102話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦 (闇夜に燃えるカントルナ砦 4)
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前2時13分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島東部地域・カントルナ島から西へ6キロ付近・ゲースター島・ゲースター島北部湖畔浅瀬にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先行したAAV7水陸両用車10両から下車した陸自隊員らが、上陸地点を確保し、周囲を警戒態勢に入る。
各輸送艦、揚陸艦から発進して行く陸自車両の先頭を成ったのは、87式偵察警戒車8両・偵察用オートバイ10台である。
これらは上陸すると直ぐに小隊を組んで、周囲の広範囲に向かって偵察に出て行く。
お次は高機動車10両駐車であった。その後部に120mm迫撃砲を牽引しての登場だ、続けて軽装甲機動車12両。
96式装輪装甲車5両。89式装甲戦闘車5両。87式自走機関砲8両。
16式機動戦闘車4両。10式戦車12両。11式式装軌車回収車2両と続いて行く。
最後は82式指揮通信車1両。1/2トラック2両と31/2tトラック11両が出て来ると、いよいよ進軍である。
「全車両各部異常無しっ!椎名三佐、出発準備整いましたっ!!」
「よしっ!全車前進せよっ!!」
「クリス少佐殿っ!こちらも準備整いましたっ!」
「こっちも前進だっ!!」
海自の揚陸部隊の西側では、アルガス公国軍の揚陸も終わり、荷馬車が組みあがると、87式偵察警戒車8両・偵察用オートバイ10台が先頭と成って、全部隊がカントルナ砦へと向って行く。
アルガス側の指揮官としてクリスが先頭の馬車に乗って居り、その後部車内にはリナとハンナ、それとアセリナ聖天使騎士達が座っていた。
陸自の車両等は、エンジン音を響かせ、勇壮なる前進車両行進を開始し、カントルナ砦に向かって突き進んで行く。
その途中、ゲースター島とカントルナ島の間に、東西約6キロに渡る車両4列分の浅瀬が広がって居る所が在る。
此処を日シベ合同軍の車両群が、隊列を組んで渡河して行く。
この場でAAV7水陸両用車10両は、一旦、合同軍の本隊から別れてカントルナ島の北側に回る。
これは障害物の多い陸路を避けて、水上からカントルナ砦への救援を素早く向かう為である。
87式偵察警戒車8両と偵察用オートバイ10台は、そのまま変わらず目的地へと前進を続けて行く。
日シベ合同軍が、カントルナ砦に到着するまで凡そ22分であった。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前2時21分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・ レジェンダリア諸島東部・カントルナ島・カントルナ砦にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日シベ合同軍が、カントルナ島に渡河を始めていた頃、グリクス地方艦隊を中心としたグリクス地方軍団が、カントルナ島を東と南から半包囲しつつあった。
包囲を完了を終えたオバム大佐は、カントルナ砦を攻め落とすべく、攻撃命令を下した。
「者共っ!掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!」
「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!」」」」」
「何某かの功績の有る者は、褒賞と昇進を与えるぞっ!!」
「速やかにっ!!レジェンダリア諸島を攻め取るのだああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!」
「「「「「帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!」」」」
「「「「「帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!」」」」
「「「「「帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!」」」」
「「「「「帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!」」」」
「「「「「帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!グリクス地方軍団万歳っ!!!」」」」
グリクス地方軍団の将兵は、砦を落とそうと、雪崩を打って砦へと攻め入るのであった。
その頃、防衛側たるカントルナ砦内では、帝国の地上軍であるグリクス地方軍団の先鋒部隊に包囲され、強襲攻撃に晒されていた。
「援軍が来るまで持ち堪えるニャアアアアアァァァァァーーーーーーーーーっ!!!」
「「「「「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」
「「「「「全ては、美しくて可愛い、ユイ・ナンジョルノのさまの為にいいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!」」」」」
ユイは砦の南の城壁で、最も得意とする弓矢や魔導弓術で、彼女が率いて居る弓兵部隊共に、激しく応戦をして居た。
彼女を慕いその可愛らしさに魅了されて居る信奉者達も、戦意旺盛で奮戦して居る。
一方で東では、カントルナ砦港に夥しい数の軍船が空と水上から迫っていた。
「ふっふっふっ、一番乗りは俺達が頂きだっ!!」
先鋒を手に入れたとある水上帆船型戦艦の7隻からなる艦隊は、カントルナ砦まで後1キロと言う地点に迫っていた。
だが、彼らの乗って居る艦船に、コツンと言う鈍く妙な感じの音が聞えた。
「んん?何だ、妙な鈍い音が聞こえた気がしたが・・・・・・」
「あっ?艦長殿。」
「船首の先端下に、見た事も無い漂流物がぶつかって居ります。」
ある兵士が、突起物の有る球体上の物体が船体に当たって居たのを発見する。
「どかせっ!!どかせっ!!」
「どうせ、只の漂流物か、敵が我らの進軍の邪魔をさせ様とする物だろう。」
「急げよっ!手柄を取られるっ!」
「はっ!」
命令を受けた兵士は、艦長に命じられる儘に、棒で強引に叩く様にして、船首下に引っ掛かる謎の漂流物を退かして行く。
すると、坊が不意に何かに触れた瞬間、カチっと言う小さな音が一瞬だけ、それも数名程度にしか聞えない音が聞えると、その物体は、突然にピカッと光り出した。
「ん?」
船と将兵らは瞬くままに爆発し、水底へと沈んで行ったのである。
「何だ?!事故か?」
「戦の最中に間抜けな輩が居るものだ。ガハハハッ!!!」
「それえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!間抜けな奴らに代わって手柄を立てるぞおおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」」」」」
事故を起こした間抜けと嘲笑う者達。そんな彼らにも爆発が起きて船が沈んでしまう。
周囲を見渡すと同様な出来事が複数起きていた。何故こんな事が起きて居るのかと言うと・・・・・・
そう、その原因の正体とは・・・機雷だった。
米軍経由で手に入れた警備用または海上封鎖に用いられる機雷をカントルナ砦の周辺の水辺に設置していた。
先の奇襲戦の間、手の空いている陸自隊員と海自隊員らによって、これらの機雷は設置されて居たのである。
他にも色々と罠や迎撃陣地の構築など、アルガス公国軍将兵らと共に、やれるだけの下準備を整えて居たのである。
そんな事すら予測せずに不意に近付くグリクス地方軍団の将兵達が、ようやく機雷群を肉弾突破と言う方法を用いた挙句、多数の犠牲を出して突破すると、今度は水中地雷や対舟艇用地雷を使った水際防御を展開する。
対舟艇用地雷は、94式水際地雷敷設装置の車両で使われて居る物を使用して居た。
この仕掛け罠に引っ掛かったのは、接岸したり、岸に乗り上げた船の船底が爆発したり、又は上陸させた重騎竜のトリプトドンの足が爆発したりと、多数の重傷者を出してしまう。
そのカントルナ砦から約200メートル離れた上空では、グリクス地方艦隊の空挺艦隊が、安全な高度を保った空から地上軍と水上艦隊に向かって命令を出しながら援護攻撃を行っていた。
「むむむっ!!あの様な小さな砦一つにっ!!何故こうも手間取る事に成ろうとはっ・・・・・・・・」
オバム大佐は苦虫を噛んだ様なな表情で、忌々しく戦況を緑色に塗装されて居るドッコス・ギアレス級空挺戦艦オクト・パレスの艦橋から眺め見て居た。
「はっ!!完全に我が軍に包囲されても、尚も敵の士気も高く、抵抗も激しいとの事です。」
「また、多数のトラップに阻まれ、我が軍の将兵の被害も大きいとの事。」
「又もか?ええいっ!!忌々しいっ!!!急がせよっ!!!!」
「例のニホン軍が何時、現れるやも・・・・いや、必ず現れる筈である。」
「そうなれば厄介だっ!!我が軍はそうなる前に何とかせねば成らんのだっ!!」
「良いか、此度の戦は早さだっ!!」
「アルガス公国軍やニホン軍等が対応出きないほど素早く攻め入れば、敵は何もできずに、この地から退きのくしか無くなる。」
「はっ!!各隊っ!!各方面軍に対して、急がせる様に命じまするっ!!」
前線副司令官ラオウ中佐が、部下に命令を伝える為に、艦橋から退出する。
オバム大佐は、カントルナ砦を遠目から眺め、必ずや勝利する事を決意を改めてするのであった。
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