第22話 Boinパワー
ライナが大岩を壊すほどの不思議な力を黒丸眼鏡をかけた筋肉質の変な竜に教わっていたのだと理解した。私は私で騎竜乗りレインと炎帝ガーネット、炎帝との再戦を考えていた。炎竜が使う獄炎噴の翼のスピードにどうやってついていけばよいのか模索していた。ライナが大岩を壊したり。翼で起こす突風で木々を薙ぎ倒す力があっても炎竜の獄炎噴の翼に勝るスピードがある訳じゃなかった。闘う術があっても競り合う程のスピードがなかったのだ。身体が鍛えていても特殊なスピードは追い付く程の飛行はライナにはなかった。飛行スピードだけは伸び悩んでいた。メイドのカーラから鞭で叩いてみてはと提案されたけど。ライナは首を左右におもいっきり振って拒否反応を起こしていた。私もライナを鞭で叩くのは嫌だったし。そんなことでライナの飛行スピードが速くなるとは思えなかった。何故かカーラはおもいっきりがっかりした様子だったけど。何でかなあ?。
それでも諦めきれなかった。何度かライナの飛行能力を確かるために飛行訓練を行った。三年が経ち。私の身体は色々と成長した。特に胸の辺りが急激に膨らんでいるような気がした。正直この膨らみは私にとって飛行の邪魔でしかなかった。膨らめば膨らむほど重くなるだけだし。そうなったらライナの飛行スピードも落ちると思った。私の胸の膨らみはレースの障害になるとあの時はそう思っていた。私の胸の膨らみの成長がある程度落ち着いた時にライナとまたマーヴェラス領内上空で加速飛行を行っている途中ライナの飛行が急激に上がる瞬間があった。
翼を扇ぎ平常飛行しているときにとある瞬間に急激にスピードがはねあがるのだ。それは三区間も空間の開きがあるほどだった。何故かなあと疑問を感じて何度か飛行を繰り返す内にその原因が解った。加速飛行する最中に私の膨らみすぎた胸がライナの背中にあたり押し付けられた瞬間に急激に加速するのだ。ライナは昔から背中に抱きつかれるのが好きだった。道具屋のセレアさんやメイドのリリシャ、マンゴスチン杯で対決した革鎧の騎竜乗りのマーナさんに抱きつかれたときもとても喜んでいた。でも私は気付いた。ライナが一番喜ぶのは胸があたる瞬間。押し付けられる瞬間に喜ぶのだと覚った。ライナがもっと加速させるにはこの成長した膨らみ過ぎた私の胸を活用するしかない。ライナが胸に反応するならばこのレースに役にもたたないと思っていた胸を上手く活用できるかもしれない。ライナの飛行の加速スピードが上がるかもしれないと確信はあった。
そしてライナが最も加速させる飛行方法を私は身に付けた。
スリスリスリスリ
ギャあああああああーーーーーっ!!!
〘オパパッイーヨ!!オパパッイーヨ!!オパパッイーヨ!!。〙
ライナは緑の翼が大きく羽ばたく。黄色の粒子を放ちながらファイアーマウンデー山の岩壁上空を光速並みのスピードで追い上げていく。アイシャの胸の膨らみが左右にリズミカルのようにバランス良くライナの背中に触れて擦れる。
『おおっと!これは凄い!凄過ぎる!。いったいぜんたい何がおこったのかっ!?。アイシャ・マーヴェラスが身体を左右に揺すり始めた途端ノーマル種のライナが尋常ならざるスピードで次々と他の騎竜達を追い抜いていく!。炎竜ガーネットの獄炎噴の翼さえ形無しと思えるほど速い!速い!速すぎるううう!!。』
実況するコマネチが興奮しながらマイクをとる。
わーーー わーーー
観客席から歓声が響く。
『ンパポー!。これが火の精霊様の歓喜の理由。有り得ぬ。ノーマル種に火の精霊が祝福しておるのか?。』
レースの状況を観ていた族長ンパポは額から汗が流れ落ちる。
「「族長!族長!族長!。」」
ペイントの裸体の若者が心配して駆け寄る。
『皆のもの静かに見届けよ。こよい有り得ぬ存じぬ見知らぬ奇蹟を垣間見ようぞ。』
真顔に真剣な眼差しを族長ンパポが見据える。
放送席にて族長ンパポに集めるペイント裸体の若者達に静かな静寂が包んだ。
観客席の後部の壁際にもたれ掛かる筋肉質の黒丸眼鏡をかけた竜は筋肉の胸板がびくんびくんと激しく脈打つ。
牙の口がニヤリと緩む。
集気法の活性化の爆発、それは吸収された体内の気の循環がとあるトリガーにより爆発並み活性化を促す現象。使っていない筋肉と本来ある体内の気と空気中に漂う自然の気が交じりあい。爆発することでライナの体内から超人的な力を引き出す。私のトリガーはこのみなぎる筋肉だが。ライナのトリガーは女性の胸の膨らみ、つまりおっぱいである。偶然か必然かライナの騎竜乗りアイシャ・マーヴェラスの胸が成長し。大きくなったことでそれがライナの活性化を促すトリガーとなった。そしてアイシャ・マーヴェラスは自らの身体がライナの力の源、トリガーであることを自然と知り実行した。胸を押し付けるだけではなく。擦りつけることでライナの底に眠る潜在的能力を最大限まで引き出すことに成功した。それは正におっぱいパワー···いや、Boinパワーというべきか····。
びくんびくびくびくん
レッドモンドの筋肉の胸板が乳首含めて激しく小刻みに脈打つ。
ふっ、ライナの飛行をみていたら昔のことを思い出したよ。血汗脇踊るあの頃に···
私の胸の筋肉も乳首もびんびんと膨れ上がり喜んでいる。
びっくんびっくん びくびく
レッドモンドの胸の筋肉と乳首が小刻みに震える。
「ママ、あの竜変だよ。」
クリムゾン杯を観戦しにきた観客の一人である幼い少女が筋肉の胸と乳首が小刻み震えている竜に指を指す。
「観ちゃいけません!。」
母親は教育上宜しくないもだと瞬時に覚り娘の顔を覆う。
サッ
関係者だと思われたなくないので後部座席に座っていたマーヴェラス伯爵とメイドのカーラとリリシャは黒丸眼鏡の筋肉質の竜から数マス席を離れた。
先頭
ギャああああああああああああああーーーーーーー!!!。
「オパパッイーヨ!!オパパッイーヨ!!オパパッイーヨ!!オパパッイーヨ!!オパパッイーヨ!!オパパッイーヨ!!オパパッイーヨ!!オパパッイーヨ!!オパパッイーヨ!!」
ゴオオオオオオーーー
翼と尻尾から炎が噴射された飛行で炎竜ガーネットとレインはレースコースのファイアーマウンデー山の裏側にまで到達していた。
『ん?レイン変な声が聞こえぬか?。』
「変な声?。」
スカーレットの短髪の赤髪が揺れレインは首を傾げる。
『嗚呼、竜の咆哮のようなのだが意味不明な言葉を連呼して叫んでいる。』
「意味不明?。」
『そうだ。オパパッイーヨっと何度も言っているのだが。意味が解るか?。』
「私に解るわけないじゃない!。それよりレースに集中して!。ゴールまで残り半分よ。」
『嗚呼、すまない。たんなる幻聴のようだ。気にしないでくれ。』
炎竜ガーネットは気のせいだと思い首を戻しレースに集中する。
オパパッイー!!ヨオパパッイー!!ヨオパパッイーヨ!!オパパッイー!!ヨオパパッイーヨ!!
いや、これは幻聴ではない段々と後方から声が大きく近づいてきているような···。
みるみる意味不明な竜の叫びが後方から近づいてくる気がした。
ガーネットは恐る恐るその紅い竜の長首を曲げる。
ギャあああああああーーーーー!!
「オパパッイーヨーー!!。」
ひゅ
『何っ!?。』
ガーネットの首を曲げた直前隣から緑の鱗に覆われた竜が飛び出しそのままガーネットの紅い図体を一瞬で横切った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます