190話 空の勇者達よ、暗黒暗礁空域を駆けろっ!突撃せよっ!ザタン・アタック作戦っ!3
アースティア暦 1000年・地球西暦2030年・6月27日・午後15時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・アイリッシュ湖畔・ダバード・ロード王国・アルインランド州・州都・ベルクラネル市・ベルクラネル城各会議室・アイリッシュ湖・ガイダル諸島・ガイダル本島・ガイダル・タバ日統合隊基地本部会議室を含めた各待機施設内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アースティア暦 1000年・地球西暦2030年・6月27日・午後15時00分頃。
日本・アメリカ・ロシア・台湾・ダバード・ロード王国・アセリナ王国・ドラグリア白龍大帝国を含む7ヶ国から成る軍の将校と作戦に参加する兵士達は、地球系転移諸国側が用意した映像中継に由って、指定された所定の建物へと集められて居る。
ゾルモン要塞軍団の侵攻が差し迫って居るジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地へ事態が、大きく様変わりした事で、ドラグリア白龍大帝国政府もエリンが視察旅行から軍事作戦への参加を正式に決めた。
その関係で本国から、正式な正規軍である白竜騎士団や眷属龍である白龍達が、到着して来て居た。
この世界で初めてと成る、異なる異世界国家同士の合同軍事作戦であり、ローラーナ帝国軍の要塞と主力地方軍団の両方を相手取った壊滅作戦。
この中継映像は、日本国・防衛省と交援省、総理官邸と欧州連合諸島の欧州連合軍・統合防衛省本部ビルとも繋がって居た。
中継方法として、衛星と高主力電波塔を使った中継装置に由って通信が成り立って居た。
だが、この通信網も設備と装置が整って居る地域限定のやり方だった。
各国の将校等は、固唾を呑んで、モニター画面を見入って居た。
また、日本を始めとする各国の報道機関には、作戦に関する報道は、まだされて居らず、作戦終了と共に一連の軍事行動の理由が明かされる手筈と成って居た。
まぁ、そろそろマスコミ側も騒ぎ始めて居る頃合いで、マスコミ各社のトップは、政府から嗅ぎ付けても国家機密の観点から報道規制命令を出す様に・・・・との通達が成されて居た。
そんな関係で、素っ破抜いた記者の一部は、直属の上司や会社の社長に幹部らから、待って居ろとのご命令が下され、がっくりとしたらしい。
各社もコヨミ皇国・ラクロアナ王国の一部に護衛付きで取材人が入って居る関係で、万が一日本国内で報道される様な情報であっても、ローラーナ帝国側から見れば国家機密に当たると思われてしまう可能性も捨てきれない。
北朝鮮工作員による密入国して他国の国民を平然と拉致誘拐するよう事にも成れ兼ねないし、そう言った観点からも日本国政府としても、国外での活動して居る邦人がうっかり漏らしてしまった些細な民法報道を聞き付けた、ローラーナ帝国の密偵による拉致誘拐による身の安全が保障が出来ないと、マスコミ各社には警告されて居た。
それなので、スクープの一番乗りが出来ないと言う不満は有る物、この辺りのキチンとした社員達やフリー記者たちの身の安全と言う理由が有ったので各社は黙って従って居たのであった。
その代わりに、防衛省と各国軍の記録班がキチンとした記録を残して、各社平等に情報提供を行う事に成って居た。
さて、地球系転移諸国軍とシベリナ地方王国連合同盟軍が合流したガイダル・タバ日統合隊基地は、アイリッシュ湖畔に浮かぶガイダル諸島を中心とした25の小島の諸島群で、600年も前の古い飛行場遺跡が25カ所が在る所でもある遺跡改修基地である。
現在は日本国政府が防衛省を通じて自衛隊に命じ、飛行場と港施設を改修して、連絡拠点であるガイダル・タバ日統合隊基地として使って居る。
後の歴史に置いてのガイダル・タバ日統合隊基地は、アースティア大戦の戦時中から戦後の数十年間の間に掛けて、国連軍の軍事拠点と治安維持の為に国際駐留部隊の拠点として使われ続けた。
その後、大所帯と成って居た軍事基地としては手狭と成って居たガイダル・タバ日統合隊基地に駐留する国連軍とダバード・ロード王国軍は、新基地が南部に出来た事に由り、其処へと移転する事に成った。
その関係で、ベルクラネル市の商用港として更なる再開発が始まるのと同時にダバード・ロード王国の国営空港へと成るべく、その権限がダバード・ロード王国へと移管されて行く。
その後にアルインランド州と州都・ベルクラネル市の管理する下で、ダバード・ロード王国・ガイダル諸島国際空港とし使われ、アルインランド州・州都・ベルクラネル市のベルクラネル港と、シベリナ大陸横断鉄道のベルクラネル駅と合わせた大陸の人と物流の大動脈として使われる事に成って行く。
そのガイダル・タバ日統合隊基地本部会議室の壇上には、置鮎一佐が立って居た。
向って左右には、各国軍の上級将校と佐官級幹部が座って居る。
その反側にはダバード・ロード王国の辛口冷淡な女王であるアーヤが近衛隊隊長のカリン少佐と護衛騎士、自国の将校らと共に座って居た。
会議室に居並んで座って居るのは戦闘機乗りと海軍の主な艦長に陸上部隊の佐官に尉官達であった。
例外として、エリンにリナとハンナが佐官席に座って居る。
この3人は、それぞれの立場から特別扱いと成って居る。
「それでは、作戦会議始める。」
「作戦開始まで時間が無く、大変にバタバタとして居るが、日本国・防衛省で検討して居る作戦プランの説明に入る。」
「作戦を行うに当たり、予定して居た作戦を大幅に変更する事が決まった。」
「これは地球系転移国家の本格的な援軍が加わった事が要因だ。」
「正面のプロジェクターを見てくれ。」
会議室は暗くなり、置鮎一佐の右脇に在るスクリーンに作戦概要が掛かれて居る。
画面には日本語で書かれて居るが、シベリナ連合側はコヨミ皇国語と同じなので、スラスラ読めると共に、意訳と理解が出来ていた。
だが、地球系転移国家軍側では、手元の資料に英語表記で書かれて居た物を事前に配布し、読み進めていた。
まぁ、この世界では言葉の通訳は要らないが、文字の翻訳が居ると言う面倒な事に成って居る。
幸い軍人の類は英語での会話と熟読は、必須な所が多い為か、めんどくさい事態は避けられて居た。
そうでないと、数か国語の資料を印刷しなければならないと言うめんどくさい事務作業に追われる事になるだろう。
それをしなくて済むのは幸いと言えた。
「当初は我がダバ派遣艦隊、オローシャ帝国艦隊、ダバード・ロード王国艦隊。」
「ドラグリア白龍大帝国白龍騎士団、アセリナ王国聖天使騎士団と援軍であるアメリカ艦隊と航空隊でのゾルモン要塞軍団の迎撃とゾルモン要塞への奇襲空爆が予定されて居た。」
「だが、作戦参加国の大幅な増加と兵器装備の充実により、展開が出きる作戦の幅が広がった。」
「其処で総指揮を執る事に成った日本国政府と防衛省は、作戦プランの変更を決定し、ゾルモン要塞軍団とゾルモン要塞の完全なる壊滅作戦を敢行する事を決定した。」
「この作戦により、ゾルモン要塞軍団とゾルモン要塞は向こう数か月から数年間の間は、反帝国同盟諸国への軍事作戦が取れなく成る。」
「その間に反帝国同盟諸国は、反撃の準備期間と国力の立て直しと増強を図る。」
「これが本作戦の主な目的だ。」
「続けて、作戦概要に入る。」
作戦地域の主にマップが3つ表示される。一つはユーラシナ大陸の地図、測量は行われて居ないが、凡その立体地図が出来上がって居た。
これも交援省の仕事の成果と言えた。
二つ目はオローシャ帝国・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地の地域に措ける地図。
3つ目はゾルモン要塞と、その南側諸国の地図だった。
「先ず、ダバ派遣隊を中心とした本隊艦隊と陸戦輸送艦隊及び空母機動艦隊は、オローシャ帝国東方地域・サマーラ地方平原。」
「サマーラ州皇帝直轄領・州都モルディナ市のオローシャ帝国艦隊とオローシャ帝国陸軍の主力と各兵科地方部隊と合流。」
「合流した艦隊は、同地からパイプ・ライン大河を通じて南西へと下りながらジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地に通じる支流と運河を通って、水上艦隊は係留湖と呼ばれる各種艦艇及び水上艦隊係留専用の自然湖や人工湖に配置待機。」
「空挺魔導艦隊と陸上魔導艦隊は、前線へと前進し、指定された待機地にて敵軍を待つ。」
「次に航空部隊は、航空自衛隊の神谷一佐の航空隊を第一派攻撃隊として、この基地から21キロ先の南西空域に在るザタン暗黒暗礁空域へと突入して貰う。」
「置鮎一佐殿っ!質問でありますっ!」
「ザタン暗黒暗礁空域とは何でありますか?」
手を上げたのは台湾空軍の大尉のパイロットだった。
「貴官は・・・・台湾軍・リー大尉か?今からそれを説明する。」と言うと、台湾軍・リー大尉の第3航空隊・第二中隊の隊長である彼は、上官から緊張のし過ぎだ。
焦るなと生温かい言葉を掛けれらてしまう。
無理も無い。
彼にとっては、これが初の実戦だったからだ。
それも難しいミッションである聞かされて居た為に、緊張感から気が流行ってしまったらしい。
今や台湾軍の敵とは、某国の解放軍では無く。
隣国の西方バルバッサ帝国同盟と言う事実が明らかと成り、今まで以上に警戒感に駆られて居ると言う話だ。
「ザタン暗黒暗礁空域、それはこの基地から南西15キロほど進んだ上空千メートル前後にある積乱雲と魔鉱石の浮遊岩石に囲まれた魔の空域と言われて居る地域の事だ。」
「話によると、こんな場所を通り抜けて飛んで行くバカは、竜人族か龍族等の強靭な肉体を持った種族に限るらしい。」
「この世界の空戦のエキスパートの一角である飛行竜騎士ですら、危険極まりない事から絶対に避ける場所らしいとの話だ。」
「その理由は魔鉱石の浮遊岩石の多さと、真黒な積乱雲に視界が狭まれ、落雷や突風、時より大雨すら有る余りにも危険で、過酷な環境下ので飛行は、飛行竜騎士のベテラン仕官や飛龍乗り冒険者すでらも裸足で逃げ出すらしい。」
「おいおい・・・・・」
「大丈夫なのか?」
「そんな危険な空域、ホントに飛べんのかよっ!?」
「これはアクロバット飛行の選手権じゃねえんだぞっ!」
「飛竜って、確か・・・・・・」
「ああ、旧式のプロペラ式戦闘機くらいは速度が有るらしいっ言う、空飛ぶトカゲだな。」
「ホバリングする飛行機みたいだとも資料には、有ったな。」
「それでも突破は難しいと成ると・・・・・・」
「音速で飛び回るジェット戦闘機は、もっと無理だろうっ!」
「SF映画じゃあるめぇーし、無理だって・・・・・・」
余りの無茶ぶりに、各国のパイロット達は怖気づいてしまう。
それだけ過酷だと言う雰囲気だけは伝わり、実戦経験の多い米空軍やロシア空軍のパイロット達でも二の足を踏んでしまって居た。
台湾空軍に至っては、近年では初の実戦である。
どのパイロットも十分な訓練を積んで居るが、初の大舞台が危険空域を突破しての奇襲攻撃の任務。
怖気づいてしまうのも、仕方がない事かも知れないのだった。
「ピーピー喚くなっ!!ガキどもっ!!!」
「「「「「???!!」」」」」
不安がるパイロット達は、一斉に声がした方へと目をやる。
其処には、人前では珍しく、めかし込んで居たエリンの姿があった。
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