第2話 マイクロチップ共産主義

AGI共産主義にマイクロチップ陰謀論を融合させて、マイクロチップ共産主義というものを考えた。電脳共産主義でもいいのだが、この言葉はすでにTwitter上で使用されている。わかりやすさを優先してマイクロチップ共産主義とした。マイクロチップ共産主義はAGI共産主義に至る前段階である。おそらく2050年までに実現する。


マイクロチップ共産主義とは、NeuralinkとICタグ、共産主義を合わせて進化させたもの。つまり、新生児の脳にマイクロチップを埋め込み、成長と同時に思考や記憶をすべて記録・監視し、共産主義的価値観から外れた思考を排除するシステム。マイクロチップ共産主義を経由してAGI共産主義に至ることで、デジタル社会主義は完成する。


このマイクロチップ共産主義はオーウェルの1984年に登場するテレスクリーンの完成形だ。個人の全ての位置情報や思考と記憶を監視し、党の方針に合わない記憶は消去してしまう。


おそらくはアップルウォッチのように、システムの導入はデジタルヘルスとして始まる。そして気づいたときには手遅れだ。システムが完成すれば、人権という概念は忘れ去られ、考えることすらできなくなる。中国のネットから天安門事件が消えたように。


すでに基礎技術の研究は行われている。以下のリンクは、鳩をリモコン化する研究である。


https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-24881820070228


以下はマイクロチップ陰謀論のベースと思われる記事。毒入りGPS、キラーチップと呼ばれるもの。


https://io9.gizmodo.com/germans-deny-patent-for-gps-poison-microchip-5259933


やはり陰謀論よりも現実は、はるか先を行っている。陰謀論は現実の2周遅れ、3周遅れの情報にすぎない。中国はすでにNeuralinkと同レベルの技術を持っていると考えるべきだろう。マイクロチップ共産主義はすでに始まっている。まさか電脳技術が中国で実用化され、デジタル社会主義の完成に貢献するとは……このような形で電脳化が実現して欲しくはなかったが。


以下の3つのリンクは、米軍の Cyborg Soldier 2050と呼ばれる、サイボーグ兵士計画に関する記事。


https://www.newsweekjapan.jp/stories/technology/2016/01/darpa.php


https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57406


https://www.wired.com/beyond-the-beyond/2020/01/cyborg-soldier-2050/


そして最後は、日本におけるマイクロチップ義務化法案成立の記事。ただしこれは犬や猫の話である。


https://www.asahi.com/articles/ASM706HLBM70UTIL06W.html


今後実現が予想される社会システムは、脳インプラント(マイクロチップ)を埋め込まれた労働者階級と、脳インプラントのない特権階級で構成される。オーウェルの1984年で言えば、党内局が脳インプラントなしの特権階級で、プロレが脳インプラント移植階級に相当する。AGI共産主義における議会は脳インプラントのない特権階級で構成され、完全な共産主義という理想のもとに、完全な監視社会が実現する。


繰り返すが、米軍の Cyborg Soldier 2050 はおそらく2050年までに実現する。日本人がのんびりと平和を楽しんでいられる時代は、まもなく終わる。

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AGI共産主義の成立と展開 佐久 満 @sdr_mania2

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