外伝22話 新世界日本風土記 妖精と海獣人達の住まう島にて・・・コロロッポ諸島県の視察編 2

西暦2030年・4月25日・午前10時17分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・南鳥島・コロロッポ諸島・コロロッポ諸島中央部・コロロッポ島・コロロッポ島海岸・海獣人族・海獣妖精人族・コロロッポ島群生地域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて此処から、少しだけ回想シーンと成る。


 日本国政府は、南鳥島基地からの報告で発見された未開地域の島諸島を何所の国にも属して居ない未統治地域の島諸島と見なし、有人か無人なのかを確認するべく、日本国政府の調査命令で、省庁としての活動が始まったばかりの交援省を筆頭とする各省庁とお雇いの有識者を併せた調査団員20名の派遣を待ってから日本国南鳥島未開地方調査団を組んで調査を開始した。


 南鳥島から陸伝いに進める島々を調査をしながら次第にコロロッポ諸島の中心地へと足を進めて行く。


 流石に本島であるコロロッポ島へと渡るにはボートが必要だったので、本土から大きめのレジャーボートを輸送して貰い、万全を期してコロロッポ島へと渡って行く調査団。


 コロロッポ島へと初めて渡った調査団の面々は、まだ名前すら知らないコロロッポ島の南東部に位置して居る海岸線に、多数の物体が横たわって居るのを発見した。


 危険性を鑑みて、双眼鏡や望遠鏡が眺め見られるギリギリの位置まで海岸線に近づいてみると、その物体の正体はヒトに近い姿格好を持った亜人族である事が発覚する。



 調査団は海辺に暮らす亜人族と言う事は、海から近付くと、警戒され、威嚇攻撃を受けた時の危険性を考慮して、ボートを海岸線から見えて居ない砂浜海岸へと近付き、自衛官と保安官の護衛と民族学者や総務省と国交省の職員達を併せた7名の代表者で、初接触を試みる事にした。 



 初めての事なので慎重な接触を試みた調査団の職員達は、海辺でのんびりとして居る海獣人族と海獣妖精人族の女性達に、静かに近付きつつ、フレンドリーに挨拶をすると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「やぁ、皆さん。初めまして、我々は日本国と言う所からやって来ました。」


「今日は皆さんと仲良くする為の話を・・・・・・・・・・・・・・」と調査団の団長を任された30代のイケメン風の民族学の博士の男性を先頭にしつつ、国交省と総務省の職員の二人も博士と共に挨拶をする。




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 調査団の団長を任された30代のイケメン風の民族学の博士の男性に挨拶をされた彼女達は、まじまじとその男を見詰めてしまった。




 日本政府は、未開地だと思われる島々の調査する為に、体力の在りそうな20名もの若い男性を派遣して居た。



 その内、7名を先遣隊とし、ベースキャンプの設営とボートの護衛に人数を割いて居た。


 それがある意味、不味かったかも知れない。


 それは何故かと言うと、これに女性達が多く混ざって居れば、海辺の彼女達も少しは男性体臭に対する興奮が抑えられた可能性が有ったかも知れないからだ。


 前へと進み出た30代のイケメン風の民族学の博士は、彼女達に対して失礼の無い様に努めつつ、軽く挨拶をして友好を深めようと優しく声を掛けた・・・・・・・・・・・だけだった。


 それが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「アウウッ!!アウウッ!!アウウッ!!アウウッ!!アウウッ!!アウウッ!!アウウッ!!」


「ガウウウウッ!!ガウウウウッ!!ガウウウウッ!!ガウウウウッ!!ガウウウウッ!!」


「グウオオオオオォォォーーーンッ!!グウオオオオオォォォーーーンッ!!グウオオオオオォォォーーーンッ!!グウオオオオオォォォーーーンッ!!」


「キュルルルルルッ!!キュルルルルルッ!!キュルルルルルッ!!キュルルルルルッ!!キュルルルルルッ!!」


「クオオオオオオオォォォォォォーーーーーーーン!!クオオオオオオオォォォォォォーーーーーーーン!!クオオオオオオオォォォォォォーーーーーーーン!!クオオオオオオオォォォォォォーーーーーーーン!!」


「キュイイイイィィィィ―ーーーーーーーーンッ!!キュイイイイィィィィ―ーーーーーーーーンッ!!キュイイイイィィィィ―ーーーーーーーーンッ!!キュイイイイィィィィ―ーーーーーーーーンッ!!キュイイイイィィィィ―ーーーーーーーーンッ!!」


「ウニアアアァァァァーーーーーーンッ!!ウニアアアァァァァーーーーーーンッ!!ウニアアアァァァァーーーーーーンッ!!ウニアアアァァァァーーーーーーンッ!!ウニアアアァァァァーーーーーーンッ!!ウニアアアァァァァーーーーーーンッ!!」


コロロッポ諸島に住まう3種族の内の中で海岸や砂浜でのんびりして居た2種族の女達は、初めて外界からやって来た男性達を見て、物凄く大興奮してしまう。


 それはもう激しいラブコールの嵐の雄叫びの声であった。




「なっ、何だっ!?」


「一体、如何したって言うんだっ!」


「分かりませんっ!!」


「おおっいっ!!何か失礼でも?」


「会ったばかりですよっ!!そんな事がある訳がっ!!」


 海獣人族と海獣妖精人族の女達の突然の雄叫びに、ビックリして、狼狽すらしてしまう調査団の面々。


 何か失礼を働いたのかと問い詰められてしまう団長は、会ったばかりでそんな事がある訳が無いと必死に弁解をして居た。


 しかしながら、これには理由が有った。


 それは海獣人族と海獣妖精人族の女性達は、調査団の男性達から発する体臭の匂いと野生の感と言う物から、彼ら達が全て独身者達である事を一発で見抜き、童貞で有る事すら見抜いた事で、極度に興奮状態に陥ったらしい。


 これは仕方ない、単身赴任や長期出張する様な若い男性は、組織内では主に独身者が多いからだ。


 女達は女性経験との性行為経験が、まだ無い男達を前にして、大興奮の雄叫びの声を上げて、その目付きは狩人と化してしまう。


「男だっ!!」


「本当だっ!!」


「でも何で、この島に?男なんて居ない筈じゃんっ!!」


「そんな事は如何でも良いわっ!!」


「来年までの渡りを待たなくても旦那様を持てるって言う事よっ!!」



「へっ?旦那さま?」と団長の男は己が額に?マークを付けて首を傾げていた。


「良い?早い者勝ちか同意の上で重婚よっ!!」


「分かってるわよ。」


「ハァハァハァハァ・・・・久しぶりに興奮するわ・・・・・」


「あたしもよっ!!じゅるり、ハァハァハァハァ・・・・・・・・」


「うふふふふふふふふふふふ・・・・・・・・・・・・・・・」


 女達は徐々に立ち上がりながら、その姿を二足歩行に適した身体へと変化させて行くと、男と言う獲物を狩る獣としての本能的思考に支配されしまい、その目が血走った目付きに成って居た。


「まままっ、まさか・・・・・・・」


「そそそっ、そんなっ!!そんな非常識な事は・・・・・・・・・・・・」



「あり得ますよっ!!この世界には、托生殖交配する事で、命を繋ぐ種族も多く居ますから・・・・・・・・・・・・」


「てててっ、事は・・・・・・・・」


「おおおっ、襲われるのかっ!俺たちはっ!!」


「男が女を強姦する話は、良く聞くが・・・・・・・・・」


「女が男を襲うのは稀な話で・・・・・・・・・」


「それは我々、地球人の間での話ですよ。」


「この人達は、生殖する事に関して、一部過剰反応する種族なのかも知れません。」


「なあ、聞きたいんだが・・・・・・」


「法的にアウトと言いたいですが、この場合は我々の側にも責任が有ります。」


「具体的には?」


「不用意に彼女達に近付いてしまった事です。」


「詰まり・・・・・・・」


「上手く逃げられなければ、自己責任と言う事に成りますね。」


「そんなっ!!これじゃっ!!丸で蜘蛛やカマキリの交尾と同じじゃないかっ!!」


「そんな事を言って居る場合じゃないぞっ!!直ぐに逃げないと、トンデモナイ事に成るっ!!」


「このままだと俺達は、あの女達に入れ代わり立ち代わり、四六時中子種を絞り取られ続けられるんだぞっ!!」


 ある職員が叫んだ言葉が、上手い例えだと言わんばかりに、思わず頷く調査団一同だっが、別の職員が『直ぐに逃げるぞっ!!』と叫んだ。


「それええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


「一人もお婿さん逃がすなあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーっ!!


「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」」」」」」

 

 怒涛の如く海獣人族と海獣妖精人族の女達は、獲物たる日本国南鳥島未開地方調査団の男達を追い掛けて行く。


 それは某素晴らしい異世界で冒険者を繰り広げて居るライトノベルの主人公の少年が、メスゴブリンの大集団に追い掛けられるが如くと同じような光景と言えた。


「「「「「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」


「「「「「ひええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」



 そんな事が有って男の貞操と言う命の次に大事な物を守る為に森の奥深くまで逃れる事と成った調査団は、其処で偶然にも別の種族であるコロロッポ小妖精族と出会い、事の子細を話すと彼らから自業自得と怒られた。


 その後、調査団の職員達は、コロロッポ小妖精族が間に入る事で暴走した海獣人族と海獣妖精人族達を何とか諫める事に成功する。



 その後はコロロッポ小妖精族の協力の下で調査団は、南鳥島と接して居るコロロッポ諸島の調査を無事に終える事が出来たのである。


 それからコロロッポ諸島の島民たちに対して、この地は国として扱うのか如何かを聞くが、めんどくさいから自治権を残してくれるの為らば、後は好きにして構わないと日本政府に、コロロッポ諸島の扱いを丸投げされてしまった。


 序でに海獣人族と海獣妖精人族達からは、日本人男性との正式な交流をと言う要望が陳情されてしまう。


 これは日本政府に対して、両種族の女達から結婚相手が欲しいから日本本土へと入国させて欲しいと言われた様な物であった。


 これに対して日本政府は、この手の問題を取り扱うと定めた交援省へ、竜史へと丸投をげした。


「はぁ~、今度は男性を襲う事も有る特殊な生活史を持った異種族ですか?」


「はい。それで政府はこの一件の取り扱いを・・・・・」


「受け入れるしか無いでしょうね。」


「ええっ?!」


「何でかを言いましょうか?」


「まぁ・・・・・・・」


「見慣れない男に慣れないから興奮してしまうんですよね。」


「だったら最初から慣れさせる様にするしか、手立てが無いんですよ。」


「貴方だって成人男性向けの雑誌を毎日見て居たら、流石に見飽きて、ある程度は無反応には成るでしょう?」


「・・・・・・コメントに困る様な。答え辛い、例えを言わないで下さい。」


「それと同じですよ。要はコロロッポ諸島内に住まう小妖精族の男性や海獣系人族の彼女達以外の男性と女性達が入植してしまえば、今回のようなケースは減って行く筈です。」


「それにコロロッポ諸島を日本国へと編入する事は、彼女達に取って安心して暮らす事の出来る土地で、平和裏に結婚相手を探せる絶好のチャンスと成る筈です。」


「デメリットを探す事よりも、お互いのメリットの有る事を上げて、その両方の意見を取り入られる様にする方が波風を立てずに済むってもんですよ。」


「なるほど、それは発想の転換ですね。早速、政府に意見書を纏めて提出しましょう。」・・・・・てな事に成った。



 まぁ、この一件ではコロロッポ小妖精族はツンデレさんな性格をしおり、相対する日本人に対して、とても冷めて目付きで見て居たが、海獣人族と海獣妖精人族に追われた日本国南鳥島未開地方調査団を助けた事で、友好的な関係を築ける切っ掛けには成ったと言えた。



 アースティア暦1000年・西暦2030年・5月15日・午前10時55分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・東太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・新日本国領・コロロッポ諸島県・南鳥島及びコロロッポ諸島中央部・コロロッポ島・コロロッポ諸島県庁所在地・コロロ市・コロロ小妖精族集落地区にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 此処からは話は再び現代へと戻る


「はぁ・・・胃が痛くなりそう」


 日本国亜人地域学術現地調査団の団長である小林は、一連の経緯やこの島住人達の特殊性に壁々として居た。


「待たせたわね。さて、貴方達の目的は、このコロロッポ諸島の視察だったわね。」


「はい。」


「だったら数日は関わるわよ。」


「それも了承して居ます。」


「そうじゃないわ。コロロッポ諸島県に派遣された日本政府の役人の男達以外で、船で乗り込んで来た未婚男性は、先んじて各海獣族の長達と集落を回って貰うわ。」


「ええっと、それって・・・・・・」


「ええ、面倒な事だとは思うけど、顔通しと臭い慣れをして置かないと暴走しかねないからよ。」


「あの子達は普段はのんびり屋さんで、とても大人しい性格をして居る子達なんだけれど、未経験の男が絡むと獣と化して、時に怪我人が出るほどの大騒ぎにも成るから、色々と面倒なのよ。」


「ここ数百年間は、外からは他種族が入る事は稀な話で、この島はずっと女の園だったから、他種族の男が絡む事に関しては、特に目が無いのよ。」


「家の種族の一部にも、居るから気を付けてね。」


「特に人間に化けて近付いて来る子達には、油断が為らない事も有るから、注意が必要よ。」


「分かりました。」



 コロロッポ小妖精族の族長であるソララ・二ルポの忠告で、この島での男性の一人行動は厳禁とされ、島内に成れていない男達は先んじて各島内の集落へと挨拶回りと言う名の体臭慣れを視察前にさせられる事と成った。

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