第2話
*シンタロウの場合*
「柳原、本当に心当たりはないのか?」
「ないですって。先生も知ってたっしょ?俺らチョー仲良かったですよね?」
「だからこそ疑っているんだ。あのな、学校側としても遠野が自殺したのは本当に痛いことなんだよ。遠野が残した紙もSNSで拡散されて…」
中年のおっさん(先生)がグダグダと文句を言っている。
うるせー。
この人の言う通り、今俺らの学校はSNSで格好の的になってしまっているのだ。
なぜかと言うと、学校の高嶺の花―――…
遠野シュリが自殺したからだ。
シュリは学校外でもかなり知名度が高かった。
なんちゃらグランプリ?で1位を取ったことでインスタのフォロワーがかなり増え、動画投稿アプリやツイッターでも名を馳せていた。
そんなシュリが残した
【お前のせいだ】と残した紙。
その写真がSNSで瞬く間に拡散されてしまった。
紙のすぐ側にはシュリの青白い手が写りこんでいた。
綺麗なネイルが施してあったし、それをSNSに載せていたからすぐに遠野シュリの残した紙だと騒がれた。
世間はこれを殺人事件だと噂した。
職員室からは電話の音が鳴り止まないし、警察だって何回も来た。
勘弁してくれよ。
「てかさあ、先生。犯人とかよりもSNSに写真を載せたやつを探せば?」
「柳原、些細なことでもいいから教えてくれ頼む。」
「いやあ…」
大体なんでそんなに犯人を知りたがるのかもわかんねえ。
首吊りはどう考えたって自殺だろ?
確かにシュリがいなくなってしまったことは悲しい。悲しすぎる。
ま、俺らが知らない裏で色々あんのかもな。
「わかった。すまんな柳原。もう帰っていいぞ。」
「はーい。先生おつかれ!」
そそくさと俺は教室を出た。
くっそ、マジで誰なんだよ…
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