第9章
99話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦 (闇夜に燃えるカントルナ砦 1)
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前0時35分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島東南部地方・ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地から南東へ5キロ付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アルガス公国のレジェンダリア州とレジェンダリア諸島は、かつてはパイプ・ライン大河中央流域地方に措ける東西南北の各地からやって来た貿易船や商隊が集まる中継地点として栄えていたブラキュリオス湖畔に浮かぶ湖畔諸島であった。
ブラキュリオス湖の南側にはシャッポロ川と成って流れ、やがてはローラーナ帝国領・シャッポロ属州領へと至り、西にはユーラシナ大陸西側諸国の在るユールッハ地方へと至り、東にはアルガス公国からユーラシナ大陸東方地方に至るパイプ・ライン大河の河口へと続けて居る中間点であった。
そんな軍事・貿易に措ける重要な湖畔諸島へと侵攻目論むグリクス地方軍団のガミトフとオバム大佐達等は、ダバ派遣隊を主力とする日シベ合同作戦軍の意外な作戦の数々に虚仮にされた形・・・・・されてまった為に、進撃と言う名の反撃に打って出ようとして居た。
陸軍で在りながらアースティア世界特有でもある内陸部でも対応可能な艦隊を有するグリクス地方軍団、ご自慢のグリクス地方艦隊。
魔導陸上戦艦や帆船戦艦・帆船輸送艦・魔導空挺戦艦・空挺竜母艦と言った構成から成る1239隻以上もの大艦隊を有する地方艦隊のこと。
主力は魔導空挺艦隊と魔導陸上艦を主力とする陸軍艦隊では在るが、その気に成れば大河や湖畔、果ては大海を越えての越境侵攻をも可能とする大艦隊でもある。
しかしながら、1239隻以上もの艦船あった筈と言うのは、日シベ合同作戦軍によるグリクス地方奇襲攻撃作戦の終盤でハンナによるうっかりにより、エクスプロトンバスターと言う爆裂魔砲で半壊させられてしまった為に、その栄光は過去に成ってしまった。
そんな艦隊を率いるババロスク・オバム大佐は、1239隻もある全艦隊の中から7割を超える900隻ものグリクス地方艦隊を率いてグリクス要塞を出発する。
残り339隻もの艦隊をガミトフ・バイマン中将の直営艦隊とし、護衛として役割と物資や兵器の輸送艦隊として控えて居た。
ガミトフとオバム大佐らは、グリクス地方軍団の持てる戦力を出し惜しみせずに、日シベ合同作戦軍を一気に数で押し潰そうとして居るのである。
レジェンダリア諸島侵攻作戦の前線司令官のオバム大佐は、緑色に塗装されて居るドッコス・ギアレス級空挺戦艦オクト・パレスの艦橋から、眼下に見える魔導陸上戦艦や帆船戦艦・帆船輸送艦、周囲の魔導空挺戦艦・空挺竜母艦の勇壮なる隊列を見て、十分に勝算の有ると踏んでいた。
「オバム大佐。間も無くアルガス公国領のレジェンダリア諸島東南地域。ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地が見えて参ります。」
「小手調べにしては、余りにも小さ過ぎる基地だな。」
「はっ!」
「まぁ、良い。あそこに居る虫けら共を燻り出し、基地から叩き出せ!」
「全艦隊へ通達っ!!ジャイアガル軍港基地へ強襲を開始するっ!!」
前線副司令官ラオウ・ケビン中佐が、上官のオバム大佐の命令を高らかに叫びながら通達し、この戦いが、いよいよ開戦する事成ったのである。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前0時43分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島東南・ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ん?・・んん?・・あれは・・・・・・」
深夜0時43頃、レジェンダリア諸島東南・ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地で、アルガス軍の見張りの当直当番をして居た1人の兵士が、水上と空に複数の松明や魔導単照明塔を輝かせながら前進して居る物体を発見する。
「はっ!?帝国だっ!帝国軍が攻めて来たんだっ!!!」
当直当番の兵士は、多数の船舶からなる艦隊を発見したらしい。
発見した兵士は「敵襲ーっ!!!敵襲ーっ!!!敵襲ーっ!!!南東方向から接近する艦隊を確認せりいいいいいぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーっ!!!」と叫びつつ、半鐘塔へと駆け上る。
するとカンカンっ!!カンカンっ!!カンカンっ!!カンカンっ!!と鐘が鳴り響き、警報音と成って基地中に聞え渡る。
すると他の当直番の警報を担当して居る兵士等も後に続く様に、警報音の金を鳴らす。
カンカンっ!!カンカンっ!!カンカンっ!!カンカンっ!!
カンカンっ!!カンカンっ!!カンカンっ!!カンカンっ!!
カンカンっ!!カンカンっ!!カンカンっ!!カンカンっ!!
「遂に来たか?」
ジャイアガル基地を守備している少佐の階級を持って居るジャイアガル基地司令官は、見張りからの報せを受ける。
彼はアルガス公国軍司令部から、グリクス地方軍団の北部侵攻の可能性を示唆されて居た。
そして、日シベ合同作戦軍の結成が決まった現在、ジャイアガル基地司令官たる彼は、「遂に攻めて来たのか?」と緊張した顔付きに成って、汗が滴り落ちていた。
だが、そんな司令官は、この厳しい状況下で在りながらも、とても落ち着いて、尚且つ冷静で居たのだった。
「はっ!!それで司令官殿っ!!我らは如何致しますかっ!?」
「この基地から脱出せよと、ブレックス公王陛下からのご命令だ。」
「公王陛下がっ!?」
「敗北が決まって居る初戦での戦に措いて、詰まらん無駄な犬死には、してはならんとの仰せであるっ!!!」
「しかし、それでは、みすみす敵に・・・この基地をくれてやる事に・・・・」
「良いのだ。今はくれてやれば良いっ!!!」
「は?」
「今はまだ、言えんっ!!!」
「それよりも最低限、敵方に取られて構わない物資を残して、我らはジャイアガル基地守備隊は、敵から凄然と撤退せよ。」
「は・・・・はっ、はいっ!!!」
報告をした伝令官は、基地内の味方へと新たな命令を伝えるべく部屋を飛び出して行く。
「帝国めっ!タダでは、この基地をくれてはやらんぞっ!!!ふっふっふっふっ・・・・・・・・・・・・・」
これから逃げ出す負け戦をしようとして居るのに、ジャイアガル基地司令官は、不適な笑みを浮かべていた。
基地に居る兵士らは負け戦と成るのを覚悟して居るのに、彼だけは自信に満ちた目をして居て、勝ちに行く積りで居るのである。
その根拠を知る者は、軍幹部クラスでしか知らない事なのである。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前1時10分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・ レジェンダリア諸島東部・カントルナ島・カントルナ砦にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
レジェンダリア諸島侵攻作戦の前線司令官のババロスク・オバム大佐が指揮する グリクス地方軍団のグリクス地方艦隊が、アルガス公国のレジェンダリア諸島・東南部にあるジャイアガル基地へと攻め入った頃。
その一方でクリスが率いるアルガス公国軍のヘスティア遊撃騎士団の主要なメンバーは、クリスの命令で、カントルナ砦の応援に来ていた。
トシアキ・ルシヤン、チノン・シュヴァイン、ユイ・ナンジョルノ3人は、この砦の守備と撤退から成る補助作戦を命じられて居た。
それも攻め掛かって来るローラーナ帝国軍に、攻撃の一中てをしてだ。
無謀と思われるが、騎士団長であるクリスには、何か策が有るのだろうと所属する者達は考えていた。
「トシヤーン!!トシヤーンっ!!」
気の強いツンデレの性格とツインテールを揺らしながら南に位置する見張り台の塔をチノンが大声で叫びながら駆け上がって居た。
その先には、チノンがトシヤンと略し呼んで居るトシアキが南の様子を真剣な顔付きで眺めていた。
「ったくっ!そのあだ名で呼ぶなって、言ってるだろうっ!」
何時まで経っても変わらない幼馴染みの呼び方に激昂するが、それは決して直る事の無い。
何故ならツンデレ幼馴染みのへそ曲がりで、意地らしい愛情表現なのだから・・・・・・・・・
しかし、そんな彼女のせいでカントルナ砦の兵士らにもトシヤンと言う名が、名前なのかと勘違いされる始末と成って居た。
「うっさいわね!!そんな事どうでも良いじゃないっ!!それよりも、ジャイアガル島とジャイアガル軍港基地が落ちたって、さっき報せが・・・・・・・・」
「そんなの見れば分かるよっ!!」
「えっ・・・ああっ!?」
チノンは、南の夜空が真っ赤に燃えて居るのを目撃して居た。
「物凄い・・・あれじゃ、もう・・・・・」
基地を守っていた味方の兵士らが、どう成ったのかは分からないが、あれだけの攻撃に晒されたのなら、タダでは済まない筈だと思った。
「でもさ、昼間の間にニホンとか言う国の兵士達が、周囲の近辺や砦内に色々と罠を仕掛けて居たけど、それで如何にか・・・・・・・・・」
このカントルナ砦では、昼間の間、陸自隊員とアルガス公国軍の騎士や兵士達が、砦や港、果ては湖の岸辺の砂浜なんかの建物に、罠の細工や地面を掘り返したりして、何やら仕掛けていた。
その様子をトシヤンとチノンらは見て居たが、何をして居るのが分からないし、理解が出きて居なかった。
只簡単に、敵を足止めする罠の類と説明して居るだけであった。
罠の設置後は、安全の為に絶対に近付かない様にとも言われて居た。
「ありゃ、単に帝国を罠に嵌めて、時間を稼ぐだけの仕掛けだって聞いて居るぞっ!」
「それにクリス団長から守勢に徹して、帝国が攻めあぐねる様にしろって指令書で言われて居るだろう?」
「きっと何かの作戦の為に、時間稼ぎをしろって事なんだろうな。」
「必ず助けるから、絶対に粘れって、書いては有ったけど・・・・・・・・」
クリスから指令書には、そう書かれていた事を思い起こす二人。
それでもチノンは不安だった。
このままトシヤンと何の関係も築けずに終るかも知れないと言う事に・・・・・・・・・
「兎に角さ、信じて待とうよ。」
「うん・・・・・」
不安な心を抱いたまま、二人は大戦の嵐に飲み込まれて行く。
ブラキュリオス湖畔紛争の序盤での激戦であるカントルナ砦上陸撤退戦が始まるまで、残り時間30分を切って居た。
ツーツーツー!!ツーツーツー!!ツーツーツー!!ツーツーツー!!
ツーツーツー!!ツーツーツー!!ツーツーツー!!ツーツーツー!!
ツーツーツー!!ツーツーツー!!ツーツーツー!!ツーツーツー!!
ツーツーツー!!ツーツーツー!!ツーツーツー!!ツーツーツー!!
ツーツーツー!!ツーツーツー!!ツーツーツー!!ツーツーツー!!
モールス信号がアナハインム城の日シベ合同軍司令部と護衛艦の各艦のCICに届けられて居た。
モールス信号の使用をして居るのは、アースティア世界に措いても敵国スパイへの対策であり、モールス信号を扱えて居るのは、地球系転移国家群内だけであった。
何せ、暗号解読や盗聴の恐れすら無いこの世界では、抜群のセキュリティ誇るやり方と言えた。
その発信元は、ガイダル・タバ日統合隊基地所属のP-1哨戒機改からであった。
「置鮎一佐。警戒飛行中のガイダル・タバ日統合隊基地所属のP-1哨戒機改からです。」
「来たか?」
「はっ!敵グリクス地方軍団は、約700隻を超える陸空の大戦艦隊を率いて、東南のジャイアガル島とジャイアガル軍港基地を強襲させ、同基地は、敵の手に落ちたとの報告です。」
「そうか。」
「カントルナ島のカントルナ砦の方も、もう間も無く戦闘状態と成る可能性が、大との事です。」
「引き続き監視を強めてくれ。」
「分かりました。」
通信士は、追加の命令をP-1哨戒機改に返答打電する。
「置鮎一佐。」
通信士から報告を受けている所に、今度はクリスが入って来た。
置鮎一佐の前に立った彼女は、騎士形式の敬礼をしてから報告を始めた。
「報告します。」
「ジャイアガル軍港基地の撤退に成功したと、たった今セイジョン・ローグリア城からの魔導通信が来ました。」
「ジャイアガル軍港基地の将兵の全員が無事との報告も入って居ます。」
「良くやったっ!」
置鮎一佐は、ジャイアガル軍港基地の完全撤退に成功との報せを喜ぶ。
戦争で最も大変なのは、撤退戦だ。
攻め手側から見て、敵が逃げると分かって居ると、攻めて側は、ドッと勢いを増して攻め掛かって来るからだ。
「ええ、良くぞ、無事でと・・・・・」
「後で公王陛下に報告書を提出して置く。」
「ジャイアガル軍港基地司令官の見事な引き際であるとも書いて置く。」
「はい。ジャイアガル軍港基地司令官も喜ぶでしょう。」
この世界では、まだ、封建社会的な部分が有るので、日シベ合同軍に参加する自衛隊も他国の将校の戦果の報告書を書いて提出する取り決めが政府間の間で決まって居る。
特に戦功に付いての報告は、重要な事で有るので、キチンとして置く必要が有るのだ。
「ですが、見事に獲物が餌に喰い付きましたね。」
「だが、これだけでは、まだまだ足りない。」
「獲物がしっかりと仕掛けた罠や釣り糸の針に引っ掛かって貰わないとね。」
まだ、獲物は餌を一口食べて居るだけで、仕掛けた罠にも釣り糸の針にも完全には引っ掛かっては居ない。
獲物が安心仕切って餌をゴックンと餌を飲み込んだ時が、その獲物を仕留める最大の好機なのである。
「クリス君、それでは我々も向うとしよう。」
「はい。」
一部の隊員らを残してア、ナハインム城を出る二人。
日シベ合同作戦軍は、この時を待って居たからだ。巨大な獲物が餌に貪り喰らい付くのを・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前1時35分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島東南部地方・ブラキュリオス湖の東方入り口付近から6キロ付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ジャイアガル軍港基地の緒戦に始まったブラキュリオス湖畔紛争。
戦いの始まりから遅れて来ること約30分、遂に援軍であるダバ派遣支援艦隊が、深夜1時35分頃に、ブラキュリオス湖の東方入り口付近から6キロ付近の所まで現着をして居た。
ダバ派遣支援艦隊は、グリクス地方艦隊との決戦に挑む為に、引き連れていた艦隊を二つに分ける。
作戦参加に当たってダバ派遣支援艦隊の二つに分けた艦隊は、以後第4艦隊と第5艦隊と呼称される。
第4艦隊には護衛艦はるな・ひえい・あさひ・じんつう・あさゆき・まつゆきで構成された護衛艦中心の艦隊。
第5艦隊は、航空護衛艦・補給艦・掃海艦・修理ドッグ艦・民間輸送船で構成された後方支援編成が中心の艦隊で、編制は以下の通りである。
護衛艦しらぬい・おおよど。
試験改修艦あすか。
航空護衛艦しょうかく・ずいかく。
補給艦まみや・いらこ・あかし。
掃海母艦ぶんご・くなしり・しゃこたん。
修理ドッグ艦いとじま・わかまつ。
三葉自動車運搬船3隻・豊川自動車運搬船3隻・追浜自動車産業運搬船3隻・友住商事貨物船2隻・四井物産貨物船。
運搬船に積載して居る物に付いて
多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS) 20両
88式地対艦誘導弾 20両
99式自走155ミリ榴弾砲 20両
99式弾薬給弾車 20両
155ミリ砲FH70 30門(牽引車付×30両)
各種クレーン等、各種補給物資と弾薬およびミサイルを満載させて居る。
航空護衛艦しょうかく・ずいかくの艦内には、先の戦いであるダバ支援艦隊の防衛戦に駆けつけた航空自衛隊大陸派遣隊に出向している空自の第9航空団那覇基地所属の101小隊・202小隊・303小隊・404小隊・505小隊・606小隊などF‐15J戦闘機30機。
それと三沢第2航空団所属のF-2戦闘機20機からなる101小隊・202小隊・303小隊・404小隊。
そして、航空護衛艦しょうかく・ずいかくの艦載機として搭載されて居る海自航空隊のF-18J改が20機。
更にお客さま扱いたが、物見遊山にと証して海自艦隊を見物、もとい視察と言う名目でパイプ・ライン大河に足を運んでいたドラグリア白龍大帝国の大帝たるエリノア・ドラグリア白龍大帝。
その同行者である同国の将軍にして、エリンの親友でもあるユキカゼ・コーキンと護衛同行している白龍人族の竜人騎士が30人。
その眷属たる 白龍族が150匹が半ば強引に乗船して居るのである。
この戦力を何かに例えるのなら、アメリカ軍の空母打撃群の一艦隊を相手にしても余裕で勝てる戦力と言えた。
正に鉄の城、鋼鉄の偉大な勇者と供に、戦いに赴くと言える戦力であった。
ダバ派遣支援艦隊司令官である小沢司郎一佐は、P-1哨戒機改からのモールス信号を受けて、間も無く決戦が始まると感じ取って居た。
同時にダバ派遣艦隊の司令官である置鮎一佐が、艦隊を率いて出撃したのとの報せを受けていた。
小沢一佐は第4艦隊である護衛艦はるな・ひえい・あさひ・じんつう・あさゆき・まつゆきを先行させ、全艦隊の艦船をブラキュリオス湖へと突入させる。
続けて艦載機を発進させるべく命令を発した。
「それでは、わしらが先行する。」
「ご武運を。」
「小沢提督、お主もな。」
ドラグリア一行の面々が、甲板に居続けては流石に邪魔なので、ドラグリア組みから離陸して行く事と成った。
甲板から海自甲板要員が、艦内へと退避すると、エリンや共をしているユキカゼと護衛の竜人騎士の30名が次々と巨大な白龍へと変化して行く。
「グウオオオォォォォォーーーーンッ!!!」
「陛下、此方はしょうかくCICです。」
「甲板からの発艦を許可します。」
「うむ、役目大義。」
「その方らにも世話に成った。」
「ご武運を。」
甲板に誘導灯が点灯され、ドラグリアの白龍人と白龍達は、ダバ派遣支援艦隊から一斉に飛び立って行く。
「さぁ、我々も出撃だっ!!」
「了解です。」
「空自っ!海自っ!の各航空隊は、発艦体勢に入るっ!!」
しょうかくからは、神谷一佐率いる空自の第9航空団那覇基地所属の101小隊・202小隊・303小隊・404小隊・505小隊・606小隊などF‐15J戦闘機30機。
その戦闘機が、4つあるカタパルトに向って各機が、各エレベーターからその姿を現す。
ずいかくからも三沢第2航空団所属のF-2戦闘機20機からなる101・202小隊・303小隊・404小隊がカタバルトへと向う。
そして、両艦内に載せて有る航空護衛艦の護衛と予備部隊として居残る事と成った海自航空隊のF-18J改が20機が待機して居る。
「こちらサシバリーダーっ!!発艦準備良しっ!!」
「こちらしょうかくCICです。サシバリーダーへ発艦許可します。」
「了解っ!!」
ゴオオオォォォーーーッと言うジェットエンジン音を響かせて各機は、カタバルトから次々と発進し、西の空へと向う。
上空で合流した空自の各隊とエリン達は、突入時間に合わせて待機地点へと向うのである。
「小沢司令、第4護衛艦隊及びしょうかく・ずいかくの所属の各航空隊は、予定通りに先行しました。」
「良しっ!!我々も次の手を打つべく移動開始するぞっ!!!」
「はい。」
第五艦隊に分艦隊をした小沢一佐が率いる艦隊は、先行艦隊の後に続く様にして、ブラキュリオス湖へと向うのだった。
この戦いで相手の首に王手を掛けるのは何方か・・・・、数か質か果たして、それは戦えば分かる事である。
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