熟る木
熟る木(うるき)
古材、ヴィンテージウッド。長い年月を経て色艶を増して、甘く芳ばしい薫りを放つようになり、価値を高めた木材。
木材が時間経過によって変化して価値を高めていくことを、木が熟れると言う。
・熟成
生きたまま何百年と経たのではなく、材木として使用されて何年何十年と時累ねて、存在と価値を熟成させたのが、熟る木です。
熟成とは成長ではなく、死した後に身を高めることなのです。
・ウィスキー
ウィスキーは古い樽を使うことで、新品の樽とは違う風味づけも出来るそうです。それに、そもそもウィスキーは樽に何年も貯蔵して熟成させるもの。その間に染み込んだウィスキーは、樽の木も熟成させるでしょう。
熟る木の中にはウィスキーの薫りを焚くものもありますし、ウィスキーの中には熟る木の薫りを秘めたものもあるのです。
・家財
熟る木はやはり、テーブルや椅子、棚などの家財として使用されるものが多いです。
年月を経た木がそこにあるだけで、普通の家にも自然と神秘が漂いましょう。
・再利用
熟る木は、家の材木として使用されていたものが解体によって現れたり、古い家具を分解して現れたりします。そうしたものは、元と同じように再利用されたり、切り削られて小さくなって別のものに再利用されたりして、また人の元へ訪れるのです。
・価値の熟成
熟る木は生木の時や新品の時よりも、高価格で販売されます。
中古品の多くは安くなるものですが、熟る木は人に使われて時間を経過していく中で、その価値を熟成させて高めていくのです。
・キャラメル
熟る木の日に焼けた色や薫りは、キャラメルのように焦げ付き甘いものです。
キャラメルは熱を加えられて元の砂糖の白さを失くして熟すものですが、熟る木は日常の熱で同じように焦げて熟すのです。
・甘露蜜
熟る木は甘露蜜みたいな薫りもします。むしろ甘露蜜は樹液の水分を揮発させて蜜蜂が熟成させた蜜なのです。
・メープルシロップ
メープルは木材としても優秀ですし、メープルシロップの煮詰めて焦げた薫りは、熟る木から香ってきたりします。
それにダークのメープルシロップは熟る木のように暗い焦げ茶色なのです。
・琥珀
地面の底で木々が石化した琥珀の色も、熟る木に見られます。
人の中で時を経た熟る木と、地の中で時を経た琥珀、樹木のままではそうなれなかった変化を遂げたのは、やはり似ているように思えます。
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