令和時代の新・青春群像劇

なんの脈絡も事前情報もなく、ふとGoogleで『青春欠乏症』と検索したら、この作品と出逢いました。
『青春欠乏症』と検索するような私には本作のテーマはドストレートで、数時間程度で一気に読まさせて頂きました。

面白かったです。

なによりも、青春とは青いからこそ青春である。地獄にこそ咲く花であるという感じのテーマが良かったです。
深くレビューするとネタバレになるので控えますが、『ReLIFE』や『プロポーズ大作戦』のような単なる青春の敗者復活戦ではないところが良かったと思います。
なぜなら、令和の陰キャにはそもそも『所謂青春』というものが存在しないのですから……
存在しない青春の後ろ姿を追いかけるよりは、ここに在る泥臭く、それでいて愛おしい灰色の青春を見たいものです。
苦しいですよね、青春って。
それでも、やりきったと天を仰げるまで身を捧げて欲しいと思います。

少なからず私はこの作品から青春を貰えました。
――どうか、青春を辞めないでください