第2話
四月の終わりになってきた。
わたしは
全くわからないけど、真剣に向き合わないといけないけど……ヤバいな。
特に数学と理科が1になったままだし、技術家庭は唯一5を取れる教科だった。
「お姉ちゃん、国語の漢字のワークやった? テストなんでしょ?」
「うん。雪華。ありがとうね」
国語と英語は良くて3。いつもは2で、社会がたまに1を取ったりでほんとに大変なんだ。
あと少しで中間テストの試験二週間前になる。
「みゃーちゃん、一緒に帰ろう」
「小夜、いいよ!」
雅と一緒に帰るのは、とても多い気がする。
「部活は?」
「ないんだ、これから塾だよ~。大変なんだ」
「そうなんだ、早いな。みんな」
雅も塾か……近所の塾に雪華を通わせるのでやっとで、わたしは勉強が好きじゃなかったし。
「みゃーちゃん、中間テストの範囲、わかった? ワークとかの」
「あれ、教科書を読んでから、解いた方が納得できるよ? やってみてね」
すると、体育館からバスケ部が練習をやってたのを見つけた。
「あ、
「ほんとだ!」
悠里は男子バスケ部で、がんばってるんだ。小学生の頃からバスケは強かったし。
「悠里……いいな、成績よくて」
「幼なじみなんでしょ? 教えてもらえばいいじゃん!」
わたしはため息をつく。
「そうだったら、いいけどね……わたしとは全然違うんだもん。色んなことが」
これから、高校に行けるかもわからない。
それに、経済的にも都立を志望した方がいいと思ってしまった。雪華は絶対に他の高校でも通えそうだ。
下駄箱で外周をしていた雪華を見かけた。
「雪華ちゃん? 女バスにいるんだよね」
「そうだよね~、とても運動神経もいいんだよ」
女バスの部員で雪華は一年の頃からスタメンに起用されることもあって、高校はスポーツ推薦で行ける高校も多いんだ。
試験勉強は家事をすると、なかなかできなかった。
寝る時間を少しだけ削って、勉強するしかなかった。
「あ、母さん。おかえり」
「ごめんね、こんな遅くまで……」
「ううん。テスト前だから、勉強しようとしてただけ」
母さんは少し疲れているみたいだった。
毎日、朝早くに出かけて、夜遅くに帰ってくるような仕事をしているんだ。
「ごめんね……小夜。家事を全部、任せちゃって。これじゃあ、勉強すらできないもんね」
母さんは十代……十九歳でわたしを生んで、それからは専門学校に通いながら育てていた。
テストの勉強を少しだけ見てくれた。
中学校では成績が良かった母さんは、勉強方法を教えてくれた。
「ノートを授業のときに、分かりやすく書いてみたら?」
そのあとに、母さんはご飯を食べて、眠ってしまった。
わたしは勉強方法を教えてもらってから、その方法で問題集を解いてみると、とてもわかりやすかった。
今日の最後の授業は数学。
みんな、解きたくないみたいだった。
先生が独断と偏見で指名していっている。
「この次の問4、橘。解いてみてくれ」
新垣先生が指名してきた。
ノートを持って、書いた通りに黒板に書いていく。
「よし、正解。この問は一番難しくて、この解き方が……」
席に帰ると、悠里が笑ってうなずいてくれた。
帰り学活が終わって、わたしは雪華のいる二年C組に寄った。
「お姉ちゃん、どうしたの?」
「あ、母さんが先に帰ってくるから、遅くならないでねって言ってた」
「OK、またね!」
雪華はそのまま友だちと勉強するみたいで、夕飯の前には帰ってくるという。
すると、悠里がこっちに来た。
「どうしたの?」
「何でもない。じゃあね」
なんで、こっち来たのかも、よくわからないけど、悠里はたまにこんな感じになる。
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