2学期

9月

第18話

 先週、八月の終わりからは二学期が始まり、もう修学旅行の時期になった。

 わたしは悠里と同じ班になれたのが、とても嬉しかったの。

たちばな櫻庭さくらばって、仲良いよな」

「よくないよ!」

 ほぼ同時に言っちゃったけど、みんなが笑っていた。

「びっくりした、だって。同時に言うんだもん」

 みゃーちゃんが話しているけど、びっくりしたみたいだ。

 班は悠里とわたし、久保田さんと石井くん、眞田さなだくんと渡辺さんの六人。

 京都と奈良で、それ以外は行き先は自由。

「みゃーちゃん、京都……他にどこか行きたい?」

「え? 伏見稲荷と上賀茂神社と下鴨神社」

 それと他のみんなの意見を合わせて、なんとか決めることができたの。

 部屋割りは一班から三班の女子全員。

 みゃーちゃんと一緒の班になれたのは、とても心強い。




「小夜。テスト勉強、やってる? 修学旅行があるけど……」

「してるけど~、なかなか難しくて。最近はテスト勉強と一緒に受験勉強もしないといけないから」

 いとこの永莉えりちゃんが家庭教師として、来てもらっていた。

 伯母さんの絢子ちゃんの娘だ。

「小夜ちゃんは応用問題が苦手だって聞いてるよ。よし、テストの範囲を見てみよう」

 永莉ちゃんがテストの範囲の用紙を渡した。

「う~ん、かなり範囲が広いね。今回は数学と理科を重点的にやるよ」

 永莉ちゃんの教え方はとてもシンプルで、分かりやすかった。


 いつの間にか、時間が終わってしまった。

「じゃあ、今日はこれで終わりだね。来週は修学旅行だって聞いてるから、小夜ちゃんはワークのこのページを解いてね」

 わたしは少しずつだけど、勉強する習慣がついてきた。





「抜き打ちテスト!? マジかよ」

 理科の時間で、小テストを完全に抜き打ちでやられた。

「先生……すごいね」

 テストはほぼワークからの出題らしくて、勉強した場所ではないところもあったけど、そこは諦めたくなかった。

 テストの結果は明日の授業で、返されるらしい。

 わたしは昼休みになって、図書館に行くことにした。

 図書館ではまたに借りてる本の新刊が出たみたいだから、その本を見に来たの。

「あれ? お姉ちゃん」

「雪華、どうしたの?」

 雪華が本を借りに来たらしくて、バスケの雑誌を読んでいたみたい。

「お姉ちゃん、あそこの新刊、借りに来たの?」

「うん。あのシリーズはよく読んでるからね」

 わたしは昼休みの間はずっとその本を読んでいた。

 といっても、本を読むペースが遅いから貸し出し期限ギリギリで読み終えるくらい。

 でも、来週からは修学旅行で、移動中に読めたらいいかな?

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