治水(6)
遠隔操作されている四輪バギーは国道3号線に辿り着き、鳥栖方面に曲り……あれ?
「ええっと……カメラの映像を送るように……ってか、通信はどうやれば良いの?」
『聞こえてる。映像も見えて……どう云う事だ、こりゃ?』
苹采さんって云う……あたしの
外出禁止
福岡方面から来た電車がN鉄久留米駅の少し手前で停車。
『乗り物を脇道に移動させる。物陰から様子を見ててくれ』
五分……。十分経過……。
N鉄の駅から数十人の集団。
大半が二十代〜五十代ぐらいの男。
動き易そうな服装で……。
って……ええええっ⁉
半数以上が銃を手にしていた。
『顔認識に引っかかったのが何人か居る……。広島の神政会の関係者だ……』
「そ……それって……その……」
『佐伯の手下だ……電車ジャックをやって、ここまで来たらしい』
「やっちゃう?」
『えっ?』
「いや……その……」
その一団があたしから十分に離れた時を見計らって……。
あたしは……その集団の1人の体を水蒸気爆発させ……。
ええええええっ?
とんでもない轟音。
無数の小石にアスファルトの破片やゴミに……あと……何なのか詳しく考えたくない赤黒い破片が宙を飛ぶ。
『おい、今、何やった?』
「え……っと……」
『あのさ……人間1人分の水分が全て水蒸気に変ったら……どんだけの体積になると思ってんの?』
『瑠璃ちゃん……それ、やる前に言ってよ……』
そお……っと脇道から身を乗り出す。
「あ……っ」
地面には、巨大なクレーターが出来ていた。
周囲の建物のガラスは割れ……それどころか建物そのものにも穴が開いたりヒビが入ったりしている。
うわああああ……マズい……かなりマズい事やっちゃったみたい……。
やるのが少し早かったら……やったあたしまで死んでたかも……。
あ……もう1つ、マズい……何人か無事だ……。
JRの久留米駅の方に向ってるらしい……。
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