(5)
「あ〜、やっぱりそうか……ねぇ、どっか逃げるとこない?」
ボクはチャユに聞いた。
「えっと……、この近くなら、一応、2箇所ほど、心当りが……」
「ちょっと待ちなさい……どこに行く気よ?」
今度は「レッドスカル」。
「ねぇ、面倒なんで、このナチ野郎、殺していい?」
「ちょ……ちょっと、こっちの都合が……」
「都合?」
「この人の知り合いを預っているので」
「誰?……私の知り合いって?」
「判った。恋人だ」
「恋人なんて居ない‼」
何故か自慢にならない事を大声で叫ぶ「レッドスカル」。
「ま……まぁ、その……概ね、その通りです。ほぼ恋人。それも2人」
逆の意見を言うチャユ。
「やれやれ……まぁいいや、何でもいいから、そこに案内して」
「誰よ、私の恋人って? それも……2人?」
「殺すの駄目なら、こいつの舌引っこ抜いていい? 五月蝿くて仕方ないからさ……。で、どっちに行けばいいの?」
「ええっと……一番近い道だと‥…」
そして、ボクはチャユをタル坊の後に乗せて走り出した。
その
更にその
そして、チャユの言う通りに走って行く内に……。
「来ました……」
「その……別の世界の『鎧』?」
「そ……それが……少し変です」
「えっ?」
「その『鎧』を着装してるのは『神の加護を受けた者』です」
「はぁ? 待って、どう云う事?」
「……それも、私の『神』と同じ『神』です」
嘘だろう……。何十年も戦い続けた歴戦の戦士であろうヤツが……他人の体の「水」を観る事が出来る……つまり、相手の考えや次の動きを「観る」事が出来るって言うのか? それも、「鎧」を着装した相手だろうと、表情を読む以上に……。
「え……何だ、あれは……?」
そして、タル坊の背後のカメラに写ったのは、「もう1人のボク」であろう「鎧」が乗った言うなれば8輪の
支援用の8足の豹型のロボット2体。でも、どう云う事だ? 何故、支援ロボットが、らぷ太達よりも1世代前の前のタイプなんだ?
待てよ……。らぷ太達の「高速2足走行」を可能にした「尻尾をバランサーとして使う」と云うアイデアを思い付いたのは……ボクとボクの恋人だ。
どうやら、「もう1人のボク」の世界は、ボクの世界と何かが違うらしい……。それも、他ならぬ、ボク自身かボクの恋人に関する事が……。
別の世界の「ボク」と「ボクの恋人」の身に……何が起きたんだ?
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