第12話

*ハスナの場合*



「眞鍋、何か…心当たりはないか?」


「んー。ないですねえ。はい。」


「そうか…ならいいんだが、学校側としても遠野が自殺したのは本当に痛いことなんだよ。遠野が残した紙もSNSで拡散されて…」


いや、だからって私たち生徒を疑います?


しかも、ずっとシュリの隣にいたような私たちを。


だいたい城田先生は1年の担任でしょ、なんであんたが中心になってんの?


色々思うことはあったけど、いちばん心配なのは…


「ねえ城田せんせ。まさかコトハにも同じこと聞いてないよね?」


「コトハ?…ああ、志田か。いや、志田にはまだ聞いてない。」


「あ、よかった。今コトハ結構落ち込んでるからさ…まあ当たり前だけど。コトハには何も聞かないでよ?」


「敬語使えよ…そうは言ってもな、聞かなきゃいけないことはあんだよ。」


「いや、マジでやめて。てか、シュリって自殺じゃないわけ?心当たりって何?」


「自殺するにも理由があるだろ、あんな紙残されて調べないわけにはいかないんだ。…また警察の方もまた来るし、お前らも辛いだろうが、あの時のこととかその前にあったこととか整理しててくれ。」


「警察また来るの!?…あ、また大野さんが来てくれる?」


「多分な。大野警官は若いのにしっかりしてて―――」


「やったあ!大野さんイケメンだから嬉しい!楽しみにしとくね!んじゃね!」


やったー大野さんとまた会えるんだ!


私は軽い足取りで教室を出た。



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