跳ね映ゆ

跳ね映ゆ(はねはゆ)

光が鏡やガラスなどに反射して、陰の中に射すこと。


・鮮烈な眩しさ

 反射した光は、光源を直接見た時と同じくらいに、あるいは主観的にはそれ以上に眩しく感じるものです。

 跳ね映ゆる光とは、陰の中に鋭く射し込み、とてもとても眩しいのです。


・不意打ち

 跳ね映ゆる光は、そちらに光源はないと思っているところに飛び込んで来て、不意打ちに瞳を刺します。

 そこにあるとわかっていれば避けられるけれど、跳ね映えさせるものが動いていたりすると予測できない不意打ちで来たりもするのです。


・鋭い

 眩しさは、鋭さに繋がります。真剣の切れ味が光で表現されるように、逆に跳ね映ゆる眩しさは鋭さで表現されるのです。


・跳躍、ワープ

 跳ね映ゆる光は、何かを中継して向きを変えて、跳躍するように陰の中へ飛び込んできます。

 それはまるでワープのようでもあり、跳ね映ゆる光に乗れたら、その思いもしない軌跡を辿って、見も知らない何処かへ行ってしまうでしょう。


・立体機動

 跳ね映ゆる光は、重力なんて関係なく、鏡や硝子などの向きだけでその軌道を定めるのです。もしそれが物体の動きであったなら、それは立体機動していることになるでしょう。


・跳ね映ゆらせるもの

 手鏡、スマートフォン、腕時計、身に付ける装飾品などは、ちらちらと跳ね映ゆる先を動かしめる。

 鏡、窓硝子、海などはいつでも同じ時刻にて。

 乗り物の車体は、進むに連れて跳ね映ゆる光を従える。

 細かな雨の上がる後、アスファルト窪みに添って歪む一面の水面に、傾いた陽の跳ね映ゆる無数の煌めきは、息失い、瞳焼かれてなお背けられぬほどに、麗しく、世界の美しきを知る。


・注意を引く

 跳ね映ゆる光が視界に入ると、急な眩しさで、ついそちらを確認してしまいます。

 跳ね映ゆは、人の注意を引くことのメタファーにもなるのです。


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