第24話 君の胸は熱っち~ち
「優勝おめでとう!。アイシャ。」
「おめでとう御座います。お嬢様。」
「おめでとう御座います。アイシャお嬢様。駄竜も駄竜なりによく頑張りました。」
カーラさん、普通に誉められないんですか?。
俺は微妙な竜顔を浮かべる。
「ありがとう、お父様。リリシャもカーラもありがとう。」
アイシャお嬢様はニッコリと微笑む。
表彰を終え。村広場でマーヴェラス伯爵とメイドのリリシャとカーラに称賛を浴びる。
俺とアイシャお嬢様は無事クリムゾン杯を優勝することができた。これで念願のアルナビス騎竜女学園に入学することができる。
ドシン ドシン
黒丸眼鏡をかけた筋肉質な竜が俺の前に現れる。
ギャドラギャアラギャアギャドラギャア
「優勝おめでとう。見事なレースだった。」
ギャアラギャアガアギャアラギャアギャ
「ありがとうございます。レッドモンドさん。」
目の前の筋肉質な竜は胸板をぴくぴくさせ称賛する。
ギャドラギャアガアギャアラギャアギャドラギャアガアギャアラギャアギャドラギャアガア!
「これでもう私から教えることはない。これから日々精進して筋肉を鍛え上げるのだ!。」
ギャア!ギャアガアギャアラギャア!
「はい!、このご恩一生忘れません!。」
俺はペコリと竜の首を下げお辞儀する。
ギャギャドラギャアガアギャアラギャアガアギャアラギャアガアギャアラギャアガアギャア
「うむ、それとアルナビス騎竜女学園に入学するなら私の知り合いの竜に逢うかもしれない。」
ギャアラギャ?
「知り合いの竜?。」
ギャアガアギャアラギャアガアギャアラギャアギャドラギャアガアギャアラギャアガアギャアガアギャアギャド?
「ああ、今は貴族の騎竜として仕えている。名門の貴族の家と言っていたが。確か名は··シャンゼリゼだったかあ?。····」
シャンゼリゼ····。おお~シャンゼリゼって唄に出てきそうな名だなあ。
ギャドラギャアガアギャアラギャアガアギャアラギャア
「奴はは強い強豪の竜だ。最強の一角にも入る。」
ギャアラギャアガア····
「最強の一角ですか·····。」
不吉なキーワードに俺は少し怖じ気きそうになる。
特にスポ根熱血展開は望んでいないんだが。どちらかと言うと女子生徒のきゃっきゃっうふふの胸を押し付けられるラブコメ展開を望んいるんだけど。まあ俺自身ドラゴンだからラブコメ展開になりゃあしないのだけどね。
ギャドラギャアガアギャアラギャアガアギャアラギャ!
「それじゃ達者でなあ。またいつか何処かで逢おう。」
ギャ!ギャガア
「はい!お元気で。」
ぴくぴく ぴくぴく
レッドモンドさんは筋肉の胸板をぴくぴくと震わせ。筋肉の背中を魅せて尻尾を振って去っていく。
周囲の人は気味悪そうに退いている。
「あの気色悪いドラゴンと二度と逢わないと思うとせいせいします。」
「駄目ですよカーラさん。アレでも一応ライナの師のなのですから。」
カーラの辛口にリリシャが釘を射す。
酷い言われようだ。
マーヴェラス伯爵とメイドのカーラとリリシャは身支度をして先に荷馬車で帰省する。優勝した証拠である賞状と戦績表をアルナビス騎竜女学園に提出するためである。
「では私達は先に帰って学園に提出書類を送るよ。入学記入用紙に騎竜がノーマル種と記入するけど問題ないだろう。証拠である賞状と戦績表があれば認可される筈だ」
「はい、お父様。」
「では、アイシャ、ライナ、レースで疲れているはずだからゆっくり帰るといい。では」
ガラガラ
マーヴェラス伯爵とカーラとリリシャが乗った荷馬車が離れていく。
俺とアイシャお嬢様は少し休んでから飛んで帰るつもりだ。
村の入り口で翼を休めているとスカーレットの赤髪短髪の少女と燃えあがるような長い深紅の赤髪と角を生やした真っ赤なドレスの女性が此方にやってくる。
赤ドレスの女性は前に逢ったような勇ましい覇気はなく。力を抜けたようにしおらしくなっている。
スカーレットの赤髪の少女から声をかける。
「アイシャ・マーヴェラス、優勝おめでとう。」
「あ、ありがとう····。」
アイシャお嬢様はぎこちなく返事をする。
疑念の視線を送る。
炎竜の騎竜乗りレインとはライバルであり最初の出逢い印象が悪かったから致し方ない。
「そんなに邪険にしないで貴女に言ったことを弁解しにきたの。」
「弁解?。」
「そう、貴女のノーマル種は強いわ。炎竜の魔法も技すらも全て退いたんですもの。だから弁解するわ。貴女のノーマル種は上位種に渡り合うほど強い。私は正直に認めるわ。」
レインの言葉にアイシャお嬢様がぐっと泣くのを堪えているのが解った。それもそうだろう。無理だ諦めろだと言われ続けて4年間の努力の末にやっと実ったのだ。アイシャお嬢様と俺がクリムゾン杯に優勝し。上位種に勝利したことはそれほどおおきいことなのだろう。このレースだけではない。今後の学園での上位種の竜達の対決に大きな足掛かりになるのだから。
アイシャお嬢様はドラグネスグローブで目を覆うように拭う。
「ありがとう。レイン・ルポンタージュ。」
「貴女騎竜学園に入学すると言ってたけど、何処の学園?。」
「アルナビス騎竜女学園です。」
「そう、私もそろそろ学園に入りなさいと親が五月蝿いからねえ。もう私も十五歳だし。私もその学園に入ることにするわ。」
「えっ?。」
「これから同級生ね。宜しく。」
「よ、宜しく···。」
レインという貴族の娘はサッパリした性格のようだ。決断力も早いようだ。
「それとガーネットが貴方に用があるそうよ。」
魅惑的な赤ドレスをきた女性はとぼとぼとゆっくりとした足どりで前に出る。
「ああ、何だ。ライナ、我の完敗だ。我等炎竜族は上下関係を重んじる。敗者が我で勝者がお主だ。故にお主に我に好きなことを命令する権利がある。」
炎竜ガーネットは堂々した威厳が抜けて初々しい感じになっていた。
ギャアラギャアギャギャア
「そうか、じゃ約束通りに。」
胸を押し付けられるチャンスが舞い込み。俺は浮き足たつ。いよいよあの赤ドレスに包まれた豊満な情熱的な張りのある胸をこの俺の竜の背中に押し付けるときがきた。
「だが、本当に善いのか?。勝者であるならば我を好きにしてもよいのだぞ。一夜を共にすることも吝かではない。」
ギャアラギャ!
「それは結構です!。」
俺はハッキリと断りを入れる。
人間に変身できないのだから実質竜同士の交尾になるだろうし。俺はそんなことは望まないし。やりたくもない。
「そうか····では。」
俺は翼を広げ背中をみせる。
ガーネットは少しがっかりした様子で赤いハイヒールを脱ぎ捨て。赤ドレスのスカートからのぞくすらりとした長い脚をおりまげる。膝を曲げ跳躍する準備をする。
「では、とぅ!。」
とぅってライダーかよ!と内心突っ込みいれそうになる。
むぅにゅ~ううぅぅ~♥️
押し付けられるガーネットのおっぱいの弾力が緑の鱗の肌に感じる。
嗚呼~~♥️これだ~~これ♥️。俺はこの為に生きている~♥️。
尻尾を振り緑色の竜顔が恍惚に染まる。
ガーネットの二つの膨らみは弾力と柔らかさが凄かった。ゴムような張りのある弾力と低反発のような包み込む柔らかさを兼ね備えた膨らみであった。ゴムは普通に反発するのだがガーネットの胸は反発と包み込む柔らかさが同時に重なった未知の感触だ。
ええ~~とてもええがなあ~。
関西弁なるほど心地よい。
何だか段々と背中がぽかぽかするなあ~。
段々と俺の竜の背中が何だか温かくなっているような気がした。
何だか暖くてぽかぽかして···いや、ぬるい?いや熱い?···あつ··あちっ···熱ちちちちっ!
ギャアアアあああああああーーーーー!!
「熱っ!ちいいいいいいーーーーっ!!。」
俺は勢いよく飛び跳ねる。
ボオオオオオッ‼️
背中に炎がのぼり。
俺はあまりの背中の熱さに人化のガーネットを乗せて周辺を駆け回る。
「ら、ライナっ!?。」
「ちょ、ガーネット!。」
レインも状況を察したのか止めに入る。
「嗚呼、すまんすまん。」
ガーネットは俺の背中から直ぐに跳びはね離れる。
俺は猫背の姿勢でうずくまる。
アイシャお嬢様は俺の背中の火傷を冷ますようにふぅふぅしていた。
意味があるのか解らないけれど。
背中が焼けるかと思った。
『久しぶりにオスの鱗に触れたのでなあ。どうやら体が火照ってきてしまったようだ。何ならこのまままぐわっても構わぬのだぞ。』
ギャ、ギャアラギャアギャ
「て、丁重にお断りします。」
俺は猫背になりながら断りの返事をする。
冗談じゃない。炎竜の火照りがあの熱さならもし交尾しようものなら俺の竿が焼け焦げてしまう。使うつもりはないが。使いものにならなくるのは非情に困る。
炎竜という種族を背中に乗せるとこれほどリスキー背負うのだとしみじみ実感する
今度から特に属性寄りの騎竜には背中を抱きついてもらうときには気をつけよう。
レインと炎竜ガーネットに別れの挨拶をすませ。俺とアイシャお嬢様は帰路につく。
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