雪敷菜
雪敷菜(ゆきしきな)
越冬野菜、雪中野菜などと呼ばれる雪の下で寝かされて甘味の増した野菜。
零下の雪に包まれた野菜は、凍りつかないように自ら糖分を作り出して甘味を強くし、生き抜こうとする。雪を敷布団にした野菜は、強く、優しく甘い。
・雪国
雪敷菜は、たくさん雪の降る地域で生産されます。雪は冷たくて野菜の鮮度を保ち、水分があるので野菜を乾燥から守ってもくれます。
雪国では、雪敷菜でなくても、野菜や果物を外に出して雪を被るままにして、冬の間保存するのです。
・長期保存
雪の中は天然の冷蔵庫、冷凍庫です。雪敷菜も秋に出来上がり、雪の下から掘り返すまでずっと保存ができます。それは田畑からの収穫がなくなる冬を過ごす人々の命を繋ぐ大切な食糧です。
・保存食、非常食
雪敷菜は食べ物の少ない冬に、秋よりも更に美味しい食材となり、ご馳走です。
耐えるしかない冬を生き延びるための、命の糧です。
・悪環境によってより良くなる
雪とは見渡す限りを埋め尽くして、何もかもを閉ざしてしまう恐ろしい環境を作り、命を脅かします。
そんな一年の中でも特に厳しい環境の中で、逆に雪敷菜は美味しさを増すのです。
辛い中でこそ善き物となる、そんな雪敷菜は縁起物と言えるでしょう。
・甘味
野菜は寒い環境に置かれると、細胞が凍らないように糖分をたくさん生成して水分の凝固点を下げます。それによって雪敷菜は秋の取れ立ての野菜よりも更に甘味を増すのです。
・白菜
雪敷菜の代表はなんと言っても、白菜です。
他には、大根、キャベツ、人参が有名です。
・鍋
雪敷菜は煮て食べたら美味しいです。元から持つ甘さを、水炊きでいただくのが、なにより味の違いがわかるでしょう。
煮物、味噌汁なんかも美味しいですね。
・耐える
雪敷菜は冷たい雪の中でずっと掘り返されるのを待っています。その姿はどんなに辛くともじっと耐える命の強さを表します。
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