外伝55話 動き出すデモニュクス帝国・魔族連合国編 10

アースティア歴1000年・西暦2030年・6月10日・午後20時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・関東地方・日本国首都・東京都 ・東京都内・江東区・聖川恵梨香の自宅・聖川家・聖川恵梨香の自室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 西暦2030年5月27日に星都城内にて行われた日暦外交会談に措いて、コヨミ皇国政府からの要請で、日本国自衛隊の実力を見せて欲しいとの要望を受けた日本政府は、その要望に応えるべく準備が進められて居た。


 それと同時にシベリナ連合各国からも国交開設に向けた外交会談会議の要望も寄せられて居た。


 日本政府と交援省は、どうせなら全部まとめてやった様がコストダウンと国交開設条約が同時に出来てらくじゃね?


 てな感じで東京サミット2030・IN・アースティア世界平和交流会議(仮)と言う題名を付けて、交援省と外務省が主体と成り、準備が関係各省庁にも協力体制を敷いて万全を期して望んでいた。


 因みに東京サミット2030・IN・アースティア世界平和交流会議と言う題名は、6月に入るギリギリに成ってから決められた題名であった。


 だが、とある問題がこの時期に発生してしまった。


 それがダバ派遣隊の西方諸国の外交使節団の出迎えに向かう途中で、ブラキュリオス湖畔紛争に巻き込まれてしまった事である。


  日本政府は、東京サミットの内外への公式発表は、ブラキュリオス湖畔紛争の推移を十分に見極め、ダバ派遣隊が無事に目的地であるダバード・ロード王国 アルインランド州 州都・ベルクラネル港へと着いた時に公表しようと言う事にしていた。



 だが、西暦2030年6月1日・・・・・・・ブラキュリオス湖畔紛争とは別に第二次龍雲海沖海戦が勃発する。


 日本国はこの戦いを無事に戦い抜き、異世界諸国に日本国が軍事力の高い大国である事を誇示して見せた。


 エルザ達は、その事を報告書に詳しく書き記していた。


「アースティア暦及び地球世界標準暦、西暦2030年6月1日、日本国政府は、交援省と外務省と防衛省等を含む外交安全保障に関わる省庁と共にローラーナ帝国の外征派遣艦隊として高名でもあるローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊こと、ローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊及びドラグナー皇国軍・レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団艦隊が日本国へと進軍した」


「相対するのは、日本国海上自衛隊とアメリカ合衆国海軍艦隊かに成る二カ国連合艦隊。


「同日両軍艦隊は、龍雲海と東シナ海との境界線と日本国が定めている海域海上にて、武力衝突と成った。」


「先鋒艦隊と成ったローラーナ帝国艦隊に組み込まれたドラグナー皇国軍・レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団艦隊。」


「その武名をアースティア世界中に轟かせて居る血染めの鋼鉄姫将軍( アイアン・ブラッド・プリンセス)と称されているドラグナー皇国第一皇女たるヴァロニカ・サークラ・レアモン姫将軍が先鋒艦隊と成り、日本国の西方地域である九州島地方へと向かう。」


「だが、此処でこの作戦を主導するローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊の司令官であるシドウ・ギワザンは、思わぬ誤算と不遇に見舞われた。」


「日本国側は、その優れた超科学技術により、レーダーと呼ばれる長距離監視装置と人口衛星と言う天空から地上を監視する機会装置を用いて、ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊の動きをドラグナー皇国内にある基地からの出港した瞬間から、その動きが筒抜けだったのである。」


「そうなったら有利なのは守り手側である。」


「日本国側は、西から迫るローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊を半包囲戦を敷きつつ、負けたフリをして敵を油断させ、更には敵陣深くまで踏み込んで来た敵に対して、手薄に成った旗艦艦隊へとの奇襲攻撃を仕掛けた。」


「同時にミサイル・魚雷・航空隊による時間差攻撃も功を奏し、シドウ・ギワザンが率いるローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊は大混乱に陥る。」



「先鋒艦隊を率いていたヴァロニ姫将軍も、巨大で超音速にて空を飛ぶ槍とも言うべき超兵器、ミサイルを真っ二つすると言う珍事的な荒業を見せるが、戦局は覆らず、ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊とドラグナー皇国軍・レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団艦隊から成る連合艦隊は撤退を決めた。」



「その際にヴァロニ姫将軍は、味方の撤退を支援するべく、日本国に取って莫大な予算掛けて作り上げた虎の子兵器とも言うべき日本国海上自衛隊の空母機動部隊への奇襲攻撃を仕掛けた。」


「突然の奇襲攻撃に、航空護衛艦あかぎ艦長で同作戦の指揮を執っていた南雲忠二一佐は、迎撃戦を試みるも、旗艦である航空護衛艦あかぎの直上を取られ、魔法剣シルヴァロスより撃ちは放たれるヴァロスカリブレイカーと言う斬撃魔法があかぎに対して向けられた。」 


「これに際して南雲一佐は、あかぎ艦内の乗組員に対して、退艦命令を出した。」


「だがしかし、その時、ミラクルと言うか馬鹿げた珍事件が起きてしまった。」


「アセリナ王国の聖天使騎士団の総騎士団長であるマーヤ・リリロッカ・ヨシカーナが、不慮の・・・・・事故なのか災害に在ったのかは定かではないが、日本国航空自衛隊の輸送機との衝突や大風に吹き飛ばされたりと、災難に遭った事が原因となりヴァロニ姫将軍と衝突。」


「泡やあかぎが撃沈が目前にして、ヴァロニ姫将軍と共に海とへ墜落。」


「非常に馬鹿馬鹿しく、そして呆気ない結末と成ったが、日本国側はあかぎ撃沈を免れた。」


「が・・・・・・これも記載すべきなのかは迷ったが、一応書いて置く事にした。」


「ヴァロニ姫将軍とマーヤ総騎士団長の二人は、その後あかぎ甲板にて、喧嘩を始めてしまい。」


「日本国側はその補修工事に数億円かかる見込まれたが、ドラグナー皇国とアセリナ王国の二カ国は、この戦争はヴァロニ姫将軍とマーヤ総騎士団長が衝突事故を起こした時点で停戦と見なすとの見解を示している。」


「従って私戦をした二人の後始末と弁済金費用対効果として、航空護衛艦あかぎに限り7割の修繕費が支払われるとの和解案にサインが為されたらしいとの事。」



「これは非常に珍しい案件である言えた。敵味方に別れての戦争に措いて、敵側の兵器の修理を敵側が出すのだから非常に稀な出来事と言える。」


「これにはヴァロニ姫将軍自ら謝罪した事が起因しているらしい。何んとも義理堅い人物とも知られている姫将軍らしい謝罪のやり方である。」


 その日のエルザは龍雲海を含めた日本国内外の動きを注視して行く報告書を纏め終え、帰国時期を何時にするかをそろそろ決めようと考え始めた。


「ふう、疲れましたわ。今回の海戦で、日本国を含めたこの世界は、目まぐるしく動き始めたと言えますわ。」


「日本国は、西方諸国との連絡を取る為、ダバ派遣隊なる派遣艦隊を派遣させたとの報道も聞きましたの。」


「その動きを見定めたら、そろそろ私達も帰国を考えるべきですわね。」


 女子高生の姿の彼女は、夕暮れの東京のビル群を聖川家の窓から眺め、黄昏のであった。




アースティア歴1000年・西暦2030年・6月20日・午前10時10分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・東太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国中部地方・西太平洋地域・静岡県・静岡県東部・富士山麓近隣地域・小山町・陸上自衛隊富士駐屯地及び東富士演習場にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 

 エルザ達デモニュクス帝国・魔族連合国・日本国秘密諜報部隊の一行は、静岡県の御殿場市と小山町に跨る陸上自衛隊・東富士演習場へとやって来ていた。


 各方面への潜入調査をして行く過程で、陸上自衛隊・東部方面隊が、東富士演習場で、実技演習を行うと言うので、視察を兼ねて見にやって来ていた。


 最もスパイ活動をして居る事には変わりはないが、手にした情報は悪用厳禁として居る法律が整備されて居るが、それがどの様に扱われるのかは、時の政権の気分次第に成るのはどの国でも変わらないだろう。


「これが陸上自衛隊の制服ですか?」


「とても動きやすい服装で、とても着心地が良いですわね。」とエルザは、例によって女性自衛官に化けての潜入をして居た。


 エルザ達は、女性自衛官達で構成された普通科小隊へと潜り込み、自衛隊の強さを肌で体験しようと視察を兼ねた潜入であった。


 エルザ達は魔法や特殊スキルのお陰で、基に成って居る人物の記憶知識から、実技技能の事を手に取るようにして、何をしたら良いのかが、分かる様になって居た。



パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


 空砲を撃ち放つ音が、演習いっぱいに鳴り響いて居た。


「匍匐前進前へっ!!」と女性自衛官主体の普通科部隊の一隊を率いた女性自衛官の三佐は、実戦を想定した紅白戦で、敵軍と仮定されて居る白軍へと前進を続けて居た。


 この訓練が始まる前、更衣室内でエルザ達は、女性自衛官達が、ある噂話をして居た。


「ねぇ、実戦が始まるって話、聞いてる?」


「うんうん、聞いた、聞いた。」


「でもそれって、沖縄や大陸に派遣された北部方面なんかの話でしょう。」


「それも在るけど、異世界に転移しちやったから、この世界の覇権国家と総力戦に成るって、市ヶ谷に居る同期の子が言って居るのよ。」


「こわーい。あたしらの生きてる間に、そんな事に成るなんて、想像もして無かったのにっ!」


「今の内に除隊でもしようかな?」


「馬鹿なこと言わないのっ!どの道、今の日本の情勢下じゃ、此処で逃げても何処かの誰かにツケが回るだけよ。」


「そうそう、例え除隊して止めても予備自衛官をやってくれとか、名簿だけでも載せて置いてくれって言われて、最終的に何か有事か起これば、渋々招集されるに決まって居るわよっ!!」


「その通り、総力戦に成ったら、生きるか死ぬかの瀬戸際に成るから、今から逃げ出しても無駄よ。せっかく戦える技能が在るのに、逃げたらその分、日本が不利に成る事だったあるんだらねっ!!」


「決めるのは自由って言うけど、後で卑怯者呼ばわりされるのも面倒だから、止めるなら、よく考えて辞めなさい。」


「うっわーっ!!あたし、ダラダラと迷ってないで、早めに抜けてりゃ良かったかな?」と車両関係を始めとする各種特殊資格免許証が欲しくて、頑張って入隊したとある一等陸曹は嫌な顔付きで愚痴る。



 彼女達も様々な理由から自衛官を目指して入隊したが、30歳前後まで続けて、その後再就職をすれば良いやと考えて居た口でもある。


これは同僚同士での内々の話である。


 本来ならば、こんな話を上司や教官なんかに聞かれたら、『ばっかもーんっ!!』と怒鳴られるのがオチだし、弱音を外に漏らしり、愚痴って居る自衛官は表向きには言わないし、居ないとしか言わないだろう。



 そんな彼女に不運なのか、運命の悪戯なのか、日本国は、アースティア世界と言う、異世界ファンタジーの世界へと転移してしまう。



 そして、その世界で本格的な世界大戦の影が迫って居たのだった。



(凄く厳しい訓練ですわね。戦い方は、我々の知る限りのものとは、全然っ違いますわっ!!)


(近い物が有るとすれば、アサシンか弓兵部隊等と言った物に、少しだけ近いと言えます。とても私達が知り得て居る。歩兵軍兵士の戦い方では、在りませんですわね。)


(それに加えて、この小銃と言う武器の威力には、とても驚くばかり。然しものローラーナ帝国軍も、これを喰らえば、一溜りもない筈ですの。)



パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


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パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


(今は訓練で空砲を撃って居ますが、コピーした記憶知識が在っても、射撃時の反動を魔族としての筋力で強引に抑えて居ないと、銃身ごと身体が、ひっくり返してしまいそうに成りますわ。)


 エルザ達は89式小銃の訓練で、慣れた手付きをそれぞれの能力で、コピーして再現をしては居るが、迂闊に気を緩めると、銃身ごとひっくり返されそうに成ってしまうそうに成った。


 これは無理もない。


 銃を持つのも撃つのも、今日が初めてなのだ。


 ボロを出さな様にするのが、彼女たちには精一杯だった。


(こんな訓練を定期的にして居るとは、日本国の軍事力高さと精強さ、この身と目でしかと体験させて頂きましたわ。)


(ねぇー、エルザ。もう疲れたよっ!!そろそろ帰ろうよおおおぉぉぉーーーーっ!!)と念話で、泣き言を言って来たリリエ。


(我慢なさいっ!夜までは、この状態ですわ。)


(そうでないとセキュリティが厳しい自衛隊駐屯地内で、変身を解いての入れ替わりは、とても難しいんですのよっ!)


 この日、自衛隊の演習訓練を体感したエルザ達は、夕方に成るまで、へとへとに疲れ果てるまで、演習場を動き捲ったのであった。

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