第96話 三竜一体
「貴方達あれをやるわよ。水を操れるノーマル種に手加減するつもりなど毛頭ないわ?。」
『『『解りました!お嬢様!。』』』
何だ?何をする気だ!?。
みつ子の騎竜ロード種跪伏竜は揃って返事を返す。
みつ子の騎竜は三手に別れる。
『ノーマル種何故我等が三竜で一体と見なされているか。その真髄を見せてさしあげましょう!。』
みつ子の騎竜が身体が青い光に包まれる。
「セシリア・サウザンド。貴女が水を操れるノーマル種を騎竜にしたところで。私のロード種の跪伏竜には敵わぬと知りなさい!。」
ポオオオ
みつ子の騎竜が青い光に包まれる。
『『『サードラユニオン(三竜合体)!!』』』
みつ子の三竜の竜身が強く発光する。光を帯びたみつ子の騎竜はエリシャ・ハフバーレンが騎乗するみつ子の長男カシルを中心として完全に光化した弟達は流星のように上空へとうち上がり。そのまま中心である長男カシルの元にへと注ぎこまれる。
ひゅうううう カッ!!
エリシャ・ハフバーレンが騎乗する長男のカシル姿が光と化したみつ子の弟達と重なり。その姿はみるみると変えていく。
まさか····合体するのか?。
この異世界の騎竜は変身もすれば合体するかもしれないと予想はしていたけれど。案の定的を射ていた。合体するロボは解るけど。合体するドラゴンって·····。
俺は微妙な竜顔を浮かべる。
段々と俺はこの異世界の世界観に付いていけなくなりそうである。
合体したみつ子の竜の発光がおさまり。その姿を露にする。
ギャガアああああ~~~
ガアギャああああ~~~
ぐギャあああああ~~~
それは三つの頭を持つ竜であった。大きな翼を生やし。胴体は一つで長首が三つにわけられ。竜の長首伸びた三つの竜顔が色んな表情を浮かべ威嚇しほえる。
キングギ○ラかよ~。
その竜の姿をとある怪獣映画の怪獣に酷似してきた。ここはファンタジーの世界なのであって怪獣映画じゃないんだが。
「セシリア・サウザンド、この姿をお目にするのは何度目かしらね?。」
「三度目ね。私の魅華竜ソリティアが貴女の三つ子の竜に対抗するには融合する前に誘惑するのが得策と解ったわ。三つ子が合わさった時点で戦闘能力は貴女の騎竜の方が上だったから。」
「そう、私のロード種跪伏竜は三竜の力が合わさった時こそ本領発揮する。それを貴女のあの忌々しい魅了誘惑する魅華竜に邪魔されて。まともな戦闘が出来なかった。でも今ならノーマル種相手なら思う存分私の騎竜の能力を発揮できる。たかが水を操れる能力持ったところで完全体となった私の跪伏竜には敵わないわ!。」
『ノーマル種、我々はロード種跪伏竜は元々一つだった。だがあまりにも力が巨大故に誕生する前に肉体を三つわけられうまれてくるのだ。我等はロード種として位置付けられているが。この一体となった姿ならエンペラー種と同等、或いはレア種にも匹敵する。』』
三つ子だった竜の思念も一つと重なり。発する声は一頭分となっていた。
『貴様が水を操れようと我等、いや、我には勝てぬ。』
ギャあああああ~~
ギガああああ~~~
ガギャあああ~~~
三つ頭の竜の咆哮がゴール地点数キロ手前上空に響き渡る。
「跪伏竜の重身か?。あのままセシリア・サウザンドと家のノーマル種のライナが勝利すると思ったが。」
カーネギー教官はスタート、ゴール地点の観客席付近で不機嫌に眉を寄せる。
「でもおかしいのよねえ~。迂回地点にある旗に魔力感知を懸けていたのだけど。エリシャちゃんが通った形跡がないのよね~。」
ぷるんぷるん
ダイナマイトボディの爆乳を揺らしヴェルギル教官は首を傾げる。
「何!?。つまりエリシャ・ハフバーレンは反則、不正行為を行ったというのか?。」
カーネギー教官の眉がぴくっとつり上がり。3つ頭に騎乗するエリシャ・ハフバーレンを睨み付ける。
「こうしておれぬ。決闘のレースはエリシャ・ハフバーレンの反則敗けとすべきだ。」
カーネギー教官はエリシャ・ハフバーレンを反則敗けとし決闘のレースを中断させようとする。
「それは無駄だと思うわよ~。」
のほほんとした天然顔でヴェルギル教官はカーネギー教官を呼び止める。
「どういう意味だ!ヴェルギル。」
ヴェルギル教官は足を止め不快に眉を寄せる。
「エリシャちゃんはこの学園に物資を供給してくれるコネの商会をいくつも持っているのよ~。今進言したところで学園を物質を掌握するハフバーレン家の利権の力で不正行為も揉み消されるのは目に見えているのよ~。」
おっとりした様子でもヴェルギル教官は正論を言う。
「つまりどういう意味だ!?。」
カーネギー教官のイラついた様子で口も荒々しくなる。
「つまり決闘の決着を着けないと何も手はだせないってことなのよね~。それに関してはセシリアちゃんもよお~く考えていると思うけど。」
男好きでおっとりした感じのヴェルギル教官だが。言うべき事ははっきり言う洞察力を持ち合わせていた。
「く、何もできぬとは·····歯がゆいなあ。」
カーネギーは教官としての無力感に悔しげに唇をかみしめる。
「もう、決着ついたわね。重身化した状態の跪伏竜には戦闘では私の風竜のウィンミーでも歯が立たないわ。ノーマル種程度で勝ち目ないわよ。ここまで先頭をきってよく善戦したけれど。」
観客席でセラン眼鏡をずり上げ。キリッとした姿勢で腕を組む。決闘の行く末を正確に判断し分析する。
「カイギス、セシリア・サウザンドに乗るあの1年のノーマル種は勝てると想う?。」
鮮やかかな華麗な金髪を靡かせて。プリンセスのような気品を持つシャルローゼは自分の騎竜である角を生やした執事姿の初老の紳士に問いかける。
「解りません。しかし私は寒気をかんじるのです。」
「寒気?。」
「はい、私のドラゴンの悪寒は強者によって感じるものです。しかし私が強者として感じた寒気はあの跪伏竜ではなく。相手の·····。」
「ノーマル種。」
こくりと絶帝竜カイギスは静かに頷く。
パタパタパタパタ
「ウィンミー、どうかしたの?。」
突然相棒のウィンミーは片翼の形した両耳を激しくばたつかせたことにセランは眉を寄せ困惑する。
「う~ん。何かあの緑のドラゴンに風の精霊が集まっているような気がするんだよ。」
風の精霊に愛されている疾風竜だからこそ。上空に止まる緑の竜の周囲に黄緑の粒子が集まっていることに敏感に感じとっていた。
ひゅうううう こぁおおおーーー
3つ頭の竜を対峙するライナは風の呼吸を行う。
出し惜しみするつもりもなかったけど。ここまで強敵なら話は別だ。もう他の精霊を応用した技を使うしかない。
俺は妖精竜ナティから精霊を呼び寄せる方法教わったが。技として昇華できたのは4元素で。後の二元素は未だ技として完成できていない。そもそも残りの二元素は光、闇という物質にもならないあやふやなものであり。技としては昇華しずらい。光属性のスキルとしては至高竜メリンのビームやレーザーのようなものになるだろうが。生憎、掌からビームやレーザーは出ない。光の精霊を目に見えない気のように飛ばすことが不可能であった。多分まだ修行と訓練が足りないのだろう。
『行くぞノーマル種!。我の力をとくと見よ。』
三つ首の竜口から光が漏れだす。
ブレスを放つ気だろ。
ライナは鉤爪の竜の手に気を練り込む。それと同時に黄緑の粒子も集まりだす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます