転校生4p
「方美、いつも迎えに来てくれてありがとう。妹が来てくれたから、私、行くわ。皆、ごめんなさい」
そう言って、輪の中心にいた司が席を立つ。
「行きましょう、方美」
「……ええ」
司と方美は、二人に視線を送る目の主達に軽く頭を下げると教室を去っていった。
二人が教室からいなくなると、また教室が騒がしくなる。
「今の、妹の方? 初めて見たわ。凄く似ているね」
「おさげの方が司さんで、ポニーテールの方が方美さんでしょ? 二人とも、本当によく似ているよね」
「二人とも、美人さんよねぇ。肌も白くて、背も高くて、モデルみたい」
「あの二人、頭も良いんだよね? 転校早々にあった実力テストで姉妹揃って全教科満点を取ったって本当?」
「昼休みは妹の方が迎えに来て、二人で昼飯を食べてるいみたいだな」
「姉妹揃って黒髪でロングヘアーって……好みだわー」
「姉妹揃って、って、お前、どっちがタイプなの?」
「ええー……」
生徒達のおしゃべりは止まらない。
「なんかさ、美人の双子の転校生が珍しいのも分かるけど、あの人気ぶりは異常じゃない? アイドルじゃあるまいし」
「そんな事言って、あんたも鈴莉さんと仲良くなりたいんでしょ?」
「まあね、司さん、なんかおいしそうな匂いするしさ」
「ははははっ、何それぇ!」
生徒達のたわいのない話は、休憩時間終了を告げるチャイムが鳴るまで続けられた。
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