三人称で状況描写を行うのに、キャラクターの内面を描写する時は三人称のまま独特の口調を組み込んだキャラクターなりの文章体。
これをやってのける訳で、三人称特有の『心情に関する部分の描写が苦手』を見事に解消している。
当然かなりの高等テクニックであり、これを見事違和感なくこなしている作者様をカクヨムで見かけることはまず無かったので、驚きを隠せないです。
それと、キャラクターがキャラクターしてる。
文字情報だけなのに、脳内でキャラクター達が動く動く……多分この魅力は実際に読んで見ないことには伝わらないでしょう。
つまりは、この作品と作者様は神です。
はたしてネット小説で公開してしまってもいいものかという疑惑はありますが、既にされているものは仕方ない。
さぁ、文字列を前にして悶え続ける日々へと突入しよう。
たった一人の家族のためにお金を稼ぎたい主人公。友人に勧められた恋人代行のバイトで様々な女性と出会う。
登場するヒロインはみな魅力的だ。大学のロリな後輩、バイト先の常連の女子高生、そしてバリキャリのお姉さま。
彼女たちにとって主人公はただの恋人代行だったが、主人公の天然ジゴロによって徐々に心がほだされてく。
しかし主人公は(今のところ)あえて金とためだと必死に言い聞かせて慣れないことをやっているので致命的にかみ合っていない。
それがこの作品の見どころでもあり、読んでいてキュンキュンしてきて次を読み進めずにはいられなくなってしまうのだ。
また主人公には過去に苦い経験をしているが、その当事者が今後どう物語に関わってくるのか楽しみである。
だが、個人的にはお姉さまとの絡みをもっと増やしてほしいというのはわがままか。お姉さま、最高かよ…