外伝52話 動き出すデモニュクス帝国・魔族連合国編 7

アースティア歴1000年・西暦2030年・5月16日・午後12時05分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・関東地方・日本国首都・東京都 ・東京都内・文京区・文京区御茶ノ水・聖マリアンナ女子高等学校にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 週明けの月曜日、聖マリアンナ女子高等学校にはエルサ達の姿が有った。


 

 彼女達は、デモニュクス帝国・魔族連合国内でも、上位の地位に位置して居るエルザとリリエの二人の含む、吸血鬼族とサキュバス族のチームで編成された6名から成る秘密諜報部隊の一行で、そんな彼女達は、遂に任務遂行を果たす為に、日本国の首都である東京都内に潜り込む事に成功を収めたのであった。


 そんな今の彼女達は、聖マリアンナ女子高等学校の女子生徒と入れ替わり、その人物へと変身をしながら、各ご家庭を曲がりするかのようにして、潜伏生活を開始する。


 聖マリアンナ女子高等学校とは?


 東京都・文京区・文京区御茶ノ水地区内に在る私立学校で、中学校から大学までを一貫してエスカレーター式で進学が出来るお嬢様学校でも有るが、一般入試も受けられる。


 その歴史には、明治初期にキリスト教系の宣教師等が寄付金で開校した、女子教育の向上と社会に貢献できる淑女を排出する事を目的とした、歴史ある女学校であった。


 現在では女子校・男子校の存続する事が難しい中で、学内改革開放を進めて行く事で、今日まで女子校としての存続する事に成功を収めては居るが、それでもやはり学費の方は、やや高いが生徒は知性と気品溢れる淑女を社会へと排出すると評判で有名な所でもある為、入学倍率が非常に高い事でも知られて居る名門校である。



 そんな名門校へと潜り込んで居る彼女達は何食わぬ顔で、この女子高等学校に通う生徒として、人気の少ない場所に集まり、更には人払い魔法を掛けながら、密かに集まって居た。


 それぞれ化けて居る女子生徒の母親達らが、腕にを振るって作られた特性お弁当で、ワイワイと話しながら、それぞれ週末の休日に有った出来事を話して居た。


「夜の歌舞伎町は楽しかったよーっ!!ねぇーっ!!」


「「はいっ!!楽しかったですぅっ!!」」」


 如何やらサキュバス達は、日本にやって来た直ぐに遊びに出掛けたらしく。


 その際には化けて居る女子生徒に迷惑が掛からない様にするべく、その見姿を大人の姿に化けてつつ、土日の休日を使って、日本国内でも有数の歓楽街あり、土地勘が無いと一人歩きが危ない町の一つでもある。


 歌舞伎町等と言った歓楽街へと足を運び、イケメン溢れるホストクラブで遊んだり、危なそうな人たちを揶揄って遊んだりして楽しんで居たらしい。


「はぁ・・・・・・全く、この娘達(サキュバス)ときたら、早速この国の夜る町で遊びましたまわね。ホンと呆れて物が言えませんわ。はぁ~・・・・・・・・・・」



 サキュバス達の自由奔放さに呆れてしまう、エルザ。


だが、彼女はリリエ達を怒るに怒れない事情が有った。


 それは東京都内の調査の一環でも有り、その序でに自分達の活動資金の補正予算を日本の裏社会の顔の一つである。


 とても危なく、仁義の無い感じの人達の組織から売上金を奪い取って来て使う事で賄う事を決める。



 何故、そんな事をするのか?と言うとだ。


 軍資金である宝石類や金塊なんかを無暗にやたらと換金するのが、日本国を始めとする地球系転移諸国では、滅多な事では出来ないからである。


 そんな事をすれば、相場の大崩落を招いて、ちょっとした騒ぎに成るかも知れない事が分かったからだ。


 エルザ達の社会では、宝石類や金塊と言ったものは、お金としての取り引きが当たり前なので、紙幣社会を基盤とする経済体制を取って居る地球系転移諸国とは異なるので、金相場を含めた鉱物資源の取り引きで金融市場が混乱を来たす事は殆んどあり得ない事なのだ。


 それにサキュバス族の子達が奪って来た資金の出元は、上はヤクザ関係の組織から、下は日本の中でもかなりの違法行為をして居る様なヤバい組織や半グレ集団が経営して居る様な店なんからも、お金を巻き上げて来たらしい。


 それも公安委員会や警察のマル暴ですら手が出し辛い法律の線引きギリギリのラインや巧みに隠れて、コソコソとして居る輩をこれまでやって来た経験から獲物を嗅ぎ分けて、襲ったらしいから更に性質が悪い。


 だけどこの方法は経費が浮くし、犯罪組織やお小遣いと称してお金をくれた様々な男達を手玉に取って小金を稼いで来るので、エルザも怒るのに怒れないのだ。


「でもリリエさま。どの男を相手しても子宝には恵まれませんでしたね。」


「そうだねぇーっ!それがチョットだけ残念かなぁーっ!」



 残念の基準が下ネタ系なので、ホンと呆れてしまうが、これも彼女達の先祖代々の生活史生態から来る種族感性なので、人間や他の人間の暮らしに近い亜人達と比べ見ても仕方が無い事なのだ。


「まぁ、良いですわ。」


 この時エルザは、潜伏先の集合場所の一つが、日本国内では何処にでも在る女子校であった事に、心からホッとして居たと言う。


 これが共学の学校だったらと思うとゾッとするからだ。


 共学校であったら、きっとサキュバス達は、校舎裏や体育館の隠れた一室で、男性教師や男子生徒を相手に、しっぽりとして居たに違いない。


「所でエルザさま。地球人国家の土地に入ってから、薄々は感じて居た事なのですか・・・・・・・・」


 吸血鬼の部下の一人が、ある問題に困って居る事をエルザに告げた。


「ああ、そうね。どの土地も魔素・・・大きく言えばマナ粒子が、極端に薄い過ぎますわね。」


「はい。お陰で変身した姿を維持する魔力が枯渇する事に、四苦八苦して居ります。」



 実は擬態変身魔法は、魔力で維持して居る。


 魔力が枯渇すると変身が徐々に解けてしまうのだ。


 普段は魔力の枯渇する事が絶対に無いのだが、それは何故かと言うだ、アースティア世界では、大地から魔力の源たるマナが無尽蔵に溢れる出て居るからだった。


 日本を始めとする地球系国家ではマナの発生率は低く、魔法は問題無く普通に訓練された魔法使いなら使えるが、魔力を使い切った場合は肉体に魔力を充電させるのに時間が掛かり過ぎてしまい、魔力が枯渇する現象が起きていた。


 まだ、この事は日本政府も日本と接触した異世界国家の政府らは気付いて居ない。


 魔力の力を行使する事の多いエルサ達の様な魔族が、地球人勢力圏に入って初めて気が付いた事だった。


 特に大きな魔力タンクを持って居る者達は、使い過ぎた魔力回復に四苦八苦してしまうらしい。



 此処でアースティア世界に措ける魔素・マナ・魔力に付いての扱いに付いても、軽く説明をして置く。


 魔力の源とは、魔素と呼ばれる粒子粒が元に成って居り、それせか゜一定水準に達して固まるとマナと呼ばれる粒子となり、最後には魔力と言う塊と成る。


 魔術師・魔導士と名乗り、呼ばれる居る職業従事者達等は、特訓先天的に、魔力を感じたり、操る術を知って居たり、操ってしまう事に長けている人々の事を指して居る。


 しかしながら、アースティア世界では、ドワーフや魔導技術者達等によって生み出された魔道具や乗り物の普及により、魔法を使えなくても魔法の様な力を行使する事は出来てしまうよに成って来て居る。


 因みに魔鉱石とは魔力が土塊に集まって固まった鉱物の事を指して居て、それらは各属性精霊の影響で様々な特性を持った魔鉱石と成る仕組みに成って居る。 


そんな中で魔力の扱いに長けて居るのは亜人族に多いと言わてれ居る。



 サキュバス族と吸血鬼族も、とても大きな魔力タンクを持つ肉体を有する種族の一つだが、サキュバス族は、エナジードレインで、精気を通じて魔力を常に補充して居る。


 まぁ、夜遊びをしながら魔力を補充を続けて居るので、魔力が枯渇する事は滅多に無い。


 だが吸血鬼族は、魔力を一気に増やすには鉄分を含んだタンパク質や動物類の生き血や何れかのヒト種族から、生き血を啜り食べる必要があった。


 これまでのエルザ達、吸血鬼組の面々は、日本に来るまでは、擬態変身する為の素体と成る人間から変身する序でに吸血を通じて魔力の補充をして居た。


 しかしながら、日本に滞在を始めから二日間が過ぎようとして居た日曜日の昼間の辺りから 血を啜り上げる事を止め始めた途端に、人間に擬態化している一部にメッキが剝げ落ちしまう事が起き始めて居る。



 これに困ったエルザは、何とか出来ないかと血を求めたが、直ぐに代用品に成り得るのは恵梨香の家族だったが、これには流石に限界があった。


「それで魔力の補充には、二人とも如何して居るのかしら?」


「はい。最初は潜伏先のご家族の生き血をマナに変換して魔力の補充を図って居ましたが・・・・・・」


「流石に魔力が枯渇する度に、一々吸って居たら、吸血する対象者達は、貧血症状を起こしてしまいます。」


「こう言う時は、サキュバスって、有利な種族なのですのよね。」


「えへへ、羨ましいでしょう?」


 リリエは魔力補助が簡単で、魔力枯渇知らずのサキュバス族の天賦の能力を思いっ切りに自慢して、金本奏多の肉体でリリエが一番の自慢の一つだと言う大いにして言って居るロリ巨乳をプルンと揺らし、突き出す様にして踏ん反りって見せ、自慢げに威張り立って居た。


「褒めてませんわっ!!そんな自信満々に言うんじゃ、ありません事よっ!!」


「魔力が枯渇しない為に、夜遊びなんかの補充方法を用いて、問題を興したら堪らないですわよっ!!」


「其処でなんですがエルザ様。我々も大人の姿に化けて、何所かで当たり障りの無い相手から、生き血を吸うか、もしくは血液に近い食物を食べて魔力に変換するのが友好的かと・・・・・・・・・」


「そうね、私なんかは潜伏先の母が私の変身が解けかけた状態を見て、直ぐに魔力枯渇から来る貧血気味である事を気にして、昨夜からレバー類やスッポンって言う噛みつき亀の生き血を取り寄せて貰えるそうよ。」



 実はエルザは、昨日の夕飯に意識を洗脳している恵梨香の母である清香から、スッポンの生き血は如何かと提案してくれたのだ。


 自我を持った状態で偽の娘に尽くす清香は、エルザの肌色が吸血鬼族特有の死人の様な色白の肌色に変わりつつあるのを見過ごさなかった。


 清香は自宅近くに聖川家と贔屓の日本料理店が捌いた、スッポンを一般客にも小売りに出して居るらしく、それで当面を凌いだら、如何かと言ってくれたのである。


「でも、その方法だと、二人のご家庭じゃ・・ね・・・・・・・」


「ですね。この日本国ではスッポン成るかみつき亀と言うのは、養殖物が多く出回って居るとは言え、とても高価な高級食材らしいですし、我々二人の家は中流家庭の真ん中くらいの経済力のご家庭ですしね。」


「そんな物を毎日の様に買い入れて居たら、近所の方々から不審に思われしまいます。」


 そうなのだ。


 エルザの部下である吸血鬼族の二人は、有る程度裕福の家柄で、高級品のスッポンなんて物を毎日仕入れられるご家庭では無いのだ。


 精々買えたとしても、精肉店や近所のスーパー辺りからレバーを安く買い叩いて来るしかない。


「精々精肉店からレバーを買い入れて食べる事しか出来ませんね。」


「まぁ、それくらいなら何とかして上げますわ。」


「裕福な聖川家なら、スッポンのさばいた物を買い入れ事も、世間からは変に思われないでしょうしね。」


 スッポンも生き血だけ仕入れる訳にも行かない。


 怪しまれない為にも、必ず1匹丸ごと買い入れる必要が有るからだ。



 最初はエルザが清香のお使い称してお店に詰めて駆け、その理由は自宅でスッポン鍋したいから売って欲しいと言えば良い。


 その際に此れまで通りに吸血鬼の魔法と能力細工を施せば、後はエルザのポケットマネーと故国の経費でお金が落とされるので、お店にも迷惑も掛からないし、困らない筈た。


「友人たちが遊びに来たと言う理由で、我が家に来てもらい。其処で取り寄せた生き血を自宅内で、分けて譲るくらいの事は出来ますしね。」


「「有り難う御座いますっ!!エルザさまっ!!」」



 部下達二人は、上司であるエルザから貴重な栄養源であるスッポンの生き血を分けて貰える事に、大いに喜ぶ。


 因みに密偵活動で食費に掛かる経費は、彼女達の故国から出された経費で落とされる事は、先に説明したが、その予算は魔法の子袋にしまって有った。


 子袋の中には金塊・銀塊・宝石類が滞在先で掛かった経費として、滞在中の各ご家庭に、帰国する際に一括して支払われる予定で、余分な経費も少しずつ換金されて使う事にして居る。


 何故、少しずつ換金するのかと言う理由は先に述べた通りである。


 何せ、一遍に換金すると日本の金融機関等の相場が、やや乱れてしまう恐れが有るから、お金を管理して居るエルザが、その日の日本の相場を見ながら慎重に微調整をしながら換金する事にして居た。


 そんな感じなので、リリエ達が悪者や女遊びに興じる方々からお金を巻き上げたり、貰ったりして稼ぐ方法と言うのは、ある意味、警察機構からの監視や捜査のめが付き難い上に、足が付き辛いので助かって居た。


 お嬢様校なので、バイトをするのも厳しい審査が在るので、短期での隠密行動潜入をして居る彼女達が、本人達の知らない所で、勝手にお小遣い稼ぎ(活動費)をする為だけに、バイトを始めるのも憚られて居たのである。



「まぁ、これで魔力の枯渇問題は取り敢えずは解決ですわ。」


「それじゃ、次は如何するかだねぇーっ!!」


「当面は、それぞれ担当する予定のレポートや日本の世俗や社会情勢の見聞きをしたり、週末は一纏まりに集まって、都内の散策や日本の重要性の高い施設の視察ですわね。」


「分かったよぉーっ!!」


「「「「はいっ!!」」」」


「ああ、それと学校の勉強の方は、私達の仕事とは別にしっかりとね。」


「借りて居る御姿を返す時に、すり替わって居た期間の記憶が空っぽだったなんて事は、借りた子達に失礼ですし、彼女達の将来ら関わる事よ。」


「それにもう直ぐ中間テストだそうですわ。」


「しっかりと成績を良くして、頭の良い状態で本人達に姿と日常生活をお返しますわよっ!!」


「ええーっ!!そんなっ!!楽しい週末のお休みは?」


「私達のお仕事と、表の身分の私生活の出来具合しだいですわね。」



「ううーん・・・・・」


「頑張って下さいましね。リリエ。」と満面の笑みで、嫌味を込めて、白々しく励ましの言葉を言ったエルザであった。



 大量の日本偵察活動の仕事や間借りて居る女の子達の女子高生としての私生活を守る為にも、勉学はしっかりとして置く必要が有るし、返却時には、それまで学習していた内容も、しっかりと素体相手に記憶を写すので、帰る際のその辺りの大きな心配は、そんなにも無いのだ。


 だが、肝心なのは借りて居る側に在る。


 性欲と多く他の欲望に関して、その身に忠実であるサキュバス族のリリエは、理性と知性的な部分等と言った物からは縁が遠い性格。


 勉学と仕事漬けに成る事に抵抗を感じながらも、うーんうーんと唸り続けて居た。


(まぁ、昔からサキュバス族って奴は、変な所で天才肌なので、ホンと腹が立ちますわ。)とエルザは、嘗てリリエの学生時代を思い起こし、同じ学園に通って居たサキュバス族の子達の事を思い出して言う。


 普段から夜遊び大好きな上に、いい加減でぐうたらなサキュバス族の子達は、何故か本番に強かった性格をしており、テスト成績が常に全員が上位に入り、学生時代のリリエは満点を取って居るばかりだったのを恨めしく思って居たエルザであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る