瀾(四)

「おい、お前、何やって……」

 JR久留米駅の西口……エスカレーターの近くに「おっちゃん」が居た。

 両手には、手持ち式の金庫が2つづつ。

「えっと……それが爆薬?」

「ああ……駅ごと佐伯を爆殺する筈だったが……」

「あのさ……年寄と新人が何やってんの?」

 続いて、止まってるエスカレーターを駆け上がってきたのは、コードネーム「猿神ハヌマン」。

「あの……ちょっと提案が……」

「嫌な予感しかしねぇ……」

「聞くだけは聞こうよ」

おいらは、聞かねぇ方が良い予感がするんだが……」

「『鉄羅漢』なら、これを扱える筈」

 そう言って、私は手に持っているガトリング砲を見る。

 唐津からの応援であるコードネーム「鉄羅漢」は、民生用だけど「レンジャー隊」の強化服パワードスーツより性能が上の「水城」……それも出力が大きいアンチN(放射線)B(有害微生物)C(有害化学物質)タイプを着装している。

「おめぇもようやく人に頼る事を覚えたか……」

「で、プランAが失敗した時は、爆薬の片方を使う。それも失敗した時は、鉄羅漢に、これで暴れてもらう」

「はぁ?」

「もう片方の爆薬で、何する気だよ?」

「いや……丁度、居るじゃないか、そこに……迫撃砲弾を迎撃した余波で……上空の雲に穴を空け化物が……。しかも、そいつは私を狙ってる」

 私はJR久留米駅の駅舎に顔を向けた。

 そこから……ヤツが出て来た。

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