第9話 縁結び

 「こんにちはゆっくりご覧ください」

台に飾られた民芸品を眺めるお客さんたちに声をかける

「いっぱい来てくれてよかったね」

「ですね」

あの後、爆発音を聞いて住民の方が通報し、やってきた警察官によって無道は連行された。先輩にもけがはないしめでたしかな。

無道といえば許嫁の件。先輩は親に無道が捕まったことを話したそうだ。それでも親は信じてくなかったらしいけど、警察官がきてようやく信じたらしい。

これで紗江先輩の問題も完全に解決だ。

 「ねえ、武君。この仕事が終わったら、今日どこかにいかない?」

「いいですよ」

「やったーじゃあ今日の夕方ね」

こうして今日も無事に一日が終了した。そして約束の夕方。

 「お待たせ」

「じゃあ、行きましょうか」

「うん」

俺たちは先輩が好きなあの小屋に行った。今日は雲がなくて夕日がとりわけきれいだ。小屋の中の木の椅子に腰かける。

「きれいだね」

「そうですね」

しばらく二人で窓から夕陽を眺めていたがやがて俺はこちらに向き直り、先輩も俺のほうを向いた。

「告白、まだでしたよね。俺は紗江先輩ーいや、紗江のことが好き。本当にその笑顔がとやさしさが好きなんだ。だから俺と付き合ってほしい」

「私も武のことが好き。どんなことにも一生懸命なところや助けてくれるカッコよさが好き。だからお願いします」

紗江があの笑顔で笑った。俺も笑うと二人で前を向いた。紗江が俺の手をそっと握ってきた。そしていつまでもふたりで夕日を眺め続けた。

END

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あなたの笑顔でアイスは溶ける 女神なウサギ @Fuwakuma

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