196話 空の勇者達よ、暗黒暗礁空域を駆けろっ!突撃せよっ!ザタン・アタック作戦っ!9

アースティア暦 1000年・地球西暦2030年・6月27日・午前9時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・アイリッシュ湖畔・ダバード・ロード王国・アルインランド州・州都・ベルクラネル市・ベルクラネル城各会議室・アイリッシュ湖・ガイダル諸島・ガイダル本島・ガイダル・タバ日統合隊基地にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 作戦開始予定時刻である午前9時のこと、日本国を中心とした地球海洋諸国連合同盟諸国とオローシャ帝国及びダバード・ロード王国を中心としたシベリナ地方王国連合同盟に属する五カ国連合とが連合を組んだ北部大陸間海洋国際平和維持連合軍、略称北国連合軍の軍勢は、アースティア暦 1000年・地球西暦2030年・7月1日8時30分までに所定の位置へと展開と作戦準備を完了させて居た。



 キイイイイイィィィィィーーーーーーーンッ!!とジェットエンジンを響かせながら、日本・アメリカ・台湾・ロシア・ドラグリアから成る奇襲攻撃を任された航空隊は、発進態勢を整え終え、出撃命令を今か今かと待ち続けて居た。



 北国連合軍・航空隊の先鋒第一陣部隊と成ったのは、神谷晶一佐と長谷川健児一尉らが率いるダバ派遣隊・第9航空団那覇基地所属・空自航空隊の第一中隊と第二中隊である。


 また、奇襲攻撃に際しての通過ポイントであり、危険地域でもあるザタン暗黒暗礁空域の道案内役として、ドラグリア白龍大帝国の大帝であるエリンが、先陣を切って案内をしてくれるらしい。


 そのエリンが先陣部隊に加わる本音は、最初から思う存分に暴れたいからだそうだ。


 序でに彼女はこの戦が終わったら友人たちの居るファイヤーランド亜大陸へと立ち寄って、チョイと一杯・・・・・10本のお酒と数十樽ものお酒を土産にして、自国に帰る積りで居た。


 それなので、サッさとゾルモン要塞軍団との戦を終わらせて、仲の良いお友達と酒盛りがしたくしょうがないと言うのが主な理由(本音)だった。


 だが、その宴会は、既にローラーナ帝国軍・第一方面軍・ユールッハ地方面制圧軍の手違いと言うか、事故的な失敗により、即終了のご破算と成ってしまって居る事をこの時点でのエリンは、まだ知らなかった。


 様々な思惑の入り混じる中で、北国連合軍の航空隊の出撃まであと少し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 アースティア暦1000年・7月1日・午前9時05分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ西部地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河西部中央流域地方・オローシャ帝国・オローシャ帝国東方地域・ウルス山脈・南ウルス山脈・南パイプ・ライン大河流域・東ユールッハ街道沿い付近・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 さて、ジャンブロー要塞基地周辺へと進軍中のローラーナ帝国軍艦隊の主な構成は、木造帆船型の空挺魔導力戦艦200隻。


 鉄鋼型の空挺魔導戦艦180隻。


 大型で400メール級の空挺魔導戦艦が7隻が現れていた。


 陸上にもホバー航行して来る300メートル級の陸上魔導力戦艦と100メートル級の駆逐級、巡洋級の陸上魔導力艦を併せて150隻の姿は見られて居た。




 ローラーナ帝国は旧第2次転移国家文明郡を吸収した国家地域や旧文明の遺跡を片っ端から押さえて、自分達が使える様に改良と試行錯誤を繰り返して制作させた劣化コピー版兵器群の量産型を兵器生産して使って居た。


 ローラーナ帝国に制圧された地域の国は、旧文明の遺産を使いこなせない事や忘れ去られたり、記録その物を抹消したりして居た為、その存在を知らなかった国であった為や、その他の数多の理由から侵略して来た帝国の数に任せる戦術であっさりと占領されてしまう。


 どうやらローラーナ帝国は、初期の侵攻先に選んだのは旧文明の遺産の遺産があり、使われていない地域を選んで居たらしい。



 次に王侯貴族の血統とその国の様々な遺産に、言い伝えられて居る魔法の宝具。



 そして、鉱物資源と人的な資源である奴隷と成り得る人口の多い地域だろう。


 様々な人的資源に使える奴隷を多く作る事で、ローラーナ帝国は、支配統治した国々の住人達を自国の労働力と兵力を無尽蔵に近いやり方で作れる国策を実施する事で、国力と軍事力を増大させて居た。


 格差の差が在り過ぎる身分社会と膨大な人口資源を持つ事、そして、武力による世界制覇と言う国家事業が、ローラーナ帝国社会の経済を600年間もの間、国を下支えし、維持して来たのである。



 対するオローシャ帝国は、先陣艦隊として派遣されて居たシェスカーナ・フローレイティア海軍中佐の自前の艦隊を中心として待機して居た。


 その魔導戦艦等は元宇宙戦艦であり、将来的に動力炉が危険物に成り得る事を見越して動力炉の全てを魔導力炉に改修し、600年もの間使われ続けて居る先祖伝来の戦艦で、現在は全能力の約7割を仕えない魔導戦艦として運用して居た。



 全長300メートル級魔導戦艦ベィビィ・ウルフを旗艦に同系艦が旗艦を含めて3隻。


 200メートルの重巡洋艦級が7隻。


 150メートル巡洋艦級が7隻。 


 100メートルの駆逐艦級が7隻。


 合計24隻の空挺魔導艦が、ジャンブロー要塞基地の地下格納庫からスライド式の発進ケートやトンネルの発進ゲート、その他の待機をしていた飛行場から飛び立って行く。



 その姿は丸で、リアルロボットアニメの金字塔たる世界にして、宇宙世紀世界に措ける南米大陸地下大要塞やはたまた昭和時代の特撮ヒーロー番組黄金時代に措ける怪獣・宇宙人が跋扈して居る地球世界を守ろうと、銀河星系の彼方から現れた白銀の宇宙人ヒーローと供に奮闘する地球防衛軍秘密基地と酷似して居るかも知れない。


 他にも彼女が有して居る6隻もの輸送艦が格納庫で待機して居た。




 フローレイティア艦隊の現在の状態は、日本国と日本の民間重工業会社の強力を得て、レーダーや通信設備等を含めた機械機器の導入された事で有る程度の不備が解消しつつあった。



 ジャンブロー要塞基地内の同地方には、 オローシャ帝国の各地と同地を守る為に集まって来たオローシャ帝国艦隊に所属する空挺魔導艦が60隻。


 その地上には陸上魔導艦が60隻も配備されて居る。


 オローシャ帝国の防衛艦隊は古いとは言え、防御と攻撃力は少し落ちて居るが、ロスト・オーバー・テクノロジーの塊である元宇宙戦艦隊の船ばかりである。



 巨人戦争時代に製造・稼働した居た物を長きに亘って、大事に大事に整備して、今日まで維持して来た自慢の艦隊だ。


 しかしながら、壊れたり故障したりすると使えないヶ所が増えて行き、攻撃の照準合わせは、手動で行って居たりして居た。


 魔導力式の主砲と副砲、魔法の矢が放たれる魔導機関弓砲に大型高出力砲であるハイマギ粒子砲と言う兵装が装備されて居る。



 さて此処で登場する魔導艦船に備え付けられて居る装備に付いても触れて置こう。


 ハイマギ粒子砲


 鋼鉄型魔導艦船に備えて付けられて居る大型高出力砲の事で、分かり易く言えば、リアルロボットが活躍する宇宙世紀世界に登場する宇宙戦艦に備え付けられて居る大型高出力ビーム砲みたいな感じ魔導光線砲の事を指して居る。



鋼鉄型魔導艦船・魔導主砲及び副砲


 所謂、戦闘艦船に備えて付けられて居る大砲の事で、砲塔の種類は二つに分かれており、魔導光線砲と弾頭型魔導主砲の二種類に分類されて居る。


その中には、対空戦闘を想定した、散弾式弾頭と言う弾頭種も在るらしい。


その威力は艦種によってまちまちで、交援省及び防衛省による調査よれば、大型魔導艦船主砲は、旧日本海軍・金剛型戦艦の45口径・36mm主砲クラスではないかとの報告があり、その他の艦種類の方も旧海軍が保有する艦船の主砲・機関砲と同等であると言う報告書を国会と総理大臣に提出して居る。 




魔導機関弓砲


 木造・鋼鉄型魔導艦船を問わずにあらゆる分野の艦船へと配備されて居る魔導型機関砲の事で、その名の通り魔導師が詠唱発現させた居るマジックアローを魔導錬金術加工によって造られた鋼鉄式矢弾に詠唱文字を施した事に由り、誰にでも扱え、尚且つ無詠唱でマジックアローを発射させられる装置のこと。


 その性能は地球世界の高性能20mm機関砲・20mm機関砲(JM61-M)35mm高射機関砲・12.7mm重機関銃・30mm機関砲・20mm機関砲等々と言った兵器の数々よりも発射速度が遥かに劣って居る。


 その上、威力は小銃よりやや強めの威力と言う中途半端な対空機関砲と成って居る。




 そんな性能を誇る歴史ある艦船を保有して居るシェスカの船で、辛うじて無事な設備と言えば、船の操作盤と艦内の生活設備が使えるくらいだ。


 レーダーやミサイル。自動迎撃システムに無線装置を含めた通信設備はとっくの昔に死んでしまって居る。


 今では宇宙(そら)にすら上がれない情けない宇宙戦艦と成って居た。


 しかし、その力はかなり落ちて居るが、ローラーナ帝国艦隊を追い返すだけならば、問題が無いのであった。


「地上の偵察監視部隊から伝令っ!!」


「ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地へと進軍して来て居ると思わしき、ローラーナ帝国艦隊は、地上と空から東ユールッハ街道を東周りに移動しつつ、ゆっくりと北上して向かって居る模様っ!」


「ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地周辺へと侵攻し、我が艦隊と接敵するまで、凡そ3時間っ!」


「なお、敵艦隊旗は、バラに湖上の城を描いた旗である模様っ!」


 地下格納庫で待機して居たフローレイティア艦隊の旗艦ベィビィ・ウルフの艦橋にある艦長席。


 その後方に在る艦長室では、艦内と要塞基地内の魔導力式スピーカーや伝声管等を用いて、外から偵察活動をして来て居る偵察隊の報告を伝えて来た伝令官の報告が、艦内と基地内に響き渡って居た。



 通信機械は使えなく成って居るが、伝声管と魔導力式スピーカーの類は有る為に、簡単な通信報告だけなら伝える設備が残って居た。


 伝声管を除いて、会話は出来ないが、一方的に伝えるだけなら出きる機械は、魔導力式として開発した物を使い、如何にかして生き残らせて居たのである。


 今後は日本国の取り引き関係で出きたコネクションを利用して、オローシャ帝国軍を含め、フローレイティア輸送商船商会の全艦艇の改修工事を日本国の重工業会社の造船ドッグや巨大工場では、今も艦船を交代させながら作業を進めて行く予定だった。


 それを反帝国同盟各国の全てに広げて行く事で、完璧に改善して行くのは、もう少しだけ時間が掛かる事なのだ。


「相変わらず趣味の悪い絵柄の艦隊旗が出て来たと言う事は、先陣艦隊としてやって来た艦隊は、ガルベの奴の艦隊か?」


「ガルベの奴めっ!また、性懲りもなく、この私にやられに来たかっ!」

 

 シェスカは近くに有った伝声管と無線式マイクを使ったスピーカーで艦内に命令を伝える。


 ちなみにガルベに付いては、以前にも説明したが、オデュッサ要塞の司令官で卑怯で嫌らしい戦略を練り、嫌がらせめいた戦を好んで仕掛けて来る嫌味な輩として、アースティア世界各地域の諸国に知られて居る人物の事である。


 趣味は旧時代の骨董品集めで、特に壷や絵画収集に執心らしく、世界中から金に糸目を付けないやり方で古美術品を熱心に集めていた。



 その風体と物言いと言った人物像と言うのは、丸で何処かの宇宙世紀に登場する壺を指で鳴らして愛でるサイド三公国軍大佐殿の様な御仁であった。



 シェスカは、そんなナルシストに酔い痴れるガルベの事を毛嫌いする位に大嫌いな人物として上げて居る。



 ハッキリ言って、あんなナルシストキザ野郎は、見て居るだけで、気持ち悪いと言っても良いと思って居た。



「全艦隊っ!!!総員に告ぐっ!!!これより我が艦隊はジャンブロー要塞基地より出港するっ!!!」


「各艦っ!!!各員っ!配置に就けえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!!」


 慌しく基地内と各艦内の中をオローシャ帝国軍の兵士や将校が動き回り、整備士達が、固定装置と発進ゲート装置を操作して居た。



 地上では魔導力式の対空砲台と迎撃砲台が顔を出して行く。


 岩陰や地面等に隠された門からから対帝国勢力側の共通量産機であるナイト・マギアのギア・ポーンと呼ばれる機体と重騎竜と言う種類であるトリプトドンも出撃して行く。


 それらに跨る竜騎士と配下の騎士達を騎乗させて、隊列を組んで出撃して行く姿が見られて居る。


「出るぞおおおぉぉぉーーーーっ!!!!急げえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!!」


「ロックを外せえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!!」


「ゲートを開けろおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!!」


「全てのロックを外したな?」


「はっ!!」


「よしっ!!整備班と非戦闘員は、格納庫から退避する。」


 各魔導艦が着艦場から台座ごと発進ゲートへと前進して行く。


 この場面を見てしまうと、何だかSF映画の様な光景が見れて居たが、魔法と科学が歪に交じり合って居るので、そんな部分が何処か変だった。


 発進ゲートの入り口の各所で魔導戦艦が、その姿を現した。


 山がスライドして這い出て来る発進ゲート。


 崖が開いて現れる発進ゲート。


 滝が真っ二つに割れて現れるる発進ゲート。


 地面がスライドして開く発進ゲート等々と、発進口の姿や様相も様々な物が設置されて居た。


 歩兵やナイト・マギアを含めた地上部隊も前線へと向って行く。


 両軍は約1時間半後には、ローラーナ帝国の国境から120キロ付近のジャンブロー平野の南部地域で激突して行く事に成る。

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