第13話 燃え上がる炎
わあーー! わあーー!
『さあ!今宵もやって参りました!。私実況を務めさせて頂きますコマネチと解説はこの
焔舞祭を主催するこの村の族長ンパポさんです。』
『ンパポー。』
『ンパポさんこの焔舞祭は何を祝う祭りなのでしょうか?。』
『ンパポーパポーポロリポロリボインボインズッコンバッコン、ア、イヤンイヒヒヨイデハナイカヨイデハナイカアーレー。』
『なるほど火の恵みを与えてくれる火の精霊の感謝祭なんですねえ。ご解説ありがとうございました。』
『ンパポー!。』
クリムゾン杯のレース会場から魔法具の放送が流れる。
ちょっと待てええええいい!!。
俺は竜の雄叫びをあげ突っ込む。
今の解説どうみてもお可笑しいだろ!。本当に火の精霊の説明していたのかよ。最後の台詞なんかどうみても日本語だろうがああああ!。
焔舞祭のクリムゾン杯の実況と解説は突っ込み所満載であった。
クリムゾン杯のスタート地点は村の住人が崇める御神山手前であった。火の精霊の加護があると言われるファイヤーマウンデーの山をぐるりと一周してスタート地点まで辿り着ければよい。スタート地点がゴール地点になっている。
ファイヤーマウンデー山のスタートゴール地点である発着地点に騎竜乗りと騎竜が集まっていた。アイシャお嬢様に関しては瞳に炎をめぐらせ闘志を燃やしていた。スポ根かよと思ったがよく考えるとある意味スポ根であった。
発着地点の先頭にはあの妖艶の印象な絶世の美女ガーネットが竜の姿に変わり。貴族のスカーレットの短髪の令嬢レインがまたがっている。
ガーネットの竜の姿は燃え上がる炎のように紅く染まっていた。炎竜と言えるに相応しい竜である。性格はちょっときつ系ではあるが。
ルイードの言っていた炎竜と貴族はあの炎竜ガーネットとレインで間違いないのだろう。確かにはなっから俺達のことを敗北することを決めつけていた。ノーマル種は上位種に絶対に勝てないと決めつけているようなのでその鼻っ柱を折るつもりだ。見てろよ!ノーマル種の根性みせたる!!。
ドンドコドンドコドンドコ
村の住人が太鼓を鳴らし始める。
騎竜乗りを乗せた騎竜達は皆身を低くし翼をばたつかせたので太鼓を鳴らす合図が開始が始める合図だと理解する。
ドンドコっドンドコっ ドドン
ペイントを肌に塗られた原住民のよな村の住人が太鼓を打つのを止める。
『さあ、いよいよクリムゾン杯は始まろうとしています。』
『ンパポー!。ウホモラルアンモラルアブノーマルシタペロペロ。』
『族長ンパポさんも火の精霊がレースに歓喜していると申しております。』
相変わらず言語が気持ち悪くて意味不明だ。
村の住人の一人が高台に登り首にかけていた角笛を持ち上げる。吹き口に唇をあてるとおもいっきり吹き上げた。
パオ~~~~~ン
バサッバサッバサッ
騎竜が一斉に飛び立った。
アイシャお嬢様が俺の背中にあてているドラグネスグローブの手を力を強めた。
何がなんでも炎竜ガーネットと貴族レインに一泡吹かせたいようだ。物凄い勢いで目の前の騎竜を追い越す。
先頭に飛行していた炎竜ガーネットとレインもすんなりと追い越した。
だがレインと炎竜ガーネットは追い抜こうともせずに寧ろ段々と後退していく。
いつの間にかレインが乗る炎竜ガーネットは飛行する騎竜達に追い抜かれて最後尾まできていた。
何の真似だ。あれだけ啖呵切っていて実はノーマル種より弱かったという訳じゃないはずだ。
···まさか!?手を抜いているのか·····?。
···········。
ここまで舐められると腹立つ以上に腸が煮えくり返る。
いいだろう。あんたらがそこまでやるんなら先頭をブッチ抜いて一着をもぎ取ってやる。
逃げ竜の神髄みせたる!。
バァサッ
緑の翼を広げ先陣を切るように先頭に突き抜ける。後方にいた他の騎竜も遠く離れていく。
最後尾の更に離れて優雅に飛行する炎竜は紅い翼を扇ぎ飛行を維持していた。
「もうそろそろいいんじゃないの?。ガーネット。」
炎竜ガーネットの股がり騎士用の籠手型のドラグネスグローブを背中にあてているレインは問いかける。
ガーネットの紅いくちばしがニヤリと不適に笑う。
『ああ、もうよいな。ここまで離して敗北すれば身の程と力の差をアホでも理解できよう。』
レインはスカーレットの短髪の頭を振る。
「悪趣味ねえ。ノーマル種と上位種の力の差を理解させる為にわざと最後尾の更なる後方から追い越こうというんだから。」
『ふん、ノーマル種が上位種に勝てないことを理解させるためにもその方が手っ取り早かろう。ここまで離したとして敗北するのだから諦めがつくというものだ。』
「その代わりあの娘には消えない傷を付くかもね。」
『人間の娘とはかも弱いのう。その程度で傷付くなど。我が炎竜族のメスは皆気高き凛々しくたくましいのに。』
「あんたら竜族のメスと人間の女性を一緒にしないで欲しいんだけど。」
レインはため息を吐く。
自分達の行いで彼等がどれだけ傷付くと思うと心が億劫になってくる。
「それじゃ、ガーネット。やるわよ!。」
レインは仕切り直しドラグネスグローブの籠手の両手を大きく開き身を低くして密着する。
『嗚呼、我が偉大なるエレメント種てあり炎竜族の力をとくと見るがよい。貴族の小娘とノーマル種よ!。』
紅の翼が広がるそこに赤い粒子の光が集まりだす。
紅い翼に集まりだした赤い粒子が圧縮すると炎が上がる。
炎は翼は伝い尻尾の先まで行き渡る。
騎乗するレインは炎の熱さなど微塵も感じていなかった。
尻尾をピンと伸ばし。爪の脚の爪先を後方に曲げる。
尻尾の先に炎が膨れ上がった。
『火の精霊の加護があるこの山で我が炎竜に敗北などあり得ぬ。』
紅い尻尾から膨れ上がった溶解熱のような炎が一気に後方に噴き出した。
紅い翼からも炎が放たれる。
ぼおおおお ドオオオオオオーーー!!!
炎竜の翼と尻尾がまるでジェット機の噴射口のように放たれた。
スカーレットの赤髪の少女を乗せた紅い竜は熱くたぎった噴炎を後方に撒き散らせ。ジェット並みのスピードでファイヤーマウンデー山のレースコースの猛スピードで突き進む。
ドゴオオオオオーーーーーーっ!!!
紅き竜は炎の翼を纏い。火柱のような熱炎を後方に撒き散らせマッハに追い上げる。
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