168話 最後の戦いへ・・・・・追撃戦っ!ジャパンッアーGoーーっ!!4

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前16時50分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島南部・ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地周辺水域・ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地から西へ8キロ付近・グリクス地方軍団・レジェンダリア諸島遠征軍・艦隊旗艦司令部・グリクス地方軍団・グリクス地方艦隊総旗艦ドッコス・ギアレス級空挺戦艦オクト・ガレオン内及び日シベ合同作戦軍各部隊内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ユイが率いる特戦魔弓兵中隊は、追い付いたグリクス地方軍団へと一斉に弓を構えた。


「各隊っ構えるニャアアアアアァァァァァーーーーーーっ!!!」



「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!全てはユイ(ナンジョルノ)様の為にーーーーーーーっ!!」」」」」


「「「「「ユイ(ナンジョルノ)様のバンザイイイイイイィィィィィーーーーーーっ!!」」」」」」



「オラオラっ!ユイ(ナンジョルノ)様からのご命令だっ!キリキリ動けえええぇぇぇぇぇーーーーーっ!!!働きやがれえええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーつ!!」



「全部隊行くっにゃああああぁぁぁぁーーーーーーっ!!」


「撃つニャアアアアァァァァーーーーーーーっ!!!」



 猫獣人族のユイは、何時もの如く、ニャーニャーと語尾を付けて、部下の親衛隊的なヘスティア騎士団の特戦魔弓兵中隊に所属する者達を激励鼓舞して、攻撃命令を発する。



「各員っ!1本100万エイリスの高級魔導杖を構えええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」


 えっ!?一本100万エイリス?何て贅沢な杖だろうと思わず突っ込んでしまいそうに成る大豪商のマオ大尉によるポケットマネーの使い方。


 それを部下に平気でポンと上げてしまうマオも如何なんだろう?


 因みに硬貨と通貨の価値と単位に付いては以下の通りと成って居る。 


 貨幣 単位 エイリス 1エイリス 1円


 1エイリス銅貨 1円

 5エイリス銅貨 5円

 10エイリス銅貨 10円

 50エイリス鉄硬貨 50円

 100エイリス鉄硬貨 100円

 500エイリス銀貨 500円

 1000エイリス銀貨 千円

 1万エイリス金貨 1万円

 白金貨 10万円

 王金貨 100万円


 と言った具合に、大豪商のマオが、如何に高価な値段が付く高級魔導杖を惜し気も無くポンと使って居るのが分かるだろう。




「ファイヤーボールっ!!!」



「「「「「「「ファイヤーボールっ!!!」」」」」」」


 大豪商のマオ大尉の魔導師隊500人は、1本100万もの値段が付くと言う高級魔導杖で、特大のファイヤーボールを撃ち放った。


「みんなーっ!!行けえええぇぇぇーーーーーっ!!!」


「ギャオオオオオォォォォォォーーンッ!!!」


 セッテ少尉は、空から飛竜航空隊を率いて、火炎弾を撃ち放つ。



「閣下っ!お時間ですっ!撤退の準備が整いましたっ!!」


「生き残った艦艇は、僅かに7隻か?」


「はい・・・・・・・」


「無念です・・・・・」 


「閣下、撤退のご命令お早くっ!」


「艦艇が立ち往生している者達は、撤退する輸送艦の乗り込みの間に合いませんっ!!」


「彼らは最後の抵抗をすると、我らに手旗信号にて、最後の通信を伝えて居ります故・・・・・」



「分かった。居残った者達の献身的な忠誠心に感謝する。」



「・・・・・全艦出港せよっ!!!」



「はっ!!全艦っ!!出港するっ!!!」


「寄港地はキリランシャロ山脈大要塞基地っ!!!出発うううううぅぅぅぅぅーーーーーーっ!!!!」



 グリクス地方艦隊は、6月20日の午後17時05分頃に、レジェンダリア諸島から全面撤退して行くのであった。


「逃がすなっ!!」


「こちら89FV隊。各車ATM-2全弾発射するっ!」


「目標っ!敵魔導艦隊っ!」


「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」


 

 89装甲戦闘車隊は、回転砲塔の両脇に備え付けられた79式対舟艇対戦車誘導弾を全弾を一斉発射する。


 目標はガミトフを始めとするグリクス地方軍団幹部達が乗船している空挺魔導艦隊である。




 バシュッ!ゴオオオオオォォォォォーーーーーーーーーーーーーっ!!


 ・・・・・・・・・ドッカーン!!!


「各車撃てっ!」



 椎名三佐も各車に命令して続けて撃ち放つ。


 ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


 ダンダンダンダンッ!ダンダンダンダンッ!ダンダンダンダンッ!ダンダンダンダンッ!



 ズダダダダダダダダダダダダダダダダッ!ズダダダダダダダダダダダダダダダダッ!ズダダダダダダダダダダダダダダダダッ!ズダダダダダダダダダダダダダダダダッ!


ドカドカドカッカーンッ!!ドカドカドカッカーンッ!!


ドカドカドカッカーンッ!!ドカドカドカッカーンッ!!


ドカドカドカッカーンッ!!ドカドカドカッカーンッ!!


ドカドカドカッカーンッ!!ドカドカドカッカーンッ!!


ドカドカドカッカーンッ!!ドカドカドカッカーンッ!!





 各車の砲弾と誘導弾は、定められた目標地点へと命中し、爆発を起こす。


「おおおっ!」


「うわわっ!」


「ぐううっ、構うなっ!前進を続けよっ!」



 誘導弾は一部の区画を破壊したが、ガミトフは、それに怯む事無く突き進んで撤退して行った。



 この最後の戦いで生き残った戦艦群は、僅かに7隻である。



 脱出に使われた輸送艦30隻は、日シベ合同作戦軍側の判断で、ワザと見逃して貰えたと、後世の歴史家は見て居るが、公式な記録には残って居ないらしい。


 如何やら日シベ合同作戦軍に参加した各国の軍幹部らは、置鮎一佐と共に口裏合わせをしてくれた様である。


 但し、公式な記録として撤退する敵の抵抗が激しく、討ち漏らした艦隊が多かったと各国の公式報告書には書かれて居るが、各国の首脳陣と国防大臣らも口裏を合わせての公式見解と記録を付けて居るとの話もされて居るが、真実は闇の中と成って居た。


 生き残った艦艇は、ガミトフ中将のドッコス・ギアレス級空挺戦艦オクト・ガレオン。


 オバム大佐のドッコス・ギアレス級空挺戦艦オクト・パレス。


 ダニーガン中佐のアレキ・サンジェルス級魔導空挺戦艦・ドアーレとカバディ少佐のアレキ・サンジェルス級魔導空挺戦艦・ドアレス。


 それに加えて、運よく生き残った空挺駆逐艦が2隻と成って居るとの公式記録が在る。



 グリクス地方軍団側の戦死者数が、40万人以上で、3万人が無傷か軽症。


 重症者数と中傷者数が併せて2万人との報告が有るが、戦時中の事なのと、余りにも多く動員された将兵の多さから、正確な数字での記録が残って居ないとされて居るようである。



 この戦いで、シベリナ連合と日本国とその同盟諸国側は、パイプ・ライン大河の中央から東方に掛けて利権と交易圏に加え、軍事的な北部一帯に巨大な勢力圏を手に入れたと言えた。


 グリクス地方軍団の支配地域は大きく後退を余儀無くされ、再建までかなりの時間を要する事に成ってしまうのだった。


 ガミトフ中将は、最前線基地と軍用都市であった、グリクス要塞とグリクス市を放棄し、グリクス地方軍団の司令本部を南に在るキリランシャロ山脈大要塞基地へと移し、シベリナ連合を始めとする反帝国同盟諸国に対して、再起を図ろうと奔走して行く事に成るのだ。


アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前17時36分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島南部・ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地周辺水域・ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地・日シベ合同作戦軍各部隊内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 日シベ合同作戦軍は、占領されて居たジャイアガル軍港基地を奪還に成功する。


 グリクス地方軍団とガミトフ等は南へと逃走して行くとP-1哨戒機改から上空監視からの報告を受けていた。


 

 日シベ合同作戦軍は、近隣に点在しているグリクス地方軍団の支配地域を徹底的に破壊し尽くす事を決定する。


 作戦実行をする為に、後方から陸自派遣隊の特科大隊に所属している多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS)20両と88式地対艦誘導弾20両を呼び寄せ、残弾の許す限り誘導弾を撃ち込む事と成ったのだ。



 また、ダバ派遣艦隊の全艦隊も、陸自の対艦装備の届かない距離に有る敵拠点を攻撃するべく行動を開始して居た。


「こちらMLRS隊。目標設定の最終チェック完了」


「こちら88SSM隊。目標設定の最終チェック完了」


「こちらダバ派遣特科大隊指揮所、了解した。各隊っ!!発射よーい・・・・・・・」



「撃てっ!!」




ゴオオオオオォォォォーーーーッ!


ゴオオオオオォォォォーーーーッ!


ゴオオオオオォォォォーーーーッ!


ゴオオオオオォォォォーーーーッ!


ゴオオオオオォォォォーーーーッ!


ゴオオオオオォォォォーーーーッ!


ゴオオオオオォォォォーーーーッ!


 多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS)20両と88式地対艦誘導弾20両の発射口から敵拠点撲滅の為に、第一波のミサイルが撃ち出されて行く。



 ジャイアガル軍港基地に展開している特科隊の目標は、グリクス要塞とグリクス市を中心とした、湖周辺に点在している要塞や砦等の数ヶ所を狙い撃ちにする予定である。



 一方のダバ派遣艦隊も内陸部への攻撃態勢を整え終えていた。



「こちら日シベ合同作戦軍及びダバ派遣艦隊・総司令部。各艦隊へ・・・・・・目標っ!グリクス地方軍団内陸部拠点軍。撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!!」



 置鮎一佐の命令で、各艦から一斉に誘導弾が大空へと舞い上がる。





 その様子をP-1哨戒機改3機が見詰めていた。


「凄いな。」


「全くだ。国内演習やリムパック演習でも、こうは行かないな。」



 差し詰め誘導弾撃ち放題のバーゲンセールと言った所だろう。


 防衛省は中々消費し辛い古い型番の物をこれを機会に一新したい積もりでパーッと花火を打ち上げて居ると言う裏事情が有ったりする。



 だって国内じゃ、ソコソコの値段をして居るミサイルの生産が、防衛省が発注依頼をし、経済産業省と三葉重工業株式会社が音頭を取る形で、カワカミ重工・常陸那珂製作所・スバル星重工重工業株式会社と言った航空宇宙産業に強い工業株式会社によって急ピッチで進められて居た。


 

 序に打ち上げロケットの部品が流用出きてしまうと言うコストダウン方式も取られて居るのだから、製造業の企業の方々に取っても、とても美味しい話と成っていた。


 将来的にはミサイルの受注が日本が中心に成ると見られて居る。


 そうなれば少なくとも、防衛機密が如何なんだろうとか言って、輸出がし辛い状況は避けられる可能性も有るのだ。


 その話に台湾企業とタイ企業、それにインドネシアのジャカルタ市とロシア共和国のウラジオストク市にある工業会社も一口乗りたいと、それぞれの在日本国大使を通じて来て居るが、外務省と経産省、それに防衛省らは、ミサイルの共通規格の共同生産と言う前代未聞のこと故に、その返答を先延ばしにして居るらしい。


 さて、ダバ派遣隊の一隊が、北シャッポロ川河口から南へと向って居た。


 その一隊とは、はやぶさ隊を率いて居る石井三佐達であった。



 彼の率いるはやぶさ艇は、とても小回りが利くので、北シャッポロ川を南へと下り、点在している敵拠点を上空で待機して居るP-1哨戒機改や哨戒ヘリの誘導の元で、主砲を用いて拠点基地を潰して回って居た。


「如何やらグリクス地方軍団の各重要施設はも我らに敗戦確定した事で、何所も彼処も蛻の殻の様だな。」 


「では置鮎一佐に進言して砲撃を止めますか?」



「いや、破壊しなければ、盗賊や夜盗の類の拠点に成る恐れが有るとシベリナ連合の軍幹部は言って居たな。我らにして見ればテロリストの拠点を残してやるようなものだ。」



「そう言う所は、地球と変わらないんですよね。」


「全くだ。向こうでははた迷惑なテロリストや武装勢力の拠点に成ってしまうのが関の山だった。それでNATOの連中は地球各地で大損害と被害を被ったからな。」



 グリクス地方軍団の去った基地群を破壊して回る理由は、敵に使わせないと言う理由以外で他にも有った。


 それは盗賊等が俳諧し、その拠点とされる事である。


 そうなれば対岸の国々に取っては別の意味で被害が出て来る恐れが有るから、念には念を入れて破壊して回る必要が有るのであった。



 後日、サミットでの会議で、この戦いで掛かった費用をシベリナ各国が分担する形で負担したいとの申し出が有った。


 その支払いで一番に高額のお金を支払ったのが、ドラグリア白龍大帝国で、金塊や銀塊に加えて大量の宝石類と各種鉱石の開発利権を対価とした。


 二番目がオローシャ帝国とダバード・ロード王国は、世界共通貨幣であるエリス貨幣を金貨で支払いつつ、国内の再開発・未開発鉱山の利権と油田・天然ガスなどのエネルギー資源から得た余剰利益で支払いと形で収まる。



 3番目はこの戦いの当事国であったアルガス公国とちょっとだけ貧乏国兼食料貿易国であるアセリナ王国であったが、分担金の支払いに付いては、硬貨による金銭くらいしか払える物が無いので、支払いがやや少な目と成っていた。 



 特に戦って居なかったラクロアナ王国とコヨミ皇国は、払わなくて良いとも関係国から言われて居るが、気持ち程度の支払い行われる事と成った。


「経費が掛かるが、周辺地域の治安維持目的と言われてしまえば、無視出来んから致し方ない。」



「各艇へっ!撃ちかーたよーいっ!!」


「撃てっ!!!」



 石井三佐は愚痴を呟きながらも、粛々と任務をこなして行くのであった。


 全作戦が終了したのは、夕方の午後18時10頃であったと言う。



 一時的な混乱と危機的な状況も遭ったが、結果的に見れば、日シベ合同作戦軍側の圧勝である。


 ダバ派遣隊は事を終えると、暫しの休息を取るのであった。






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