アースティア大戦史・歴史紀行・第19回
シベリナ地方王国連合同盟を構成する国家の一つ、それがラクロアナ王国です。
元々はユールッハ地方の端っこに在った国家の一つが300年前に逃げ伸びで建国したのが始まり。
世界最大の大陸ユーラシナ大陸東部であり、シベリナ地方の東部でもある。人口が凡そ400万人、国土面積は大よそ700km²で、気候が日本の関東・東北に近いと言われて居ます。
しかしながら、国家を支える金銀銅の鉱山と鉄の鉱山も多数を抱えて居り、ファンタジー世界の国家としてはあまりにも普通の国家なのでパッとしないと国家と言えるでしょう。
首都であるアデニューム市は国土の中央に在って、北西にドラグリア山脈が広がって居ます。
その山脈から大河であるドナルク川が流れ、幾つもの湖を経てロアナ湖を通って下流へと注いで居り、そのロアナ湖の湖畔近くにアデニューム市は在ります。
国土の南部にはパイプ・ライン大河を挟んで二つの貿易拠点の都市が二つ在って、北部にグラッグ州のゼングリラ市と南部のシャン・ライア州領のロウデニィオン市です。
シャン・ライア州はラクロアナ王国の飛び地にして、無主の土地で無開拓だった土地を対帝国の防波堤として100年掛けて開拓した地方です。
政体は国家元首を筆頭に宰相府を筆頭に次に元老院、その下に官僚機構を敷いて居り、爵位は勲功受賞制度を採用して居て、権力的な意味合いは無い。
中央集権制で中央から州知事が派遣されて来るが、普通選挙制度や民主主義と言う考え方が無いので、国家試験をパスして5年から10年ほどの実務経験と政治経験が無いと、特定の上位初句元老院の議員に就けない制度に成って居ます。
中央集権制で中央から州知事が派遣されて来るが、普通選挙制度や民主主義と言う考え方が無いので、国家試験をパスして5年から10年ほどの実務経験と政治経験が無いと、特定の上位初句元老院の議員に就けないのである。
軍は陸軍と最近になって沿岸と河川の防備に当たっていた水軍を海軍と警備隊に分けて整備されたばかりである。
海軍と言っても、出来たばかりなので、ちゃんとした物ではなく、それに共同作戦と言う考え方は有っても、統合運用の概念はまだ無い。
これは何処の国でも、その発想に至っていない為なのと、長距離通信技術が未熟な故である。
ロアナ湖畔に聳え建って居る建物こそ、灰色の石材を使い、屋根が赤く染まって居るのが、ラクロアナ王国王城であるカリマンシェロ城。
日本じんからすれば、地球世界のヨーロッパ地方に良く見られる形式のお城と言える様相を呈して居る建物と言えるでしょう。
当時ラクロアナ国王で在ったのは、レビル・アブヒム・ラクロアナ国王でありました。
しかしながら、この時のレビル国王は長く国政に携わる疲労から中程度の過労から来る病気に悩まされて居たと言います。
レビル王は腰と過労に長年の間、悩まされて来た人物で、余り戦場には出て居ないが、政務と来れば大半が座り仕事であったらしく。
腰痛と寝不足が多い仕事柄の為か、60歳を迎えた際には、遂に国王の身体は悲鳴を上げたと言われて居ます。
レビル王が此処まで踏ん張って居たのも、1人娘で次代の女王となるフランシェスカ・アブヒム・ラクロアナ王女殿下が居たからなのです。
当時の彼女は20歳でした。
あと数年もすれば王位を譲られるだろうと言われて居ましたが、国王が年老いてから生まれた王妃は、余りにも不憫な時代に生まれ、王国の後を継ぐには、遅過ぎるとも言われて居りました。
レビル国王の妻であるジェシカ王妃は産後の具合が悪くなり、フラン王女が生まれてから一年で亡くなっていた。王妃の亡くなった当時の年齢は35歳でした。
せめて男子が生まれて居たら、王妃が生きて居たらとも言われて居ましたが、二人は結婚してから10年も子宝に恵まれないと言う悲運が続いて居た事もラクロアナ王国の悲運だったことの一つと言えるでしょう。
年老いて生まれた跡継ぎに、多くの臣下と国民は不安視して居ましたが、レビル王はあと少し、あと少しと、言いつつ、愛娘が25歳を過ぎるまでに国政の引継ぎと婿探しを済ませる積りであったそうです。
そん中で日本国がアースティア世界へと異世界転移して来ました。
それもラクロアナ王国の南西部にです。
それは不運続きであったこの国に取って、とても幸運な出来事でした。
またフラン王女は、コヨミ皇国第一皇女である紅葉とも交流の深い親友の一人であり、日本国と国交を結びませんかとの手紙をレビル国王への親書と共に送って居る。
現在その手紙は、ラクロアナ王国アースティア大戦終戦記念博物館に飾られ、大戦終結へと向かう事に成った貴重な文章の一つとして、広く市民や観光客に公開されて居る。
それと紅葉皇女が写った写真と彼女自らカメラで撮影した日本の風景の写真も在り、それと同じものが高見家にも残されて居り、高見家アースティア大戦終戦英雄戦記念館でも公開されて居る貴重な資料とされて居る。
中でも紅葉が長崎デートと言い張って居る竜史とのツーショット写真は、彼氏が出来たよと自慢したかった側面が在ると歴史家は見て居るとされて居ると言います。
ラクロアナ王国と日本国との繋がりは、紅葉皇女と竜史の尽力により、今も続いて居る友好の懸け橋なのですが・・・・・・・・・・・・・
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