193話 空の勇者達よ、暗黒暗礁空域を駆けろっ!突撃せよっ!ザタン・アタック作戦っ!6

アースティア暦1000年・6月29日・午前9時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ西部地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河西部中央流域地方・オローシャ帝国・オローシャ帝国東方地域・ウルス山脈・南ウルス山脈・南パイプ・ライン大河流域・東ユールッハ街道沿い付近・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


この東南に位置して居るウルス山脈地方を守るジャンブロー要塞基地は、ジャンブロー平野から南へと進んで行くと、ローラーナ帝国領である東南ユールッハ地方と目と鼻の先に在るのだ。


 オローシャ帝国に取って、ローラーナ帝国と接して居る国境の守りを固める為に重要な拠点である。


此処から南西へと空路と山路の街道を進むと、ローラーナ帝国が、対ジャンブロー要塞基地とユールッハ地方との国境付近を攻防を繰り広げて居る一大拠点であるオデュッサ要塞が築かれて居る。


 そのオデュッサ要塞の近辺には、ローラーナ帝国の重要な戦略物資が手に入れる為の鉱山脈地帯であるオデュッサ鉱山脈地帯とバラドン鉱山脈地帯が点在して居た。


 オデュッサ要塞が在る地点とは別方向であり、ジャンブロー要塞基地からは北西へと進むと、ローラーナ帝国との国境付近から東へと600キロ地点に在るのが、ガルゴニア要塞と言う要塞が在る。


 その要塞は、オローシャ帝国の西口へと続く街道とリユッセル北欧同盟と呼ばれるユールッハ地方の北側の国々との国境地帯一帯をローラーナ帝国側は睨んで居る。



 さて、このジャンブロー要塞基地には、ローラーナ帝国が定期的に嫌がらせめいた軍勢が時より現れる事が有る。


 この近辺の守備を交代で守って居る者の1人でもあるシェスカーナ・フローレイティアは、オローシャ帝国の海軍中佐であり、現在の年齢は20歳。


 親しい友人などからシェスカと呼ばれて居て、紅葉とは付き合いの深い親友の1人に数えられる女性だと言うのは、以前にも良く説明して居る事なので、詳しい事は、此処では省かせて頂く。


 シェスカは4月の終わりに東方地域の定期運送航海の仕事を済ませる為に、コヨミ皇国の賀谷野藩・賀谷野市へ訪れて居た。


 彼女は予定して居た南方地域諸国との商談契約を別の商船商会に委託して、別の依頼を受けろとと言う命令が、オローシャ帝国政府から通達が成されてしまう。


 しかも、別途に掛かる負担金は、オローシャ帝国政府が払うからと半ば強引に、政府からの依頼を彼女の商会に捻じ込んで来たのである。


 その無理やりな事をしたのは、紅葉だとシェスカは察してしまう。


「全く、面倒な事を・・・・」と愚痴を溢したが、その後に出会った依頼者と言う奴らは、彼女からすれば、トンデモナイ者達だった。


 その依頼仕事を済ませた後のシェスカは、東方地域の仕事を終わらせた帰国後には、自衛戦力を持って居る商船商会や自衛行商隊(キャラバン隊)を持った商会が故国義務とされて居る自国の国土の定期防衛任務であるジャンブロー要塞基地の定期防衛任務に就く事と成って居た。



 シェスカが東方地域を訪れようとして居た時期には、日本を始めとする異世界国家が転移して来て居た事で、アースティア世界中が大騒ぎと成り始めた居た頃である。


 龍雲海沖海戦でのローラーナ帝国軍の敗戦と異世界国家転移が起きて、異世界国家群が現れたと言う事実をオローシャ帝国が聞かされたばかりで、陸路での旅行者や船旅をして居る多くの者達が、まだまだ新しい世事の出来事に疎かった時節。


 オローシャ帝国が日本知った経緯は、コヨミ皇国・ダバード・ロード王国・ラクロアナ王国・アルガス公国・アセリナ王国・ドラグリア白龍大帝国の順番に伝わり、オローシャ帝国は、諸般の事情の手続きと遠方と言う地勢的な理由から、大使館から本国政府に伝わるのが、一番最後に成ってしまったからである。



 急報の報せは、ダバード・ロード王国のオローシャ帝国大使館宛に向けて、コヨミ皇国のオローシャ帝国大使館から届けられた日本国の資料のカタログとコヨミ皇国の皇室からの書状が添えられながら届けられて居た。



 それと似た様な時期にダバード・ロード王国のアーヤ・シュチュ―ド女王が日本へ供に行かないかとミランダ・ランティー女帝に向けてお誘いする手紙を送って居た。



 そう言った経緯で日本国を知り得たオローシャ帝国は、ダバード・ロード王国のアーヤ・シュチュ―ド女王が計画した。


 日本での国交樹立交渉計画の第一弾政策として、ガイダル諸島改装工事計画をシェスカを筆頭として国内に籍を置く自衛戦力を有する船舶商会にと供に手伝う事で、日本国との交渉を有利にするための地均しをする事に成ったオローシャ帝国。



 そんな多国間の国策事業に巻き込まれたシェスカは、最初こそ文句と愚痴を言って居たが、日本国と言う異世界の科学技術文明を持って居る国家と直に接触した事で、新たな販路と契約先に恵まれた事で、大喜びと成って居た。


 何せ、フローレイティア輸送商船商会の売上高は前年比の40パーセント増強されたらしく、その売上高は異世界国家との交易で、更にうなぎ上りと成る見込みさえ付いて居たと言う。


 その内20パーセントのお金は、三葉重工業を始めとする日本企業が船体の修繕改装費へと消え行くので、「もっと稼がないと」とシェスカは心を新たにして、職務に励んで居た。



 そのシェスカが駐留部隊として待機して居るジャンブロー要塞基地に、今まさに危機が迫ろうとして居た。


ローラーナ帝国・第四方面軍・東南方面制圧軍・ゾルモン要塞。


通称名・ゾルモン要塞と言う。




 それはローラーナ帝国南東部の防衛拠点にして、東方勢力を征伐平定をする為に作られた難攻不落の大要塞である。




 ローラーナ帝国軍・第四軍団司令官にして、ローラーナ帝国・第四方面軍・東南方面制圧軍こと、ゾルモン要塞軍団を率いて居るアーノルド・ドズール大将の魔の手が、シェスカとオローシャ帝国へと迫って来て居た。 



 本来なら絶望しか無かったこの状況に救いの手が差し伸べられようとして居た。




 フローレイティア艦隊旗艦の魔導戦艦ベィビィ・ウルフの艦長兼艦隊司令官室の席で、オローシャ帝国の若き女帝であるミランダから、緊急の伝令官が訪れていた。


「何っ!?援軍ですってっ!?」


「はっ!!その通りでありますっ!!!」


「それは有り難い。」


「正直に言って、我が家の大事な船乗り達の大半を失う覚悟で居たが、そうか・・・・・日本を始めとする大艦隊が、此方に向かって来て居るのか・・・・・・・」


「作戦の都合上で、詳細は申せませんが、ミランダ陛下のお話では、援軍到着と援軍の準備が整う予定日まで、フローレイティア艦隊とジャンブロー要塞基地防衛軍には、何としてでも最低半日は、基地防衛を持たせて欲しいと事です。」


「そう言われても、戦力的には微妙な所だな。」


「場合に由っては、先陣に向かう前線の全ての戦線で、先陣艦隊がズタズタに成るやも知れない。」


「其処は何とも言えませんが、ミランダ陛下とアーヤ陛下のお二人からは、援軍は必ず派遣するから、どうか踏ん張って欲しいと仰って居られましたので・・・・・・・」



「ミランダ陛下とアーヤ陛下のお二人が、必死に成って搔き集めてくれた援軍が来る事だけが、救いか?はぁ~、これ以上の贅沢は言えないか・・・・・・」



「分かった。此処までして貰って居るんだ。此処が踏ん張り処だろう。」


「ある程度は改装艦された我が艦隊の習熟訓練にも丁度良い筈だ。」


「(まぁ・・・・半分は沈められた程度くらいは覚悟して居るが、決算では・・・・・赤字で済めば良いなぁ~・・・・・)」


 シェスカは艦隊の半分がお釈迦にされたら、赤字に成るだけで済めば良いと愚痴を心の内で零して居た。


 日本で格安と言う形で、直してもらったばかり魔導空挺艦隊。


 シェスカが先祖代々から受け継いで来た艦隊旗艦のベィビィ・ウルフもまた、設備が整いつつあるガイダル諸島で、三葉造船重工業と三葉重工業の技術者達の下で、第一次改装が終わったばかりだった。


 直したのは通信機器とレーダーに電子配線回り、上下水配管に充電器。


 後はミニガン等の対空火器くらいだろう。


 魔導関係は下手に弄れないので、太陽光発電でバッテリーに充電をさせて、稼働が出きる機器を優先した内装工事をしたので、後の改装工事は任務が終わってから日本の長崎に向かう予定で居た。


 それがトンデモナイ相手と戦う事に成ろうとはと、シェスカは内心ではハラハラとしつつも、経営者として冷や汗を掻いて居たのであった。


 その心中では・・・・破産しなければと・・・・・・・・・


「如何か為さいましたか?」


「いや、経営者としての悩みだよ。」


「はぁ?・・・・・・」


(どう見ても、この全ての事柄に、紅葉が動いて居る影が見え隠れして居る。)


(紅葉。お前は今、何を企んで居る・・・・・・・・」 



 日本が動くと言う世界情勢の陰で、コヨミ皇国第一皇女である紅葉の動く影が見え隠れして居る事を敏感に感じ取るシェスカであった。


 彼女は死す定めに近い運命に遭ったが、日本と紅葉とそれに操られる様にして、必死に働いて居る竜史と言う存在が、良くない運命の輪からシェスカを救い出す結果となったのである。

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