第11話
ドタドタドタッ
「ちょ、シン!ただいまも言わずに何!?」
俺はびっくりしているお母さんをシカトし、自分の部屋に駆け込んだ。
そして即SNSを開いた。
タイムラインには信じられない光景が広がっていた。
シュリの若干青白くなった手の横に例の紙が置いてあるのを写した写真。
学校の生徒のみならず、全く知らない人までこの写真について意見を述べていた。
「…は?…んだよ、これ…」
冷や汗と動悸が止まらなかった。
ふざけんなよ…
俺は1発壁を殴りたくなるような衝動に駆られた。
俺の悪い癖だ。
嫌なことがあったり、イライラした時はよく壁を殴っていた。
前住んでた家の壁はボコボコだった。
でも、高校入学と同時にこの新居に引っ越してきてからは1度も壁を殴ったことは無い。
高校生になってまでそんな幼稚なことしてられねえし。
「…ハヤト…は声掛けねえほうがいいよな…」
ハヤトとはなんか気まずいし、コトハもハスナももう知ってるだろう。
俺一人じゃ収拾がつかないのは分かっていたので俺は携帯を伏せた。
――――――――――――――…
途中から涙が止まらなくなった。
思い返すのはもうやめよう。
俺は徐々にシュリの死を認めつつある。
早くコトハ達にも元気になって欲しいし、先生も警察もいい加減犯人探しとか辞めてくんねえかな。
シュリは自殺だよ。やっぱり。
確かにハヤトもハスナも怪しかった、でもシュリが死んだと思われる時間には俺とコトハも一緒にいた。
ひとつわかることと言えば、コトハと俺が第1発見者ではなかったってことくらい。
でも部室の鍵はずっとハヤトが持っていたし、部外者なのに入るやつも心当たりがない。
マスターキーを持ってる先生とか?
…いや、先生ならシュリをそのまま放置なんかしないだろうし…
あーーーーーーー
考えたってわかんねえ。
俺はとにかく早くコトハに元気になって欲しい。
そしてそのまま静かに瞼を閉じ、眠りについた。
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