アースティア大戦史・歴史紀行・第17回

ダバード・ロード王国。


 シベリナ地方王国連合同盟内に措いて、同じ同盟諸国であるオローシャ帝国と 一、二を争う程の経済・軍事力を保持して居る大国の一つで、アースティア大戦を終わらせるに至った大国の一つとされて居ます。



 同時代の戦争を終わらせた国家元首の一人と言えば、アーヤ・シュチュ―ド女王の名を上げる事でしょう。


 当時26歳で、とても先見性を持った人柄を伺わせる政策と安全保障政策の数々の建策を打ち出し、それらを実行に移す手腕はアースティア大戦史を語る上では欠かせないものと成って居ます。




 その中でも日本国内からの中小企業の誘致に加え、モトダ技研工業・カワカミ重工・ヤマナ発動機・スズノキ自動車工業と言った日本国内でもバイクメーカーとして知られる4会社による分割進出政策は、ダバード・ロード王国の工業発展を大いに躍進させたとされて居ます。



 その切っ掛けと成った出来事として、世界共通暦・アースティア暦1000年・4月20日。



 この日、魔法と魔導技術大国であるダバード・ロード王国は、国家元首たるアーヤ・シュチュ―ド女王を中心に、異界から現れたと言う国家、日本と言う国に対して、どう対応すべきなのか?




 また、彼の国と国交開設をするのか如何かを話し合うべく、必要な首脳陣や官僚らを緊急招集して会議が行われました。



 ですが、会議室では若手閣僚と官僚幹部とベテラン閣僚と官僚幹部との間で激論が数時間に渡ってぶつけ合う大激論と成ります。



 しかしながら、その情勢を一変させた物が在ります。


 それが日本国が各国の政府と大使館宛に配った日本に付いて書かれている文面と各種紹介写真が載せられて居る分厚いカタログの様な紹介本の登場により、ダバード・ロード王国王政府閣僚らは、取り敢えずは日本国と国交樹立を目指す事で一致したのです。


 特にアーヤ・シュチュ―ド女王が主張したのは、ローラーナ帝国と戦って勝つには、国内の工業力と技術力。


 更には経済基盤の底上げし、経済・技術ともに帝国を上回る必要が在ると閣僚・官僚幹部らに説きます。


 それには日本国の重工業株式会社の力が必要不可欠だとも合わせて主張したと言います。


 当時、アースティア世界に措いて、最新鋭の兵器と言えば、魔導力技術を応用した戦艦を始めとるす艦船兵器と魔導騎兵と呼ばれたロボット兵器をどれだけの数を生産配備し、如何にして揃えられるのか?が課題と成って居た言います。




 ですが、当時のローラーナ帝国と反帝国同盟諸国との力の差は6対4と言った具合に、反帝国同盟諸国の軍事生産力と経済力が圧倒的に差が付いており、これを如何にかしなければ勝つ事も儘為らないのでした。



 其処でアーヤ女王が目を付けたのが、当時ロボット技術力で最先端技術力を持って居たモトダ技研工業でした。


 中でもアーヤ女王が目を引いて居たのが、モトダ技研工業が誇るロボット、アッシモダと言う自立式二束歩行型ロボットでした。


 この技術力を応用出来れば、魔導騎兵性能に技術革命を起こせると思い至った言います。


ですが、此処で問題点が一つ有りました。


 それはダバード・ロード王国には、日本国と取り引きが出来る様な物が無いかもしれない事と自立式二束歩行型ロボットの技術力と引き換えにする様な技術力が在るのかと言う問題点でした。



其処でアーヤ女王は思い切っった方法を取ります。


それは自国の魔導兵器を日本国に譲渡する事と国内に在る鉱物資源の採掘権。


 それに加えて、同盟諸国と連携して、食料自給率が悪い日本国に向けて、食料を輸出させる事で、両勢力の均衡を保とう言う手段を取ります。


中でも石油や天然ガスは、今現在でもダバード・ロード王国の特産輸出物であり、この国の経済力の3割5部を支えて居ると言われて居ます。


 これらの政策のお陰で日本国の中小企業と重工業メーカーを誘致し、国内に在る既存の商工会を巻き込んだ産業革命は、ダバード・ロード王国を躍進させた原動力である事は、ダバード・ロード王国の歴史に名を刻む出来事で在りました。

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