第7話 あの場所
翌日。俺は電車に乗っていた。昨夜の無道からの電話は紗江先輩を誘拐したというものだった
「紗江を助けたければ明日の午前10時から午後1時までの間に来い。それより早く来ても遅く来ても紗江の命は助からないぞ」
「待て、紗江先輩はどこにいるんだ」
「紗江の一番好きな場所だ。じゃあな」
そう言い残して電話はきれた。おそらく無道は俺には見つけられないと思って高をくくっているのだろう。でも。
「着いた。この駅だ」
目的の駅から記憶を頼りに紗江先輩が捕われている場所を目指す
「私ね。ここが一番好きなんだ」
「へえ。そうなんですか」
「素敵な場所でしょ」
「確かに素敵ですね」
その場所には一度しか行ったことがない。でも、忘れるわけがない。
一番好きな人の一番好きな場所だから忘れるわけがないんだ。
あった。街を一望できる見晴台にある木製の小屋。
「紗江先輩!」
中には縛られて捕われている紗江先輩と無道がいた
「早かったな」
そんな無道の言葉も耳に入らない。だって、紗江先輩の体には爆弾が巻き付けられていたから
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます