第118話 力の差
バァサッバァサッ
校庭グランドから三頭の騎竜が飛び立つ。そのまま飛行し校門の塀の外側にでる。
「プラリス、このような不毛な競争を早く終わらせましょう。そもそもノーマル種が我々のスピードにはついてこれるわけないのです。最初から全力でいきますよ。」
『う~ん、解った。』
プラリスはまだ考えごとをしていたが。主人であるシーアの命令に従順に従う。
「では始めましょう。プラリス。」
『銀翔翼(ぎんしょうよく)。』
バァサッ
キラキラキラキラ
何だっ!?。
俺は驚きのあまり竜瞳をしばたかせる
プラリスの白みかかった銀色の翼にキラキラした霧状の光の粒子が集まりだす。
何だ?あれは·····精霊?。
白銀竜の銀色に輝く翼にダイヤモンドダストのような氷の粒のような粒子が集まり出していた。一瞬ただの氷の粒と見違えそうになったが。そのキラキラ光る氷のような粒は意志を持つかのように活発に動いている。
ズバッ! ヒィーーーーーン!!
白銀竜が白銀色に輝く翼を扇ぐと金属が擦れるような音が鳴り響くと。白銀竜の姿がまるで加○装置の如く一瞬にしてかき消え。遠方遠くへと飛びたつ。いつの間にか白銀竜プラリスナーチは俺と絶帝竜カイギスとの距離との間が大きくかけ離れた。
シャルローゼはその様子を静かに見据える。
「シーアは最初から飛ばしてきましたね。」
『どう致しますか?。お嬢様?。』
「では私達も参りましょう。」
『畏まりました。』
絶帝竜カイギスは魔法の詠唱を始める。
『我、深きもの、我、長きもの、我、硬きもの、完全たるその身に絶対たる力を求めん。我は絶対者、我は絶帝者、我は完全拒絶者。万物の理を用いて無限なる拒絶を求めん。無限拒絶解離魔法、メビウスアルマ(無限改絶)。』
スッ ブアアッ
絶帝竜カイギスの物理的法則をも覆す魔法が放たれる。前方にいたカイギスの巨体は一瞬にして消え。遠方に消えるほど加速した白銀竜プラリスと絶帝竜カイギスの距離の開きが一瞬にして無くなる。
しょっぱなから飛ばして来やがるあの二匹。
俺は嫌そうに竜顔をしかめる。
あの最強達はどうやら遠慮というものがないらしい。
「ライナ、行くよ!。」
ガア
アイシャお嬢様の掛け声に俺は竜の唸り声をあげ返事をする。
俺は集気法を行い大気中の気を竜身に集めだす。
アイシャお嬢様は俺の背中で身を低くする。
むにゅうう♥️
アイシャお嬢様の弾力がある2つの膨らみが俺の背中に押し付けられる。
アイシャお嬢様はそのまま左右にずらし始める。
スリスリスリスリ
アイシャお嬢様の柔らかな2つの膨らみが俺の竜の鱗の背中に左右に擦れる。
スリスリスリスリスリスリ
キタあ!キタあ!キタあ!キタあ!漲ってキタあッーーーーーーーー!!。
ギャアあああーーーーー!!
竜口から愉悦と歓喜の咆哮が放たれる。
ギャアあああああああああああああああああああああああああーーーーーーー!!
(オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️)
ひゅん!
緑色の鱗に覆われた竜は猛スピードで最強の二匹を追う。
スヒィーーーん
金属が擦れるような音が収まると白銀色の鱗に覆われた竜の超加速が静まる。
ブアア
続いて隣には絶帝竜カイギスに乗ったシャルローゼが現れる。
「矢張、私の隣に現れるのはシャルローゼ様、貴女でしたね。だからこそ解らない。何故にアイシャ・マーヴェラスのノーマル種と競争するのですか?。ご覧なさい。この通り追ってはこれないではありませんか?。いえ、一介の騎竜乗りや騎竜でさえも私達を追い抜くことなど不可能です。ノーマル種を騎竜にするアイシャ・マーヴェラスなら尚更です。」
シーアは無意味であるかのように頭を振る。
「シーア、まだですよ。ノーマル種ライナが本領発揮するのはここからです。貴女はまだアイシャ・マーヴェラスのノーマル種の本質を知らない。」
「何を馬鹿な!。ノーマル種はノーマル種ではありませんか!。」
シーアは強く反論する。
シーアは矢張自分が仕える主人が頭がおかしくなってしまったのだと自覚する。
ノーマル種は我々の騎竜のように魔法もスキルも扱えぬ。救世の騎竜乗りの子孫であるアイシャ・マーヴェラスなら何らかの魔法やスキルを持ちあわせていたかもしれない。しかし例え強力な補助魔法を修得としてもノーマル種はノーマル種であり。エンペラー種やレア種のような飛行スピードには到底及ばないのだ。更に我々のような特別な騎竜の固有魔法、固有スキル持ちなら尚更である。
オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️
あれ?何か変な声が聞こえる。
白銀竜プラリスの聴覚が優れた竜耳にオパパイーヨ‼️という意味不明な竜言語が微かに聞こえてきた。
「シャルローゼ様。とりあえず私は競争の建前上貴女と闘わなくてもなりませぬ。」
シーアはチャキと甲冑腰元に吊るした二本の剣に手をかける。
「ええ、宜しいですよ。手加減は無用です。ただ強いて言うならばこの騎竜乗りの戦闘は三つ巴となりましょう。」
「馬鹿馬鹿しい!。」
シーアはもう充分だと言った様子で絶帝竜カイギスの巨体の背に立つシャルローゼに剣を向ける。
シャルローゼもドラグネスグローブの手の甲収める宝玉を掲げ。武装解放を行う。真っ白な金の装飾が施されたサイト付きのコンパウンドボウのような弓が現れる。上下の滑車が自動的に回り。上下の滑車から光の線が伸び繋がって弦の形となる。握り箇所であるボウストップと呼ばれる部分にシャルローゼは手を掴む。
上品な笑みを浮かべ。今にも戦闘を行うような様子ではなく。落ち着いたように上品な雰囲気を醸し出していた。
「では、行きます!。」
バァサッ
シーアは二対の剣を向けプラリスナーチに絶帝竜の巨体に向かうことを指示する。
オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️
『ふむ、どうやら来たようですなあ。』
絶帝竜カイギスの年季の入った老いた竜口がニヤリと笑みを浮かべる。
「そうなのですか?楽しみですね。」
シャルローゼは嬉しそうに口元が緩む。
「シャルローゼ様!戦闘中に微笑むなど何事ですか!。」
シーアは今戦闘開始しようというときに余所見したように笑みを浮かべたことに憤慨する。
二匹の最強の騎竜は一触即発する互いににぶつかろうとした。
「お覚悟を!。シャルローゼ様!!。」
チャキ
双方は二対の剣と弓を身構え。白銀竜プラリスナーチが絶帝竜カイギスに接触しようとしたその瞬間それは横切った。
ギャアあああーーーーー!!
「オパパイーヨ‼️」
ひゅん!
「何っ!?。」
「ふっ。」
突然最強の二人の騎竜乗りの前に二つの膨らみを押し付けられ擦られ歓喜するノーマル種が。加速しながら二人の間を割り込むように横切った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます