転校生7p
司は方美の顔に自分の顔を近づけた。
方美の頬に司の頬が少しだけくっつく。
方美は驚いた表情をして、司を見たが、司が、「いいから鏡を見ろ」と言うので、司に言われるがまま、鏡を見た。
鏡には同じ顔をしている方美と司の整った白い顔が横に半分ずつ映っている。
「方美、どうだ。お互いに、よく似ているなぁ」
鏡に映った自分達の顔を見て、司は満足そうな笑みを浮かばせる。
そんな司に対して、方美の方は不安そのものという表情だ。
「そうですけど、似ていると思いますけど、でも、私は……」
「方美、お前には自信が足りないようだな。いじめの心配をするのは構わない、危険を予測して悪い事は無いからな。が、しかし、方美、お前はもっと自信を持ったら良い。この顔に、僕らの、この顔に不満がないなら、な」
司のその台詞に、方美は、ハッとした。
「そんな、この顔に不満を抱くなんてあり得ない事です! そう、私達の顔! お姉様と同じ、この顔に不満だなんて! そう、そうよ! この顔でいて自信が無いだなんてあり得ない事だわ!」
「いいぞ、方美、その意気だ」
司の台詞に、方美は力強く頷く。
司も笑みを浮かべて頷く。
「ところで、方美、お前の心配も最も、というところだ。そろそろ、お友達作りもしないといけない頃合いだなぁ。お前に作らせたリストから何人かピックアップしてある。方美、仲良くするなら、こいつらだ」
司は自分の鞄からクリップで止められた紙の束を取り出して方美に渡す。
その紙には、方美のクラスメイト達の名前や部活などが書かれている。
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