90話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦  (グリクス地方奇襲戦 6)

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月5日・午後22時05分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・アイリッシュ湖畔・ダバード・ロード王国・アルインランド州・州都・ベルクラネル市・ベルクラネル城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 一方のベルクラネル城のアーヤはと言うと。カリン少佐とお茶をしつつ、自国軍の戦果報告を待って居た。


「これで暫くはゼルダ門要塞方面のローラーナ帝国軍は、大人しく成るでしょう。」


「でも宜しいのですか?こんなにも年間予定予算の一部を度外視した大攻勢に出てしまって・・・・・・・・・・・」


「あはははっ!そうね。その通りよ。」


「その代償としてこっちの我が軍も、向こう5ヶ月は無茶な作戦命令は出きないでしょうね。」


「勿論、何らかの補填はする積りよ。それも敵から大量に頂いてね。」


 アーヤは、不適な笑みを浮かべながら言う。ダバード・ロード王国軍の一方面軍の4ヶ月分の予算をポンと出してしまって居る。


 その消費日数は、4ヶ月分にして、その経費をたった3日で費やす事にしたのだ。


 アーヤは日本にだけお金を出させているのは礼儀に失すると思い。


 何時もの気まぐれな感じで方面軍を動かして見せたのだ。


 更には使った地方軍の予算をローラーナ帝国軍が管轄して居る地区から少しでも多く奪い取って来なさいと命令して居る。



 やはり、この女王様は喰えない女狐の様な女王様だった。


「まぁ、ニホンも苦しい経済状況の様だと、ニホン駐在を始めたばかりの在ニホンダバード・ロード王国連絡所の所長からも聞いて、彼方の状況を把握して居るけど、我が国のこれ位の予算程度は、ニホンに取って蚊に刺される程度だと思うわ。」


「だから何としてでも、ニホン艦隊には、この地に来て貰わないと。西方諸国や南方諸国を含めた国際会議が出きないもの。」


「それに敵の物資を奪っての補填を考えて居るとは言え、軍の地方予算を丸々捨てる様な支援作戦よ。」


「後々の国益を考えれば安いと見て、今は開き直るしか無いわね。」



「それは・・・・国際会議後の経済交流に由る税収を見込んでの・・・・」



「そうよ、これは先行投資なのよっ!」


「でなきゃ、こんな無茶で馬鹿げた作戦は、私も我が国もやってられないわっ!!!」


 険しい表情しつつもアーヤは開き直った態度で平然として居た。


 このアーヤの行動とダバ派遣隊を含んだ自衛隊の行動が、思いもしない展開を生んで、各地を巻き込んで戦線を拡大させて行くのであった。


 ゼルダ門要塞方面へのダバ日の両軍の一大攻勢は、3日ほど掛けて行われ、その間、グリクス地方軍団の司令部とゼルダ門要塞司令部は、共にまんまと奇襲を受けてしまい。


 何の反撃を出きずに、レジェンダリア諸島の戦いに挑まざる負えなく成るのだった。


 ゼルダ門要塞方面への奇襲に成功したダバ日の両軍の被害は、日本の自衛隊を除いて、ダバード・ロード王国軍の戦死傷者併せて100名程度で、被害に有ったダバード・ロード王国軍の兵器は軽微だけと言うローラーナ帝国軍側でも、信じられない戦果と成り、未だダバード・ロード王国は強しと言う印象を帝国側に植え付ける事と成ったのだった。

 

 因みにアーヤは、この作戦でダバ・ロード王国・スッコッチアイランド州方面軍の予算である4ヶ月分の予算を3日で失って居た。


 そして、同時にグリクス地方西部方面ゼルダ門要塞戦線地区の各軍の前線施設の壊滅とスッコッチアイランド州方面軍の3年分の予算や物資を奪い去った戦果に大満足する。


 自国軍が日本との合同作戦で、一定の戦果を挙げた事で、同地方の軍に対して1人辺り5万円のボーナスを出したと言うとの事だった。


 やはり侮れない彼女は、女王様だ。


 アースティア暦1000年・6月6日・午前1時50分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央部地方・ダバ・ロード王国 スッコッチアイランド州とローラーナ帝国・グリクス地方軍団・グリクス地方西部方面・ゼルダ地方・ゼルダ門要塞戦線地区・ゼルダ門市・グリクス地方西部方面ゼルダ門要塞・ゼルダ門要塞戦線地区司令部にて・・・・・・・・・め・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 明けて6月6日の1時50分頃、グリクス地方西部方面ゼルダ門要塞。



 日本国自衛隊・ガイダル諸島派遣隊は、大胆にもゼルダ地方を統治と軍事上の要たるゼルダ門要塞への空爆を敢行を使用として居た。


 差し向けられた部隊は、偵察機のRF-4EJ3機、F-4J改ファントム10機とP-1哨戒機改4機である。


 日本国自衛隊・ガイダル島派遣隊は、予定していた分散爆撃の一部を即座に見直し、ダバ・ロード王国・スッコッチアイランド州から東へ20キロ前後の攻撃をダバ・ロード王国軍に任せ、更に内陸部への攻撃を決めたのだった。


「こちら第1小隊各機準備良し。」


「第2小隊も同じく。」


「海自P-1哨戒機改隊の9号機から12号機まで最終チェック完了。何時でも攻撃可能です。」


 第1小隊の隊長が戦闘指揮を取っていて、攻撃前の最終確認を通達する。


「各機に通達する。」


「RF-4EJによる入念な偵察とダバ・ロード王国から位置情報を照合した結果、ゼルダ門要塞南部地域に広がって居るゼルダ門市の市街地には、絶対に攻撃をしては為らない。」


「目標は要塞中心部・空挺艦船の飛行場施設・陸上艦船の停泊所・軍事物資集積倉庫・軍用家畜飼育施設などの東西北部に広がる軍事施設だ。」


 深夜である為に、幸いな事である為に、民間人等の非戦闘員らは都市部に在る自宅や宿泊寮で、すやすやと眠って居る時間だ。


 滅多な事であるいは運悪くでも無い限り、軍施設に居合わせる事の確率は低いと言える。


「P-1哨戒機改隊は、RF-4EJの射撃誘導に従って、西口に在る空挺艦船の飛行場施設と陸上艦船の停泊所を狙ってくれっ!!!」


「手始めに停泊して居る空挺艦船及び陸上艦船を対艦ミサイルにて一斉に狙い撃て、続けて格納庫を爆撃しつつ、最後に中央の城塞を爆撃する。」


「俺達F-4J改の2小隊は、P-1哨戒機改隊の対艦ミサイルの発射に併せて敵艦隊を撃ち抜く。」


「続けて散開しつつ、第1小隊が軍用家畜飼育施設。第2小隊が軍事物資集積倉庫を攻撃する。」


「敵機たる竜騎士航空隊を決して空に上げるなっ!」


「作戦時間は20分以内を厳守とする。」


「それまでに各々任務を完了させるぞっ!!!」


「それでは作戦開始っ!!!」


 RF-4EJが先行する形で、ゼルダ門要塞陽動攻撃作戦に参加するガイダル島航空派遣隊の全機が、一斉に速度を上げて行く。



 RF-4EJはゼルダ門要塞の上空に差し掛かると後続の航空隊の機体にのコクピット内にロックオンの音が鳴り響いた。


「「「FOX1っ!!!」」」


 攻撃の第一波の鉄の矢が放たれた。ゴオオォォォォーーと言う轟音と共に何隻も停泊または停留している魔導戦艦群へと対艦ミサイルが向って行くのだった。


「んん???」


「おい、どうした?」


 西側地区の見張りをしていた帝国軍兵士の監視員の二人の内の1人は、ゼルダ門要塞の西側城壁の一角に見張りとして立てられて居る高さ60メートルの監視塔から微かな光が見えたのと、聞き慣れない音が微かに聞えて来て居るのに気が付く。


「いや、聞き慣れない暴風に似た轟音を遠くから聞えた気がするんだが・・・・・・」


「おいおい、この辺りは滅多な事では、嵐には成らんぞっ!」


「そうだな。やはり気のせいか・・・??」


「嵐が起こるのなら、ドラザダのリナ・リンバースが現れる時くらいだろう。」


「おいおい、そんな事言ってるいると本当に現れるんだぞっ!」


「冗談っ!!冗談だってっ!!!怒るなよおおぉぉーーっ!!」


「あのなぁーーっ!!」


 その時だった。


 彼らの上空をマッハで通り過ぎる物体が、激しい風と共に通過する。


「???」


「???」


「何だ?今の大きな轟音は?」


「おい、あれを見ろっ!」


「ああっ!!!魔力液化燃料タンクがっ!!!」


「あっちにはっ!!確かアレキ・サンジェルス級魔導空挺戦艦とジュピドリンズ級陸上魔導戦艦がっ!!!」


 音速で放たれた鋼鉄の矢は、RF-4EJのパイロット達が割り振った目標へと吸い込まれように命中させた。


 するとアレキ・サンジェルス級魔導空挺戦艦七隻とジュピドリンズ級陸上魔導戦艦七隻が大破炎上したのであった。


この二隻は、全長230メートル級魔動力戦艦で、大型魔導大砲が全部と後部併せて3門、魔導副砲、魔導機関砲を合わせて30門は在る巨大戦艦である。


 それ故に真っ先に狙われたと言えるだろう。魔導戦艦の船内には、魔鉱石を加工し、ドロドロに溶かされている魔力液化燃料が燃料タンクに大量に入れられている。


 同時に魔導弾と言う魔力液化燃料と数種類の魔鉱石を用途に応じて作られて居る魔導弾が弾薬庫内に、各砲台別に満載されて居る。


 殆んどの船には、火の魔鉱石たる赤魔鉱石を加工して作られている威力重視の量産型魔導弾が大量に積まれて居るので、そんな所にミサイルや高性能爆弾なんて物をぶち込んだらどうなるのかは、説明等をしなくても、どう言う結果に成るのかは、想像するのは実に簡単な物である。


 最も分かり易い例えを言うと、燃料コンビナート工業地帯に火を点ける様な物である。


 カンカンっ!!カンカンっ!!カカンカンっ!!カンカンっ!!ンカンっ!!カンカンっ!!と警報の金を叩く音が聞え来た。


 爆発と共に、このゼルダ門要塞が襲撃を受けている事にようやく彼らは気が付いたのである。


「敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!」


「敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!」



「敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!」


「敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!」


「敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!敵襲ううううぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!」


 全ての状況に措いて時既に遅し、ゼルダ門要塞陽動攻撃隊の面々によるゼルダ門要塞への攻撃による被害は、主要施設に及んでいた。


 中央にある旧ゼルダ城を増改築して建てられて居るゼルダ門要塞司令部にもMk82爆弾2発とミサイルが一発が撃ち込まれて居る。



 幸いな事に基地の司令官たるバルティウス。クロッコ大佐は、爆発地点から離れた南側の宿舎で就寝中だった為に難を逃れて居たのだった。



 この日、空自ガイダル諸島派遣隊によるゼルダ門要塞陽動攻撃作戦による被害は、空挺・陸上魔導戦艦が併せて14隻が大破。



 3000騎いたワイバーンが凡そ1200騎が爆発の破片による即死または窒息死、焼け死にしていた。


 その他の800騎が中軽傷の傷。残る1000騎も即時戦闘に出られない軽傷程度の傷を負っていたのであった。


 オマケと言わんばかりに、RF-4EJ隊の3機が残って居る武装で、余った爆撃ヶ所へと攻撃をして行くと言う嫌がらせをしてから撤退を開始、その被害は更に拡大して行く。



 この日、グリクス地方西部方面ゼルダ門要塞に措いて、奇襲攻撃を受けた将兵は、無傷な者が殆んど居なかったと言う記録が残される事に成る。


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