第1章
外伝46話 動き出すデモニュクス帝国・魔族連合国編 1
アースティア歴1000年・5月5日・午前9時34分頃・アースティア世界・デモニュクス魔族連合領域大陸・デモニュクス魔大陸・デモニュクス帝国・魔族連合国 ・魔都パンデモニウム市・ルシファー魔宮殿城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アースティア世界で最も南に位置して居る巨大な大陸であるデモニュクス魔大陸は地球の南極大陸とオーストラリア大陸を掛け合わせた様な形をして居た。
邪神戦争時に邪悪な邪神であるカオス・ノワールの強大な力によって、異世界ヘル・&ヘブンズ界より強制転移させられた魔族たちは、その精神を支配され、カオス・ノワールの尖兵としてアースティア世界の住人達に宣戦布告をした。
だが、その戦いの結末は世界を救わんと立ち上がった当時の数多の英雄達の活躍と、その英雄達が結束を呼び掛けた各国政府軍の活躍により、邪神であるカオス・ノワールは討ち果たされ、精神支配を受けていた魔族達は解放された。
以来、アースティア世界各国と講和したデモニュクス帝国・魔族連合国は、解放してくれた恩義と争乱を巻き起こしてしまった自責の念から、人間族を始めとする自分達とは別種のヒト族とは、争い事を構える事を避けて来た。
もう、他人に迷惑を掛けるのはこりごりらしいので、中立国家を貫くと言う意味で、鎖国体制へと入ったらしいのだが、一部の魔族たちらは、遠征先で手にした領土を手放す事を良しとせずに、一方的な独立国家を宣言し、アースティア歴1000年と成った現在でも、アースティア世界各地に独自の魔族国家や部族国が点在している要因と成って居る。
そして、デモニュクス帝国・魔族連合国は、この世界の人々との交流を自国の領土と接して居るアセニア亜人連合同盟を通じての交流に留め、邪神戦争と言う世界大戦を起こした自責の念から積極的な関わりを避けて来た。
だが、アースティア歴1000年・4月1日。
今年の半分が経とう言う直前の時期に事態は急変する。
彼の邪神戦争以来、起きていない異世界から国家の在る大地ごとの大規模な転移災害が発生し、地球と言う異世界から現れた転移国家群の代表国の一つである日本国を中心とした国々の出現と言う新たな大事件が起きた。
この事態に半ば勢力争いをして居る内戦状態のデモニュクス帝国・魔族連合国内で魔皇帝を名乗り、正統政府を自称して居るヘレナ・ザタニキア・パンデモニウムと言う新たな魔皇帝の女帝が誕生する。
彼女は、若き日に友の契りを結んだ他の部族諸侯と共に、故国の統一を図らんと立ち上がった。
そして、次々と移り変わる多くの新しい世界情勢に対して、どうすれば良いのかを模索するべく。
志を同じくする魔皇帝派閥である吸血鬼族のエルザベート・ブラド・ツェペシュと淫魔族の片割れであるサキュバス族のリリエール・リリン・キュバスの二人と話し合って居た。
エルザベートことエルザは、デモニュクス帝国・魔族連合国の在るデモニュクス魔大陸内に措いて、アセニア亜人連合同盟領と直に接して居る港を先祖代々治めて来た領地を持って居た。
彼女達の一族は邪神戦争後に、他国との繋がりを最低限維持しながら何時かは本格的に外交交流を図ろうと、密かに独自の交易をしながら世界情勢を探りつつ、どう相対して行くのかを模索して居た。
エルザが当主を務めているツェペシュ家は魔族社会では格上の種族に位置付けられて居る吸血鬼族の女王にして、魔族社会では格式高く力が有る部種族に送られる地位である公爵王家の地位に在る居る一族の当主だ。
容姿は金髪ロングのポニーテールで、ドレス姿格好で、特に目立っている豊満なボインと主張して居る大きな美乳が自慢で、お嬢様口調の高飛車な性格をして居る。
夜行性種族で有るが故に早起き、肌荒れが酷くなる紫外線の強い日光を浴びる日光浴と匂いのキツイ物に関する類の物は、大の苦手である。
吸血鬼にはブラッディトランスと言う特殊能力が有って、魔力と生き血を体内で変換して、吸った相手の姿に擬態変身する特殊能力を有して居る。
これは吸血鬼族を含めた血を吸う魔族等の特有の種族魔法能力で、エルザはこの力を使った方法を用いて、肉体変態を促すことで、人間に擬態変身する事が出来るのだ。
だが、変身の持続には魔力多く必要である為に、枯渇すると化けた姿からメッキが剥がれる形で、己が正体が露見してしまう恐れが事が有るから、使用する際には繊細な注意が必要だった。
リリエールことリリエは、デモニュクス帝国・魔族連合国の種部族中の一つである淫魔族の片割れの種であるサキュバス族の女王であった。
その性格は自由奔放で小悪魔的な性格にして、自身の性欲と欲望に忠実で、常に男と恋と浮気と爛れた関係と、子供の繁殖するのが一番だと言う概念を持った種族なので、他の一般常識のある種族からすれば、トンデモナイ思考して居る乙女だった。
更には男との如何なる関係は、我がサキュバス族の文化であると、日本のとある男性芸能人も真っ青な事をリリエを筆頭にして、一族総出で言うのだから、かえって清々しい人々と言える。
男を垂らし込んで、居の儘に手玉に取って子孫繁栄をするのが、自分達一族の為と言った代々教えを守り、気ままに何時も恋を探して居るが、とても友達思いな一面もある。
その容姿はウェーブが掛かって居る様な髪質にロングショートヘアー風のツインテールをした赤紫色の髪と金色瞳に、スタイル抜群なボデイスタイルを有して居る。普段から布地の少ないビキニ風の淫らな衣服を着こなして居る。
やや幼い感じのする可愛らしい顔付きをした容姿を持ちつつも、何時も妖艶な雰囲気を漂わせて居るエロビッチなサキュバスだった。
特技はチャームと言う魔法を駆使した催眠魔法やミラー・トランスと言う擬態変身魔法で、己が姿格好を自在に変化させられる変身魔法を得意として居る。
この能力は同じ同姓なら種族を問わない形で、美女へと変身能力を生かした潜入工作を可能として居り、ある意味では、潜入工作がし放題と言うチート能力だと言えるだろう。
そして、黒と赤の色彩が入ったドレスを着たヘレナ・ザタニキア・パンデモニウム魔皇帝ことヘレナは、代々魔人族を纏めて来た高貴な魔人王一族の血筋の家柄であった。
現在の年齢は250歳の若き女性で、人間の年齢を基準で言えば20歳から30歳の間くらいである。
長命種族の一つである魔族は、18歳くらから老化現象が止まり始め、25歳から30歳くらいまでに若さ年齢が定まり、寿命が近くなるまで老化しなく成るらしい。
また、魔族以外の一部の他種族や個人は、何らかの理由で老化を防止が出来るとの事であるそうだ。
ヘレナ達は一派である魔皇帝派は、国外の争乱であるアースティア大戦の火の粉が自分達にも降り掛かるのを防ぐためにも、一刻も早く国内統一を図るべく、彼女が現魔皇帝を名乗ってデモニュクス帝国・魔族連合国を統治しようと奮闘して居るが、魔族社会は実力主義社会。
若い過ぎる事と出る杭は打たると言った感じで、一部の一風変わった女傑族の魔族以外では、男尊率の高い魔族社会。
そんな腕力主義と能力主義の弱肉強食の社会で、女はその実力が本物と見なされなければ、格下と見られるとされて居た。
駄肉的な豊満なバストを有し、赤い瞳と血の様に真っ赤なロングヘアーの髪がウェーブが掛かって、ふわふわとして居る髪型をして居おり、とても女性らしい容姿をして居る女性だった。
ルシファー魔宮殿城内に在るサロン風の会議室で、お茶会を兼ねた一室に集まった魔皇帝派閥3人は、種族は違っても内乱が起きる前に、この魔都パンデモニウム市内の高等学院で出会った親友同士で、気心が知れている仲でもあった。
「さて、ユーラシナ大陸の東側を中心に、異世界から新しい転移国家が600年振りに現れたわ。」
「其れに付いては私の有する密偵網からも聞いて居ますわ。」
「タダでさえ、このアースティアは先の大戦後に何を血迷ったのか、ヒト族共は新しい戦争を始めて600年間もの間、ずーっと、そのままですのに、全く呆れてしまいますわっ!」
「其処に更なる転移国家などが現れたと成れば、もっと厄介な事に成りますの。」
エルザは、ヒト族の時節の移り変わりの早さには、ホンと着いて行けないと嫌な顔付きで言う。
魔族は長命種族であり、種族によっては千年近く生きるとも言われて居るが、魔族は弱肉強食の実力主義社会なので、陰謀めいた策謀や取っ組み合いを含めた殺し合いが多く、多くの場合は種族間や部族同士での抗争で、命を落とす事も多かった。
その社会情勢を例えるのらば、ヤクザやマフィアの様な暗黒街社会と言った感じだろう。
それ故に魔族の全種族の間では、血生臭い事には慣れっこであった。
「そうだねーっ!それにもしさ、その転移国家群がさ、ローラーナ帝国と手を組んだりして、あたしらにちょっかいを仕掛けて来る事になんのは、在るのかな?」
リリエは自分達も『新しい転移国家群が原因で、激化して居るアースティア大戦による争乱に巻きまれてしまうのかな?』と、心配した顔つきで言う。
「それは無いと思いますわ。」
「えっ!如何してぇーっ?」
「詳細は分かりませんが、どうも転移国家群の実力派の一角である二ホン国は、ローラーナ帝国とは、この世界に転移してから直ぐに武力衝突をしたらしいですわ。」
エルザは、自身の配下の中でも指折りの密偵を使って最新の世界情報を入手していた。
特に擬態変身魔法を使った密偵は、秘密裏に相手の懐に入る事で、重要な情報を入手して来ると言う大事な役目を担って居た。
「ふぇー、そりゃ凄いね。」
リリエは、その配下を使った情報収集に関心してしまう。
「、ローラーナ帝国は、かつての我らの先祖やその同胞達を憎き邪神から助けてくれたが、その直後に政変が有ったのかは判らないてずけれども、国家その物が急変してしまった。」
「最早、かつての面影は何処にもない。」
デモニュクス帝国・魔族連合国は、かつて邪神戦争の時に邪神カオス・ノワールの力によって魔族全体を精神支配を受けていた。
そして、その窮地から救い出してくれたのがローラーナ帝国の前身旧国体制だったローラーナ王国と世界を救う為に、邪神を倒した英雄であるギルバート・メリッシュ・ローラーナである。
彼は邪神戦争から5年後に成って、突如として性格が豹変し、世界中に向けて世界平和の為に如何なる手段を用いて、国を唯一無二の統一国家に統一するべきだ宣言する。
こうして狂気の英雄王は、ローラーナ王国をローラーナ帝国と国名を改名し、アースティア大戦を引き起こした。
その事をとても残念に思って居るのが、邪神カオス・ノワールの力から解放された、デモニュクス帝国・魔族連合国の魔族達だった。
彼らはギルバートに感謝しつつも、その狂気へと走った理由が、一体何のかと思って居たが、その理由は、今や歴史の闇の中へと埋もれてしまったのであった。
「其処でだ。日本がどの様な所なのかを密かに探りを入れてくれないか?」
「私たちに彼の国を潜入して欲しいですのね。」
「そうだ。お前たちの種族は、擬態変身の魔法が使えるし、それを最も得意として居る。」
「それでヒト族の一種であり、人間族の多い二ホンと言う国と、その同盟勢力圏には、人間族しか居ないと聞く。」
「二人には少数精鋭で人間族に化けて、二ホン勢力圏へと潜入し、彼の国の様子を探って欲しい。」
「事は隠密活動だ。我ら魔族特有の荒事のやり方も用いられる。」
「くれぐれも、後々の外交問題の騒ぎに成る様な事は、決して起こさない様にしてな。」
「オッケー、親友のエルザの頼みだもん。断る訳ないじゃん。」
「・・・とか言って、それを言い訳に新しい土地の男の味見や摘まみ食いをしようと目論んでは居ませんわよね。」
「・・・・・・・・何の事かなーーーっ!!」
リリエは、白々くも親友からの日本行きの偵察工作活動の依頼を私的に楽しむ積りらしい。
サキュバス族と言うのは恋と性欲と己の欲に忠実で噓を付けない性格。
だが、リリエは同時に友達思いな性格でも有る。
頼まれた仕事の序でに、日本で何らかの形で男を漁る積りで居た。
そんな下心があるリリエを伴ってエルザは、その話を受けた数日後、ヘレナからの依頼を遂行するべく、日本へと旅立って行くのであった。
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