110話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦 (闇夜に燃えるカントルナ砦 12)
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前3時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・ レジェンダリア諸島東部・カントルナ島・カントルナ砦・東側ブラキュリオス湖水上付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダバ派遣支援艦隊に所属し、二つに分けられた艦隊の一つ、第4艦隊は、ダバ派遣艦隊の第1艦隊撤退を支援するべく、命令が有るまでの間、待機をして居た。
「こちら前線総司令部の旗艦かが。第4艦隊・旗艦あさひへっ!!」
「現在カントルナ島・カントルナ砦周辺にて、戦闘中の全艦隊、全部隊に対して撤退命令を下す。」
「第4艦隊は、同島周辺水域に突入し、敵艦隊への砦総攻撃の阻止と遅延作戦支援作戦に従事している第1艦隊及び味方陸上部隊の撤退を支援せよ。」
「此方あさひ。了解っ!!」
「第4艦隊に所属する各艦へっ!!これよりカントルナ砦総攻撃の遅延作戦支援作戦に従事している第1艦隊の撤退を支援するっ!!」
「第4艦隊全艦隊っ!!作戦水域へ突入せよっ!!!」
第4艦隊は、旗艦あさひ艦長の出撃命令が出されると、第4艦隊は、はるなを先頭にして、作戦水域へと突入して行くのだった。
一方、第1艦隊旗艦きりしまでは、15回目の周回突入攻撃をして居た。
「此方前線総司令部旗艦のかがっ!!」
「敵空挺艦隊に動き有り、敵援軍が現れ、此方に向って居るとの情報が有ります。」
「前線総司令部は、展開中の各部隊の撤退準備が整い次第、撤退命令を下します。」
「第1艦隊は、第4艦隊の支援を受けつつ、即時撤退行動に移って下さい。」
「第1艦隊旗艦きりしま了解っ!」
「撤退よっ!!!第4艦隊が現れたら北上して、そのま本隊と合流するっ!!」
「石井三佐との連絡を密にしてっ!!!」
三石二佐は、敵陣深くに切り込んで敵艦隊を混乱さて居るはやぶさ隊を取り残さない様にする為に、連絡を蜜にする事と撤退するタイミング計るのだった。
「第1艦隊を視認。主砲っ!攻撃始めっ!」
はるな艦長の攻撃命令で、73式54口径5インチ単装速射砲×2基が砲撃が始まると海自艦隊の撤退が始まった。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前3時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・ レジェンダリア諸島東部・カントルナ島・カントルナ砦内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
激戦が続くカントルナ砦。
その東側では、砦の守備隊を逃がす為に、殿として居残っる予定の陸自中隊とクリス・ハンナ・リナの3人で必死に敵の大軍を防いで居た。
「アルガス軍の馬車部隊、これが最後の出発便だそうです。」
「我々の撤退に使う車両は予定通り、高機動車3両。」
「牽引して有った120mm迫撃砲は、既にヘリで空輸し終えて居ます。」
砦内ではヘリ部隊が、展開していた陸自各部隊の隊員達を引き上げ始めていた。
東門の陸自中隊は、殿として引き上げタイミングを伺っていた。
既にアルガス公国軍の援軍部隊と砦守備隊は、部隊全員の引き上げが終わり、完全に撤退を終えていた。
「こちら黒田。カウント10で、撤退支援の為に援護攻撃を行う。」
「東門に居残って居る各員は、至急退避されたし、繰り返す、至急退避されたしっ!!」
「了解っ!」
「直ぐにクリス君達に伝えろっ!!!」
黒田宗近一尉が率いるアパッチ部隊による撤退支援の為に行う援護攻撃の最終勧告が砦東門に居残る陸自隊員らに伝えられる。
中隊長は、部下に更に敵の眼前で、敵軍の侵攻を防いで居るリナ達に撤退をする様に伝えろと命じた。
「クリスさーんっ!!あと10秒で戦闘ヘリが来ますっ!!」
「直ぐに撤退してくだーさーいっ!!!」
「戦闘ヘリ?」
「あー、あの風車みたいな回転翼で空を飛んで居て、固定した翼にいっぱい鉄槍がぶら下がって居る奴?」
「だとしたら、我らはこのままじゃ・・・・ガタガタブルブル。」
ハンナは、あの戦闘ヘリの凄まじい攻撃の嵐に巻き添いに成る事を想像して、思わず身震いし、恐怖してしまう。
「でも・・・・この目の前の敵を止めないと、あたし等の撤退なんてしている暇がないんじゃ・・・・」
「リナは下がれ、私が最後に・・・・・」
「いやいや、それじゃ、装備が重くて足の遅いクリスが・・・・」
「お前が魔法で援護してくれくれれば、何とか。」
「いや、身軽で火力あるあたしの方が。」
「そんな事を言ってる場合かっ!!」
「もう直ぐ戦闘ヘリとやら来るんだぞっ!時間が無いっ!」
「下手したら逃げられない。そしたらあたしが、アリスの奴に怨まれる。」
「良いから、私に任せろって。」
「だーかーらーっ!」
「それなら間を取って我に任せ・・・・・」
「アンタが残ると一番更に面倒に成るわよっ!」
「お前が残ると一番更に面倒に成るんだっ!」
うっわーっ!!いがみ合って居るのに、うっかりさんへのお笑いトリオの様なオチ役への突っ込みだけは、息ピッタリだ。
流石は幼馴染だと言った所だろう。
「ひっ、酷い言われ様であるっ!!」と魔導槍エクスプロン・ランサーを構えながら凹んでしまう。
其処に朗報が入る。
「こちらRCV隊。東門に居残る3名に対して、援護する。」
「クリスさーんっ!!左から援護しまーすっ!!撤退してくださーいっ!!」
どうやら自衛隊の何れかの幹部が気を回してくれたらしい。
「ふっ、無用な心配だったな。」
クリス達は、自分達が一先ず逃げられる時間を得た事に安堵する。
「だったら、アンタを盾にして逃げた方が正解だったかしら?」
リナは軽い冗談を言って後退しながらクリスをからかう。
「冗談言ってないで、逃げるぞっ!」
「ってハンナはっ!?」
リナのジョークに真面目に応えるクリス。ふと気が付くとハンナが何時の間にか居ない事に気が付く。
「あっち・・・・・」
リナは東門の方向に指を指す。
「早っ!!」
リナの指差す方向には、ハンナがスタコラさっさと逃げていた。
敵に向う勇ましさ、もとい、見栄を張った姿は何所へやらである。
余程アパッチの攻撃に巻き込まれるのが怖いらしい。
同時にRCV隊こと87式偵察警戒車隊からの25mm機関砲の援護射撃を始めた。
「要支援者3名っ!撤退支援射撃よーいっ!」
「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーっ!!!」
ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!
ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!
ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!
ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!
ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!
「なっ、何なんだっ!?」
「右ですっ!右から攻撃ですっ!!」
「むうっ!!何処だっ!!どの辺りからだっ!?」
「分かりませんっ!!」
砦に攻め掛かって居るグリクス地方軍団のある一部隊の隊長は、突然の攻撃に面を喰らい、困惑して居た。
直ぐに味方に盾を構えさせつつ、指揮する高位の階級の上官らは地面に伏せる事で敵からの攻撃を何とか避け様として居た。
だが、それでも近くの味方の兵士等は、弾が盾を貫く金属音を響かせ、次々と討ち取られて行く。
敵の攻撃は丸で暴風の様に、暴虐な限りを尽くすかの様な攻撃を彼らに加えていた。
「こちらカントルナ砦最後尾。」
「要支援者3名の撤退と収容完了した。」
「そちらも撤退されたし。送れ。」
「了解した。送れ。」
「撃ち方止めっ!全車っ!順次っ!撤退せよっ!」
「殿者は、敵に牽制を攻撃を加えつつ撤退っ!」
「了解。」
ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!
ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!
ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!ダダダダダダダダッ!!!
87式偵察警戒車隊は、最後尾車が敵に向かって牽制の射撃をしつつ、1号車から車両の方向転換をしながら、随時撤退を始めた。
3人が逃げ出した調度その時、黒田一尉率いるアパッチ部隊が、カントルナ砦東門の上空に現れる。
「カウント9・8・7・6・5・4・3・2・1。」
「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」
ブロロロロオオオオォォォォォーーッ!!!
ブロロロロオオオオォォォォォーーッ!!!
ブロロロロオオオオォォォォォーーッ!!!
ブロロロロオオオオォォォォォーーッ!!!
ブロロロロオオオオォォォォォーーッ!!!
ブロロロロオオオオォォォォォーーッ!!!
ブロロロロオオオオォォォォォーーッ!!!
アパッチの30ミリ機関砲が、カントルナ砦の東門に指し迫るグリクス地方軍団の上陸軍に対して、凄まじい暴風の如く襲い掛かる。
ある者はミンチにされ、死亡した事すら分からないままに幸福の内に天へと召され、運良く生き残った者は、身体の一部を引き千切られており、即死した方が楽だったと思う程に、その直後に全身に地獄の様な激痛が襲い掛かる。
その中には、数時間から数日掛かって死ぬ者も出て来る筈だろう。
黒田一尉は、7機のアパッチで、念入りに30ミリ機関砲を3分間撃ち捲くると、空対空ミサイル「スティンガー」と70ミリロケット弾・ヘルファイヤーを景気良く攻め駆けて来る敵目掛けて撃ち込んで行く。
その光景は、正に地獄の黙示録と言えたのであった。
「皆さんっ!こっちっ!こっちですっ!」
「早くっ!早くっ!」
自衛官は駆けて来た3人を早く来る様に促す。
迎えに来ていた高機動車3両の内、1両が走り出して居た。
残った2両はクリス達を脱出させる為に居残って居たのだった。
「ハンナさんは前の車両へ、クリスさんとリナさんは手前の車両に乗って下さい。」
「クリスさん、手持ちの盾を床にっ!」
「頼む。」
クリスは魔導盾を4人の自衛官らに渡して車内へと運び込む。
この盾は、魔力を操る心得が無いとソコソコ重い代物である。
「ハンナちゃん。その槍を床のこの場所に置いてっ!」
「分かったのである。」
ハンナも車両移動する時に、一番に邪魔に成る魔導槍エクスプロン・ランサーを指定された向きと位置に固定して貰う。
「準備完了しました。」
「乗り遅れた者や居残った者は居ないな?」
「はいっ!確認済みですっ!」
「良しっ!行ってくれっ!」
2両の高機動車が走り出す。
同時にアパッチのフルファイヤーが終わりを告げて、発砲音と発射音が鳴り止んで居た。
「「「「「うおおおおぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
自衛隊の攻撃が止め始めた隙を突いて、カントルナ砦へと一番乗りを果たしたグリクス地方軍団の一隊は、ギリギリの所で逃げ出して行く2台の車両を目撃し、攻め掛かる事が叶わず、そして、間に合わずにそれ等を見送ってしまうのであった。
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