治水(2)

『悪い報せは……熊本から来た、もう1機の「国防戦機」が、まもなくJR久留米駅西口近辺に到着する見込みだ』

 とんでもない連絡が入った。

 とは言え……。

「まぁ……ここに居る連中なら何とかなるな……」

 そう……。JR久留米駅に向かってる7人と猿1匹の内、あたしを含めた4人は……超チート級の化物……らしい。

 4m級の軍用パワーローダーを簡単にやっつける事が出来る程の……。

『えっと……新人の「護国軍鬼」が……また……その……』

 その時、明らかにマズい事が起きてるのが判る口調の無線通話が入る。

「何をやった?」

 あたしの伯父さん……いや……今日初めて会った伯父さんだけど……がそう言った。

『あの馬鹿、「鎧」のリミッターを解除した』

 ヘルメット内のヘッドマウント式のモニタに工具のアイコンが表示される。

 話しているのは「工房」……瀾ちゃんが着ている強化服パワード・スーツを持って来た人達だ……。

「待て……どう云う事だ?」

『いつの間にか、あの馬鹿に『鎧』の制御AIの設定を変えられてた』

「医療チームの手配は?」

『やってる。事態が解決したらすぐに病院に運ぶ手筈だ』

「これで……あいつも少しは懲りる……」

『あの……言いにくいんだけど……事態は……もう少しマズいかも……』

「どう云う事だ?」

『これで3回目……今日1日で……あの馬鹿、『鎧』のリミッターを3回も解除しやがった』

「後で、『鎧』の制御AIの仕様について、ゆっくり話そう……。まずは……この事態を事態を収拾するのが先だ……」

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