第8話 解放
「紗江先輩を解放しろ」
「ああ、いいぜ。ただし俺との勝負に勝ったらなあ」
みぞおちに拳が入る
「あの時はよくもやってくれたなあ。痛かったぞ」
「ぐっ・・」
「だいたい、なんだってお前が首を突っ込むんだよ。紗江は俺の許嫁なんだよ
お前が口を挟む道理はねえ」
「知っているさ」
「知っているのならなおさらだ。ほうっておいてもらおうか」
「-でも、それがどうした。紗江先輩はお前と結ばれることなんて望んでいないじゃないか」
「黙れ」
蹴りが入る
「っ・・・別に許嫁が悪いとは言はないさ。両人が幸せならそれでいい。でも、たとえ周りから認められたとしても両人が幸せでなければ本当の幸福とは言えない。許嫁だからと言って本当に好きな人と別れて決められた人と暮らすなんて間違っている」
「黙れ、黙れ、黙れ!!!」
顔面に飛んでくる拳をかわす。無道は床に拳を思いきりぶつけて動きを止める
「えい!」
今度は俺の拳がみぞおちに入る。もう一発!
「ぐっ・・俺に勝ったところで紗江についている爆弾は時限式だ。正確に配線を切るか外に爆弾を放り投げるしか止める方法はない。お前が邪魔しなければ放り出そうと思っていたのに。へへ、残念だったな。結ばれないならあの世まで道連れだ・・・」
無道は気絶した
「先輩!」
「武君、逃げて」
「駄目です、なんとかして爆弾を外さないと」
無道が自分にだけわかるように結んだのだろう。ロープがなかなかほどけない
「もういいよ。このままじゃ武君まで」
「よくない」
「どうしてそこまで」
「先輩のことが好きだからです」
「えっ・・」
「先輩の笑顔が大好きなんです。それに俺にキスまでして。
返事は先輩の自由ですけど告白は改めてさせてもらいますからね」
やっとのことでロープがほどけた
「やっと、ほどけた・・って、もう時間がない。先輩、伏せていてください」
小屋の窓から爆弾を外に放り出す。そのまま空中で爆発した
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