ってしまうならそりゃあまあ、一般のレースや戦闘とかに使えんわなあ。俺の固有スキル?のBoin走行よりもヤバなような気がする(マーガレットお嬢様除いては)。
ごぁおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ガーネットとレインお嬢様は激しく燃えたぎる。
レインお嬢様のスカーレット赤髪短髪の髪さえもガーネットの発情炎の影響か。メラメラと炎のように長く伸び。何とかのシャナみたいなかんじで髪が熱く真っ赤に燃えたぎっていた。
かなり古いけど·····。
『喰らうがいい!これこそが私とレインの最強連携技。』
ぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
炎竜ガーネットとレインお嬢様はどんどんと燃えるとレインお嬢様の身体も真っ裸のような感じでほぼ原型止めず炎そのものになっていた。
止め止めない熱量が周囲の何重にも重なる氷の壁さえも溶かしていく。
バァサッ
ガーネットの炎の翼が大きく広げる。
ぼおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ギャあああああーーーーーーーーーーーん
ガーネットはそのまま激しい熱量帯びた炎となって氷の籠の檻に激しく突っ込む。そのまま氷結竜コルゴに向かって突きすすむ。
ごおおおおおおおおおおおおおおおおお
ビキィ バキバキ
『馬鹿な!?俺の完全なる氷の籠の檻が!?。』
何重に重なって修復するといってもやはり修復するにも時間は懸かる。その数秒間の間に完全なる炎の火だるま化したレインとガーネットはつき進んでいく。氷の籠の檻はガーネット達の火力に追い付けない。
檻の氷の壁はみるみる溶かし破壊され進んでいく。
『LOVEットファイヤーああああーーーー(愛の情炎)‼️。』
何かラビットファイヤーみたいなのが来たんですけどっ!?。
俺は竜瞳が点となり絶句する。
ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
レインお嬢様と炎竜ガーネットは氷の檻を突き破る。
そのままオセットと氷結竜コルゴをまとめてぶちかます。
どおおおおーーーーん!!
「ぐわああああああーーーーーー!。」
ギャアアあああああーーーーーーーーーーー!
オセットと氷結竜コルゴはそのまま王都の南地区の塀等の奈落へと落ちていく。
レインお嬢様とガーネットは何故だかそのまま南の塀塔まで突っ切って何処かへいってしまった。
ひゅう~~~~
ファさ
ジェロームは闘いの行く末を見た後、前髪のカール髪をかきあげる。
「さて、と。どうやらやっと決着ついたようだね。それじゃ、私達も楽しもうか。」
『やっと僕の出番が来たんだね。』
「········。」
·············
竜騎士科三竜騎士の一人ジェローム・アドレナリンと童帝竜チェリーボーイは嬉しそうにアイシャを乗せるライナの前で対峙する。
チャ
サッ
アイシャは二丁のブーメランを出す準備をする。
ライナはミスリルの小手をはめた鉤爪の両掌の爪を研ぎ澄ませ。竜騎士科一年最強の竜騎士と騎竜を前にして身構える。
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