194話 空の勇者達よ、暗黒暗礁空域を駆けろっ!突撃せよっ!ザタン・アタック作戦っ!7
アースティア暦1000年・6月29日・午後14時10分頃・ユーラシナ大陸・ユールッハ地方・東方ユールッハ地方・リユッセル北欧同盟勢力圏・レイオス皇国・北部地域・ミンズク地方・ベラルージェ侯爵家領・ベラルージェ市・ベラルージェ市から南に8キロ付近・パイプ・ライン大河支流・ドナイナル川近郊周辺リユッセル北欧同盟艦隊・アルビオン王国軍艦隊・総旗艦・ペン・ビッグドラゴン内応接室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第3万次シュバルツバルド平原戦争が終結後に、リユッセル北欧同盟諸国は戦後処理を済ませ、6月27日にコーランド王国の首都であるルシャワナ市を出発した。
同行する人数は、王族・閣僚・貴族諸侯・商工会代表団・その他の各界業種代表団・軍部護衛・官僚等を含めると、その総人数は12万人を超えると見られて居た。
国際会議参加の為に、国を代表する人物や補佐する者と関係閣僚に、国の職務や経済を担う人々を大勢を連れての大遠征は、この世界では珍しい事では無い。
それにオマケとして、先の第3万次シュバルツバルド平原戦争で、ローラーナ帝国・第一方面軍団が、リユッセル北欧同盟諸国に攻め入った際に、手違いで色龍人族の一角でありファイヤーランド亜大陸に住まう赤竜人族の里に、流れて弾ならぬ、流れ魔導光線を撃ち込んでしまう珍事が起きてしまった。
その結果、其処に居合わせていた赤竜人族と黒龍人族達は、酒盛り宴会を台無しされ、竜人だけに逆鱗に触れる古事の如く、怒り心頭と成る。
結果、ローラーナ帝国・第一方面軍団は、第3万次シュバルツバルド平原戦争に措いて、リユッセル北欧同盟諸国に大敗戦と成ってしまい、それに加えリユッセル北欧同盟と赤竜人族と黒龍人族達は同盟をする運びと相成ったのであった。
赤竜人族と黒龍人族達は、赤竜人族の長であるバァーネデリア・レッドグリアこと、バーネッドと黒竜人族の長でクローディア・ルナルノワールことクロが一族の殆んどを引き連れて日本へと同行する事に成った。
何でも宴会を台無しにされた腹いせに、ローラーナ帝国と戦すると言うのと、此処数百年の間、彼の国は色々とやり過ぎていた。
竜人族の国や部族は特に帝国とは事を構えて、対立をして居る国は、エリンのドラグリア白龍大帝国だけであった。
それを所構わずに喧嘩を吹っ掛けて来るとは何事かと、バーネッドは豪語するまでに彼女達は、ローラーナ帝国に対して怒り心頭であった。
ローラーナ帝国は第3万次シュバルツバルド平原戦争での一件で 二部族もの竜人族の一族を敵に回してしまったのであった。
リユッセル北欧同盟艦隊は、230隻の大艦隊を編成し、ルシャワナ市からバリバルト海を経由して、レイオス皇国の北部一帯を流れるドナイナル川を上り、その一路をオローシャ帝国 へと目指して航行して行く。
リユッセル北欧同盟艦隊が東京へと向かう道すがらローラーナ帝国の襲撃を避ける為に、コーランド王国の南部を通るパイプ・ライン大河の本流から東へと向かわずに、支流航路を選択する念の入れよう。
本当ならパイプ・ライン大河を東に向かい、その途中からレイオス皇国へと入り、北部経由する方が楽で近い道のりなのであるが、ローラーナ帝国の横槍を嫌った為に、この様な遠回りの航路を選んだのであった。
しかし、今回は過去に余り例の無い大規模な国際会議を東洋の果てに現れたと言う異界国家、日本国で開催されると言う事で、彼の地へと大勢の国々が目指し、大挙して押し寄せようとして居た。
そのリユッセル北欧同盟艦隊は、オローシャ帝国からの伝令官がワイバーンに乗って現れ、緊急の報せを伝えて来た。
「何ですってっ!?ゾルモン要塞軍団がジャンブロー要塞基地へ向けて北侵を開始したですって?!」
伝令官の応対は、リユッセル北欧同盟の盟主国であるアルビオン王国の外務大臣を務めて居るカデレイカ・ルィビィルドン・ガウェイン・マイホークこと、通称はレリカが話を聞いて居た。
「はい。今から10日ほど前から、その様な気配を見せて居りました。」
「ですが、とうとう三日前の報せでは、ゾルモン要塞軍団はオローシャ帝国の在る北へと軍勢を差し向けて来たとの事です。」
話に出て来たゾルモン要塞軍団の最新情報とは?
三日前のアースティア暦 6月26日の午後に成って、ゾルモン要塞軍団がゾルモン要塞を出発し、その軍勢は北上を開始したとの情報を前線を警戒偵察中の偵察部隊からの報せが、サマーラ州皇帝直轄領・州都モルディナ市内に在るモルディナ城へと舞い込んで来たのであった。
「それでミランダさまは何と?」
「はい。援軍が到着するので、リユッセル北欧同盟の方々は、我らシベリナ王国連合の事はお気に為さらずに、お先に二ホンとお行き下さいと・・・・・」
「そう・・・・・・・」
報せを寄こしたミランダは、ゾルモン要塞軍団との戦は、自国内の事として、通り道として自国にやって来るリユッセル北欧同盟艦隊には、援軍を求める積りは無かった。
それに既に十分すぎる位の援軍が、ジャンブロー要塞基地の周辺に終結しつつあるので、今さら同盟友好関係に有るリユッセル北欧同盟の力を借りるのも悪いなぁ~と思って居たので、特に頼む積りは無かったのである。
「それで援軍はオローシャ帝国に近い近隣地域のシベリナ連合の国々から送られて来るのですの?」
「はい。ですが・・・・・・」
「その援軍参加国には、彼の異界国家である二ホン国が参加し、その同盟国であるアメリカ合衆国。台湾共和国。ロシア共和国。欧州諸島連合国(EU)等々の国々が参加するとの事です。」
「それは・・・・・」
余りにも予想外の所から来ると言う、援兵の内容を聞いたレリカは、思わず言葉を詰まらせた。
(これは流石に予想外ですわ。)
(ですが・・・・この事に対して、我が国とリユッセル北欧同盟は、如何なる行動を取れば良いのでしょうか?)
リユッセル北欧同盟の盟主国であるアルビオン王国として、国益と外交安全保障を考えた場合、如何なる行動に打って出るのか?
レリカは、この一件にアースティア世界に措ける歴史の分水路を感じて居たので、暫し考え込む。
(・・・・・やはり、外務卿としてのわたくし一人で、決めて良い事では無いですわね。)
「貴方、この後のお時間は有りまして?」
「はっ、皆様の返事を貰い受ける位の時間は、御座いますが・・・・・・・」
伝令官はリユッセル北欧同盟への伝令は済ませたので、往路の伝令を聞いて帰るくらいの持ち時間は有る様だった。
即ち、彼は手紙や短時間での小会議をしての決議をお伺いをしてから帰る事も可能だと答えたのである。
「これからリユッセル北欧同盟各国代表の方々に緊急会議を召集し、1時間で会議を済ませますので、その間はお待ち下さいませ。」
「はっ!」
レリカはリユッセル北欧同盟の主だった首脳陣を集めて短時間で小会議を行う決断をした。
アースティア暦1000年・6月29日・午後14時30分頃・ユーラシナ大陸・ユールッハ地方・東方ユールッハ地方・リユッセル北欧同盟勢力圏・レイオス皇国・北部地域・ミンズク地方・ベラルージェ侯爵家領・ベラルージェ市・ベラルージェ市から南に8キロ付近・パイプ・ライン大河支流・ドナイナル川近郊周辺・リユッセル北欧同盟艦隊・アルビオン王国軍艦隊・総旗艦・ペン・ビッグドラゴン内会議室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
レリカは、リユッセル北欧同盟艦隊が東へと航行したままの状態で、各国の要人が乗艦して居る旗艦へと使者立てて、アルビオン王国軍艦隊・総旗艦・ペン・ビッグドラゴンの会議室へと緊急招集を掛ける事にした。
事は一刻を争う事態でも有るので、時間を余り掛けられないと言う理由から、簡潔な説明とゾルモン要塞軍団によるオローシャ帝国・ジャンブロー要塞基地への侵攻をリユッセル北欧同盟として、如何するかの選択を2択に絞って提案する。
一つ目は、リユッセル北欧同盟艦隊の主力艦隊で、ジャンブロー要塞基地へと侵攻して来るゾルモン要塞軍団に対して、西側から奇襲攻撃を仕掛けると言う物。
敵はジャンブロー要塞基地を制圧し、オローシャ帝国全土を制圧する事が目的だ。
それに対して、シベリナ連合と地球連合の連合軍は、鶴翼の陣形式の待ち伏せで敵を迎え撃つのが狙いと成って居た。
レリカは伝令官から主な情報を聞いて、ジャンブロー要塞基地の地図を頭の中で描く。
彼女は外務大臣の地位に在るが、アルビオン王国軍の円卓騎士団の一角であるガウェイン斬鉄騎士団を率いて居るので、軍事に関しての事も非常に詳しい才能を持って居るのである。
そんな彼女がシベリナ連合と地球連合の連合軍が、一番に助かる敵への一撃はどの辺りかを考えると、答えは単純だ。
北部大陸間海洋国際平和維持連合軍こと、北国連合軍に釘付けに成って居るゾルモン要塞軍団に横槍を突いてやれば良いだけなのである。
それも絶妙なタイミングで、リユッセル北欧同盟艦隊が敵軍艦隊へと突入すれば、ゾルモン要塞軍団は、間違いなく総崩れを起こす筈である。
古今東西の大軍と言うのは、チョイと突いて躓かせるだけで、簡単に転んで総崩れを起こすのはお決まりと言う物。
しかもリユッセル北欧同盟艦隊の奇襲作戦は、シベリナ連合と地球連合からなる北国連合軍とゾルモン要塞軍団の両勢力からすれば、予定に無い有り得ない奇襲攻撃。
その効果は如何にと言った所に成るだろう。
そして、二つの目の提案とは、ミランダの言う様にし、その言葉通りに甘えて、日本へと向かう為に素通りすれば良い。
援軍に来てとは言われて居ないのだから、素通りしても外交的には問題無いと思われたからだ。
それに向こう側も、援軍が欲しいと言って来ないのは、外交上的にリユッセル北欧同盟に対して、気を使っての事だろうと思われたと推察したレリカ。
更には日本の援軍が来るから、間に合って居るとも受け取れても居る。
そんな理由を並べれば、無理にでも戦地に行く必要ないと言える。
レリカは提案を提示すると、採決を取る事に成る。
その結果とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「では、我らリユッセル北欧同盟は、戦に決するとします。」
「当然だ。ドズールの木偶の坊を叩きのめさんとなっ!!」
「うん・・・・我らの怒り・・・・収まらない。」
特にこの参戦に賛同する事を推したバーネッドとクロは、食い物と酒の恨みは末代まで祟るぞっ!!と言った感じて賛成して居た。
・・・・・と成ると、リユッセル北欧同盟の首脳陣も最強種の一角とも言われる竜人族の2部族が戦に参加すると成ると、ローラーナ帝国とゾルモン要塞軍団に対して、物凄く強気に出られると言うもの。
そんな雰囲気の中では、リユッセル北欧同盟の首脳陣は、大きくゾルモン要塞軍団との戦には前向きな意見が出そろう。
当然ながらアルビオン王国の聖騎士王であるリリアルカーデ・アルタイル・アーサー・ペンドランゴンことリリィも俄然やる気に成る。
「紅葉達に会いに行くの邪魔する奴ら・・・・・片っ端からぶった切るっ!!」
ああ、何だか物騒な連中ばかりが、ゾルモン要塞軍団との大戦に前向きな様子。
ドズールとローラーナ帝国は、知らず知らずのうちに大きな敵をたくさん作ってしまったらしい。
こうして、リユッセル北欧同盟は、ローラーナ帝国とゾルモン要塞軍団と戦う事を決意し、南から北進するゾルモン要塞軍団が迫って居るジャンブロー要塞基地の西側から、予想外の奇襲攻撃を仕掛ける事を決定した。
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