第491話夢か現か幻か? それとも




 ※フーナ視点



「うわ――――んっ! もう許してぇっ! 全部謝るから、観念するから、だからもう止めてぇ――っ! うわ――――んっ!」


 蝶の英雄さまと呼ばれるお姉さんが、私の目の前で子供のように泣きじゃくっている。 


「うぇっ? え~、どうしようかなぁ? な、ならお姉さんが孤児院で飼ってるっていう、幼女たちを少しわたしに分けてくれないかなぁ? なんてね。そうしたら許してあげるよぉ。ね、だから泣かないでね? よしよし」


 フライの魔法で浮きながら、慰める様に頭を優しく撫でて、さり気なく交換条件を出す。


 でも内心ではかなり驚いてる。 


 あの凛々しかった英雄さまが、こんなにも可愛く泣いちゃうなんて。

 ギャップ萌えってやっぱりいいなって、変な事も思っちゃったり。



「うえ~ん、でも、でもぉ、みんなはかなり高価なおもちゃで、私もまだ遊んでいない子もいるんだよぉ~、だからもう少し待ってよぉ~、飽きたらあげるからぁ~っ!」


「えっ! やっぱりそうなんだっ! あそこは孤児院って言う名のハーレムなんだっ!」


 言ってみるもんだ。


 メドから聞いた話の通りに、このお姉さんは孤児院で幼女や美少女を飼っている。

 しかも今の話の流れだと、とっかえひっかえ楽しんでいるみたいだ。


 その状況はもう、酒池肉林って、言うんじゃ…… 

 幼女や美少女たちが、毎日選り取り見取りの、贅の限りを尽くしているんじゃ。



「あ、で、でもやっぱり今のなしっ! 違うのにするっ!」

「うえ? ひっく、なんで?」


 腕をバツにして、発言を取り消す私を不思議そうな顔で見るお姉さん。

 涙目のままで、可愛く小首を傾げる。



「う~、なんかよく考えたら、お姉さんと戦った理由と矛盾しちゃうんだよね~、だから違うのにするよ」


「ひっく…… そうなの?」


「うん、そうなの。だから―――― ぐふ」


 チラと、華奢な胸周りと、黒のドレスから覗く細い生足を盗み見る。


「だから今度はじっくり中身を見ていい? さっきは驚いて堪能できなかったんだよね~。白と黒の二人も良かったけど、やっぱり今のお姉さんがいいからねっ!」


「……………………」


「じゃ、じゃないと、いじめちゃうよ? どう?」


 急に真顔になって、私を見つめるお姉さんに、恐る恐る催促する。

 これが鬼畜な脅迫だってわかっているけど、欲望と言う好奇心を抑えられない。

 私はいつだって自分に正直なのだ。


 だけど、それを聞いたお姉さんは、


「………………コク」


 ちょっとだけ赤くなりながら、上目遣いで小さく頷いてくれた。


「え? ほ、本当にいいのっ!」


「うん。それで許してくれるなら」


「お、お触りはっ?」


「いいよ」


「マジっ!?」


「う、うん」


 ペラ


「ふぁっ!?」


 いきなりの事で思わず変な声が出た。


 だって蝶のお姉さんが、なんの前振りもなくスカートを捲ってくれたんだもん。

 Tバックから生える、白く細いおみ足と、小さなおへそが豪快に見えた。


「うう~」


 しかも、恥ずかしいのか、スカートの端を口に咥えて、涙目なのが超絶に可愛い。 

 

 そんなご馳走が目の前に会ったら、勿論――――



『はぁはぁはぁ、じゅる』


 ダダダッ


「うひゃ――――っ!」


 ガバッ! 


「きゃっ!」


 辛抱足らずに、いきなり抱き着いた私に驚いて、これまた可愛い声を上げるお姉さん。

 そんなお姉さんの声が、更に私のテンションを上げていく。



「うぴゃ――――っ! ツヤツヤスベスベツルツルだぁ~っ! 感触も張りも最高だぁ~っ! 弾力があるのに柔らかくて、最高の触り心地だぁ~っ!」


 お腹に顔をべったり付けて、思いっきりスリスリする。

 それとは同時進行で、後ろに回した両手は、小さいお尻をサワサワする。


 むにむに


「………………」


「うほ~っ! な、何これぇ? まるで手が吸い付くように離れない~っ!」 


 ぽよぽよ


「………………」


「さ、さて次は、いよいよ――――」


 お腹に頬を密着させながら、視線だけを上にあげる。


『………………ゴク』


 思わず喉を鳴らしてしまう。


 そこには控えめに主張する、真っ白でなだらかな双丘が目に入ったから。

 そしてその先端には、色素の薄いピンクの小山が、可愛くその存在を主張してたから。



「い、いただきま――――――すっ!」


 失礼のないように、食前の挨拶をしながら、薄い膨らみの頂を目指して両手を這わせていく。


 ぷに


「っ!」ピクッ


 ぷにぷに


「っ!?」ビクッ


『うひひ~』


 そっぽを向いて顔は見えないが、敏感に反応しているのが体越しに伝わる。

 そんな顔も見たいけど、今は全神経を手の平に集中する。


 ぷにぷにぷに


「ひっ!」


「あひゃひゃ――――っ! こんなの初めてだよぉ~っ! メドもアドもエンドも触らせてくれないもんっ! いつも邪魔が入ってずっとお預けだもんっ!」


 あまりにもの感動に、我を忘れてお姉さんの体に没頭する。

 人生で初めての感触を、脳だけじゃなく、全身に記憶させるために。



「ま、まるで夢みたいだぁ~っ!」


 良く晴れた青い空に向かって、思わず叫んだ。


 自然と出たセリフがそれだった。

 心の底からそう思った。

 もうこのまま死んでもいいとも思った。 



 現実と夢の区別がつかないほどに、このお姉さんに夢中になった。



「でゅふふ~っ! 次はTバックを脱がせてぇ~、直接―――― ん?」


 なんだけど、ポンと肩を叩かれて、次の一言で現実に戻された。

 


((あのさ、どんな夢見てたのかは知らないけど、そのだらしない顔は誰にも見せない方がいいよ? フーナが好きな幼女だけじゃなく、大人だって引くからね))



「……………………へ?」


 どういう事?




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