第9話


そのあとはトントン拍子で事が進んだ。


お通夜、葬儀、火葬…


火葬はコトハだけが参加し、俺たちは葬儀までで帰っていた。


その帰り道、俺たちはこんな話をした。


「…シュリがいなくなったの、まだ実感無いな…」


「…あぁ、俺もだよ。明日も明後日も、普通に教室で一緒に授業受けて、部室行って…」


俺は零れそうになった涙を必死にこらえながら日常を思い出していた。


すると突然、


「すまない。」


とハヤトが謝ったんだ。


「?」

「ハヤト!」


ハテナを浮かべる俺に対し、ハスナは焦ったようにハヤトの名前を呼んだ。


「ハスナすまん。やっぱり俺にはこんなこと抱えきれない。」


「ハヤトは悪くないのに…!なんでそんな…ああああ!!!!」


「!?」


は?え?なにどうした?


ハヤトが言ってる事の意味がわからなかったのはもちろんだが、ハスナが発狂したことにめっちゃびっくりした。


「ハスナ!」


「私、絶対あいつのこと許さないから!!!!」


あいつって、誰だ?


「お、おい、ハスナ、どうしたんだよ!あいつって―――――」


「ハスナやめろ、」


ハヤトに声をさえぎられる。


「ハヤト!?私もう、無理だから!!絶対いつかあいつをっ!!」







「なんなんだよお前ら」



俺は混乱するハスナと焦るハヤトの前で自分でも驚くほど冷たい声を出した。

ハヤトもハスナも黙った。

でも俺の口は止まらなかった。


「お前らさあ、なんなんだよ。あの日からずっと変だぞ?コソコソ2人で何話してたんだよ?俺とコトハを仲間外れにしてそんなに楽しいのかよ?だいたい何であの日シュリがあんなことになってたのを見てもないのに知ってたんだよ!」


やめろ、俺、止まれ、だまれっ…


「怪しいこと、すんなよ!シュリは自殺だろ!?それともあれか!?お前らがシュリを殺したのか!?」


最低だ。



「ち、ちがうのっ!!」


泣き出すハスナ。


「じゃあ何を俺らに隠してる?ハヤトは何を抱えてるんだよ!」


「シンタロウ、すまなかった。」


ハヤトはまた、頭を下げた。


「謝んなよ!話せばいいだろ!?」


「〜〜〜っ…すまない…」


ハヤトは謝るだけだった。


悔しそうな顔をしていた。


ハスナもそのあと泣くだけだった。


2人は歩くのすらもやめた。


俺は2人を置いて先に帰った。

















―――――――――――――――



なあハヤト、ハスナ。



あの時に話してくれたらこんなことにはならなかったんじゃないのか?

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