191話 空の勇者達よ、暗黒暗礁空域を駆けろっ!突撃せよっ!ザタン・アタック作戦っ!4

アースティア暦 1000年・地球西暦2030年・6月27日・午後15時18分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・アイリッシュ湖畔・ダバード・ロード王国・アルインランド州・州都・ベルクラネル市・ベルクラネル城各会議室・アイリッシュ湖・ガイダル諸島・ガイダル本島・ガイダル・タバ日統合隊基地本部会議室を含めた各待機施設内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 めかし込んで居るその姿は、エリンの最高容姿に変身して居る姿たる大人エリンである。


 170センチの背丈に、銀髪ロングヘア、プルンと揺れる豊満で豊かなバスト、白いドレスを見に纏って居た姿に、一同は言葉を忘れた。


 今では、だらしのない姿とやる気のない性格がバレて居るダバ派遣隊一同に対して、取り繕う事も、その姿を隠す事すらしなくなった自由竜人族の白龍大帝様は、まだ見られていない相手に対してだけは、物凄く気合いを入れた格好をして、人前に立って居たのである。


 「今日はサービスじゃ」と言って、初めて姿を見せる地球系転移国家連合軍の将兵に対して、その偉大なる美しさと権威ある勇ましさを見せ付けようとして居た。


 そのエリンが張り切って貴賓席に座って居たが、空軍のパイロット達のたじろぐ姿を見て、思わず怒鳴り声を上げてしまう。


「小僧どもよっ!安心せいっ!」


「ザタン暗黒暗礁空域を突破する際は、我らドラグリア白龍大帝国の精鋭たる白竜騎士団と我が種族の眷属たる白龍たち供に、貴様らが飛ぶ事に成って居る空路の道案内と飛行ルートの確保をさせる。」


「お主等は何も心配せずとも、真っ直ぐ飛んで行けば良いだけじゃっ!!!」


「分かったかっ!!!尻の青いっ!!!鼻たれのガキ供おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!!」


 威勢の良い啖呵を切ったエリンの言葉に静まり返る。


(あちゃー、エリン様っら・・・・・)とリナ


(フォローしてくれるのは有り難いが・・・・・)と置鮎一佐


(まだ貴女に成れない人が多いですから、もう少し自重をして下さい・・・・・)と井上一佐。


(ふっ、尻の青い餓鬼共には良い薬だ・・・・)池田空将補。


(もうーっ!!エリンったらっ!!!はぁ~)と呆れるユキカゼ。


「・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」



「「「「「「「ヒヤッホオオオオオォォォォォーーーーーーーーーっ!!!」」」」」」」


 第一声の雄叫びを上げたのは、こう言ったノリが大好きな国風の有るアメリカ軍の仕官達だった。



 それも飛び切りの美女からの・・・・・しかも、彼らが一番に好きそうな開放感溢れるボンキュッボンのスタイルな女大帝様からのお言葉ならはせ、尚更であった。


「「「「「「「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」」」


「イヤッホーっ!!!こいつは良いやっ!!!」


「ああっ!!こんな美女の背中を追いかけて飛んで行くだっ!!!」


「不安どころかっ!!!得したってモンだぜっ!!!」



 エリンの一喝は、彼らの顰蹙を買う処か、真逆に戦意が高揚してしまったらしい。



その興奮しまくる男共の中に女性仕官も混じって居るのだが、その表情は呆れ顔だった。


「男って・・・・・」


「ホントに・・・・・」


「女の色気で・・・・」


「動くんだから・・・・」


「ふっ・・・・・・・・・」


「死ねば良いのに・・・・・・・」


「くううっ!!あんな女は滅びば良いのに・・・・・・・・」と言うスレンダーウーマンは、どこぞのAカップ美少女の様な毒舌で悪態を吐いて居た。


 これがイケメンだったら、男共が呆れてしまう所だが、軍と言う所は殆んどが男性が多い。


 この世界とは真逆である地球系転移国家軍の者達は、エリンの一喝で大いに奮い立ったと言う。


「ああ、あの・・・・・エリン様。激励のお言葉を賜り有り難うございます。」


「うむ。」


 上手い具合に、エリンの話を早々と締め括る置鮎一佐。


「では・・・・話を続ける。」


「先ほどエリン様のお話にも入って居たが、ザタン暗黒暗礁空域に突入に際して、ドラグリア白龍大帝国の精鋭たる白竜騎士団と眷属龍である白龍族達が道案内と飛行ルートの安全を確保してくれて居る。」


「浮遊する魔導石は、全て退かしてくれるので、後はパイロット達の技量の問題だ。」


「突破に自信が無いと思う者は、所属する軍の指揮官に早めに申し出て欲しい。」


「それと、各航空隊が奇襲攻撃を行い。残団と燃料が無くなると判断した際の後退先は、オローシャ帝国・東方地域・フローレイティア州領の南部地域に在る飛行場を予定して居る。」


「この地を治めて居るフローレイティア家の話では、600年以上前の旧時代には、ジェット機やロケット式の飛行兵器や輸送機の離発着場だったらしく。」


「宇宙船の乗り入れ口としても使われて居た場所だったらしいとの事だ。」


「今は魔導錬金術で固定化魔法が掛けられ、長い間状態を維持された形で保存されてい居り、半月前から陸自の施設科の手入れが入って居る。」



「今では稀に使うだけの半ば放置されて居た施設だが、固定化魔法のお陰で保存状態も大変に良く。」


「簡単な補修工事を行うだけで、今すぐにでも着陸が出来るそうだ。」


「今は燃料タンクを運び込まれ、帰りの給油所として万全の体制を整えて居る。」


「それでも間に合わいと言う者は、ガイダル・タバ日統合隊基地・北部大陸間海洋国際平和維持連合軍・総司令部に直ぐに連絡する様にっ!」


 因みに、ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地への救援軍としてガイダル・タバ日統合隊基地へと集まった軍勢の名称は、交援省と日本政府・防衛省・外務省などか゚各国政府と調整した上で命名される事と相成った。


 日本政府は、かなりの数の国々が連合軍へと参加したので、北部大陸間海洋国際平和維持連合軍と言う長い名前を付けた。


 各派閥勢力に配慮した上での余りにも長い名前故に、略して北国連合軍と言う名前に落ち着いたと言う事を付け加えて置く。




「連絡があり次第、直ぐに給油機を向かわせる。」



「以上が、ザタン暗黒暗礁空域に関する奇襲作戦の概要である。」


「続いて、地球系転移国家陸軍の展開予定に付いてだが、陸上自衛隊を中心に各国の揚陸艦と輸送艦で移動し、ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地から5キロ後方の係留湖に一斉上陸し、各部隊を展開。」


「装甲の厚い車両と魔導機兵を中心に進軍。」


「各国の砲撃部隊は、その後に続きつつ、指定された地点に移動し、砲戦の準備に取り掛かる。」


「我が国の特科隊に所属する88式地対艦誘導弾隊・20両と多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS)隊・20両は、敵から見て西側に展開させる。」


「これにより、東の航空隊と西に展開した対艦誘導弾発射装置との挟み撃ちの態勢が取れる事に成る。」


「次に残る航空戦力である空母部隊とヘリ部隊の投入だが・・・・・・・・・」



 置鮎一佐によって作戦説明が次々と為されて行き、作戦会議は最後の時を迎えて行く。



「敵主力軍と本隊がジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地の深くまで誘引させ、味方の魔導戦艦隊と地球系転移国家艦隊の一斉攻撃で囲み。」


「東側からシベリナ連合のドラグリア白龍大帝国の白竜騎士団の白竜騎士と、それに跨るアセリナ王国・聖天使騎士団の聖天使騎士。」


「ジェット戦闘機航空隊の奇襲攻撃を仕掛け、西側からは対艦誘導弾と日米空母機動部隊が奇襲攻撃を仕掛け、半包囲を形成する形で取り囲む。」


「其処に地球系転移国家各国の戦闘ヘリ中隊とヘリ部隊。オローシャ帝国軍・ダバード・ロード王国軍の竜騎士航空隊と共に中央から追い打ちを掛ける。」


「後は敵との根気比べだが、無理に打ち勝つ必要はない。」


「我々のやる事は、敵ゾルモン要塞軍団の主力本隊を出来限りジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地に釘付けにして置く事が、この戦いでの勝利条件だからだ。」


「敵がジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地の攻略に夢中に成って居る隙に、南方からは別動隊であるアメリカ艦隊と航空隊。」


「それと欧州連合艦隊と航空隊とスリランカ空軍等が、敵ゾルモン要塞軍団の本拠地であるゾルモン要塞への奇襲爆撃を敢行する。」


「敵がその事に気が付く頃には、ゾルモン要塞の施設と兵器の大半は、瓦礫と鉄屑の山に変わって居ると言う訳だ。」


「以上で本作戦の全ての説明を終了する。何か質問は有る者は?」


 置鮎一佐が質問の受付をしたが、反応無しであった。


「では各部隊、各自の最終準備に取り掛かってくれ。」


「各艦隊の出発は明朝4時。指定された艦隊から随時出港と成る。」


「ガイダル・タバ日統合隊基地に待機する各国航空隊と、随伴するリナ君と聖天使騎士部隊は3日後に出動命令が有るまで待機。」


「くれぐれも体調管理に気を付けるように・・・・・・・・」


 置鮎一佐は問題児的な変わり者の性格が多いアセリナ王国・聖天使騎士団の聖天使騎士に一応の釘を刺した言葉を言って置く。


「あはは・・・・耳が痛いな。」


 リナは、ハンナを含めたアセリナ王国・聖天使騎士団の事を置鮎一佐が、見張ってくれと、遠回しに言って居るのを察したのである。



 聖天騎士達が持っているエクスプロン・ランサーから放たれるエクスプロトンバスターと言う爆裂魔砲は、ある意味奇襲には持って来いの魔法だからである。


 それに合わせて白竜騎士団の白竜騎士ドラグバスターが撃たれば、鬼に金棒と言える。


 置鮎一佐も悪趣味な奇襲戦術を考えた物である。

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